作品一覧

  • P+D BOOKS 父・萩原朔太郎
    4.0
    1巻770円 (税込)
    娘の目に映った“不世出の詩人”の真実。 ――父はお酒を飲むと、まるでたあいない子供になってしまう。そして酔ってくると、次第にお酒をびしゃびしゃお膳にこぼしはじめ、それにつれてお菜を、膝の上から畳の上一面にこぼすのだった。――  室生犀星をして“不世出の詩人”と言わしめた萩原朔太郎。口語自由詩というスタイルを確立し、一躍時代の寵児となった朔太郎だが、その私生活は、風呂嫌いで、女物の下駄を平気でつっかけ、食事のときは前掛けをさせられていた、など驚くべきものだった。  いちばん間近で朔太郎の真の姿を観察していた長女・葉子が、父はもちろん、愛人をつくって家を出た母やいつも辛く当たる祖母のこと、そして室生犀星、三好達治、北原白秋、佐藤惣之助ら作家たちとの交流を克明に描いた文壇デビュー作。
  • P+D BOOKS 輪廻の暦
    -
    1巻715円 (税込)
    凄絶な半生を描いた自伝的長編の完結編。  母に捨てられ、有名な詩人だった父・洋之助が亡くなってからは祖母に虐待されて育った嫩(ふたば)。結婚後も夜な夜な暴力を振るう夫に悩まされ続け、やっと別れることができてほっとしたところに、父の知人・岸上太郎が訪ねてきた。 「軽いエッセイや小説でも。いや、そんなことより洋之助の思い出を書いてみなさい。……君なら書ける」  詩人萩原朔太郎の長女・葉子の実体験をもとにした自伝的小説で、『蕁麻の家』『閉ざされた庭』に続く三部作の完結編。三部作全体のあとがきとして書かれた「歳月――父・朔太郎への手紙」も収録。
  • P+D BOOKS 天上の花・蕁麻の家
    5.0
    1~2巻660円 (税込)
    萩原朔太郎の長女が描く、壮絶な物語2篇。 「天上の花」は、詩人・三好達治を、幼いころから三好にかわいがられていた著者ならではの目線で描く。三好は前妻(佐藤春夫の姪)と別れ、朔太郎の妹・慶子と付き合うようになるが、きらびやかな生活を好む慶子と、貧しくても平和な暮らしを望む三好の愛の生活は、やがて破滅的な最後を迎える――。第55回芥川賞候補作。 「蕁麻の家」は、母親が他の男のもとに走ったことが原因で、幼少期から祖母、叔母など家族みんなに疎まれ、頼みの父親からも避けられてしまう主人公の、まさに棘に囲まれているような生活を描いた秀作。第15回女流文学賞を受賞。
  • P+D BOOKS 天上の花・蕁麻の家

    Posted by ブクログ

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    自らのための備忘録

     先日、世田谷文学館の萩原朔太郎展に出かけた時に見つけて購入。同じ小学館のP +D BOOKS シリーズの『父・萩原朔太郎』を読んでみて、藁半紙のような紙質は軽くて持ち運びが楽なこと、それに活字が大きくて、私のような老眼にはありがたかったので、手元に置いておきたいと思った『天上の花』と『蕁麻の家』の合体本を購入しました。これでわずか660円とはいい買い物でした。

    ***『天上の花』***
     映画を観る前に読んだ感想は、講談社文芸文庫版に書きました。こちらは、一読し、映画も観、その後、萩原葉子の主要小説や萩原朔美のエッセイを読み、萩原朔太郎の詩集を読んでからの感想です。

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    2023年02月02日
  • P+D BOOKS 父・萩原朔太郎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自らのための備忘録

     まずは小学館のP + D BOOKS、つまりペーパーバックとデジタルブックスという出版形態にお礼を申し上げたいと思います。P + D BOOKSとは「後世に受け継がれるべき名作でありながら、現在入手困難となっている作品を、B6判ペーパーバック書籍と電子書籍を、同時かつ同価格で発売・発信する、小学館のまったく新しいスタイルのブックレーベル」なのだそうです。おかげで私が生まれた年1959年に出版された、萩原葉子による『父・萩原朔太郎』を読むことができました。
     萩原朔太郎が右の細長い五本の指いっぱいに、赤い球を挟み、それを増やしたり、減らしたりするような手品に無心となり、晩

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    2023年01月26日

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