前野ひろみちの作品一覧

「前野ひろみち」の「満月と近鉄」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 満月と近鉄
    4.1
    小説家を志して実家を飛び出し、生駒山麓のアパートに籠もっていた「私」は寺の参道で謎めいた女性に出会う。その女性は万巻の書物に囲まれて暮らしていたが、厳しい読み手でもあった。私は彼女に認められたい一心で小説を書き続けるが……(表題作)。斑鳩の里に現れたひとりの青年、ベトナム戦争からの帰還兵ランボーは、己を戦場へ押しやった蘇我氏への復讐を胸に秘めていた(「ランボー怒りの改新」)。奈良を舞台に繰り広げられるロマンと奇想に満ちた4篇。本書を発表したのち沈黙を続ける鬼才の唯一の著作。仁木英之による解説、森見登美彦との対談を収録。(『ランボー怒りの改新』改題)
  • 満月と近鉄

    Posted by ブクログ

    知らない作家。
    「ランボーと怒りの改新」を筆頭にとにかくひらめきに満ちた作品集。万城目学とは違った、垢抜けた感じがないところが逆に良い。
    とにかく一気読みした。

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    2023年07月24日
  • 満月と近鉄

    Posted by ブクログ

    ランボー怒りの改新、ぶっ飛びすぎてて度肝を抜かれた。ナラビアンナイトも小気味よい。なまじ奈良の地理がわかるだけに、楽しさも倍増。生駒に行きたくなった。

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    2022年11月07日
  • 満月と近鉄

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ――

     きんてつ、の発音よ。


     だいたい大きな駅のあたまには「近鉄」と付いているんだけれど、概ね主要な街ではその「近鉄」は発音されないで、逆にJRの方にわざわざ付いてない「JR」ってー冠詞を付けるのが習わしになっている。子供のころからそのことに疑問を感じていたオレは多分根っからの体制派なんだろう。



     いやー、傑作である。ちょっと奈良について調べる機会があったのでここぞとばかりに読んでみたのだけれど、ほんとに。
     モチーフの使いかたも、削り出しの方法も見せかたも抜群で、技術的なのは間違いないのだけれど…それ以上にちょっとしたワーディングとか、展開のさせかたとか言葉の飛躍がすっぽりとハ

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    2021年08月19日
  • 満月と近鉄

    Posted by ブクログ

    けっさく!

    奈良舞台の話を探して見つけたけど、
    こんなに貴重な本だとは…
    繋がり方と最後の締め方が好み。

    作者も自認してるし対談もしてるので、言うまでもなく森見さんワールドに近しいのだけど、
    何というか豪快な感じ。

    甘樫丘やら飛鳥寺やら、行っておいてよかったー!
    奈良公園も改めて行かねば。
    万葉の歌と植物も。

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    2021年04月30日
  • 満月と近鉄

    Posted by ブクログ

    謎の作家前野ひろみち氏による短編集。ランボーは歴史の知識がないとなかなか難しいが、知識不足でも十分に読ませてくれる大胆な作品。ナラビアン・ナイトは奈良を舞台に語られる物語群、そしてその構造に圧倒される。そして自伝的(?)な表題作が全ての物語を繋ぎ、ますます著者への謎は深まるばかり。さて、問題となる著者の正体だが、7割くらいの確率で夜は短いのではないか。ただM氏なら表題作のような描写はしないような気もする。しかし、だからこそ筆名を変えて出版する必要があったのではないか、などと妄想は尽きないのであった。

    0
    2021年04月04日

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