作品一覧

  • 無情の琵琶 戯作者喜三郎覚え書
    4.0
    1巻850円 (税込)
    京の呉服屋の三男坊ながら、戯作者を夢みる喜三郎(きさぶろう)に、婿入りの話が持ち込まれた。しかしその相手には、許嫁が短命に終わるという「婿殺し」の異名があり、戸惑う喜三郎は、知人の寺に相談に行く。するとそこには見知らぬ琵琶法師がいて、「救うべきは、その娘だ」と告げられる――。芝居小屋の怪、拐(かどわか)される幼子、人の心を狂わす妖刀……。京で大人気の芝居誕生に秘められた、悲しい真実を巡る感動の時代ミステリー。文庫書き下ろし。
  • 室町妖異伝―あやかしの絵師奇譚―(新潮文庫)
    3.3
    1巻781円 (税込)
    妻を救うため、絵師は京の闇に踏み込んだ――。 異界が見える絵師土佐光信は、都の空に不気味なひび割れを見た。そんな折、妻が囚われの身に。光信は心優しき友箕面忠時や、不思議な女〈つづれ〉の力を得て、見えざる戦いに挑んでいく。幽鬼が群れ、地上に慟哭が満ちた時、謎の神獣が姿を現した。瓦解に瀕した都を守るため、光信が取った命がけの最終手段とは……。感動を呼ぶ傑作。(解説・末國善己)
  • 無根の樹
    4.5
    1巻858円 (税込)
    京都西町奉行所同心、榊玄一郎の元に、手下の小吉が現れた。堀川に相対死(心中)の水死体が上がったのだという。骸が発見された橋のたもとに向かった玄一郎だが、現場には西町奉行の侍医、久我島冬吾の姿があった。この医者は頼みもしないのに勝手に検分をして、同心たちとは全く違う見解を述べるので、評判はかなり悪い。しかも『相対死は三日間、四条河原に晒される』という法度があるにもかかわらず、久我島は玄一郎に、人助けと思って、心中である事実をもみ消せと言い出した。一体何が目的なのか!? しかしこの心中事件が市中を震撼させる事態へと発展していく──。
  • 群青の闇 薄明の絵師
    4.4
    1巻704円 (税込)
    町絵師の子として育った諒は、京狩野家の絵師・五代目狩野永博の許へ弟子入りをする。諒の才能に惚れこんだ永博は自分の娘・音衣と結婚させ婿養子として迎えた。京狩野家の六代目絵師として邁進していたが、妻との関係が冷めていくうちに、諒を兄と慕う幼馴染みの夜湖といつしか男女の関係になっていた──。一方で、「豊臣家の宝」とも呼ばれ、岩絵具にすると深い群青色を出すといわれた幻の輝石「らぴす瑠璃」が京狩野家に密かに伝えられているという噂を耳にする。「絵師とは何ぞや」。その答えを求め続ける男たちと、様々な思惑の中で苦悩する女たちを描いた、書き下ろし時代小説。
  • 幽玄の絵師―百鬼遊行絵巻―(新潮文庫)
    3.3
    1巻693円 (税込)
    都の闇に跋扈する、人ならぬもの鬼の如きもの――。妖異が見える異能の絵師土佐光信は、将軍足利義政から、人心を惑わす妖物の正体を解くよう命じられる。御所をさまよう血塗れの女や、禍々しい「呪詛屏風」、影を喰らうものや、人の泣き声を餌にするもの。将軍の心に取り憑き、裏から世を操る「鬼」……。光信が怪異の謎を突き止めたとき、真に怖ろしいのは妖物か人か――。室町ミステリー。(解説・細谷正充)
  • 朱花の恋 易学者・新井白蛾奇譚
    -
    1巻704円 (税込)
    江戸を離れて京都で心学者・石田梅岩の家に寄宿する新井白蛾は、ある日朱色の衣をまとったこの世のものならぬ美しい娘・朱姫と出会う。彼女に導かれた白蛾は奇妙な算木を見つける。以来、易に熱中し「八卦見の白蛾先生」として知られるようになる。彼だけが見え、話ができる朱姫との清らかな恋。だが、凄まじい的中率を持ち、時や場所を超えて求める真実を映像として見せる力を持つ秘易は、手にするものが己のために占えば力を失うという言葉通り、自らの運命は杳として知れなかった。京に相次ぐ火難の謎を追ううち、秘易の意味や出生の秘密等が明らかになり──。実在の人物を主人公に占術と恋を描き、時代小説に新風を吹き込んだ話題作!
  • 鬼呼の庭 お紗代夢幻草紙
    4.3
    1巻720円 (税込)
    庭師「室藤」は、薬種問屋から、暴風雨で荒れた庭普請の依頼を受ける。職人たちの世話をする、室藤の一人娘・お紗代はある夜、垣根で隔てられた今は使っていない離れの庭から、子供の声がすることに気がつく。つられて足を運ぶと、そこには真っ赤な鶏頭の花が咲き乱れていた……。家族の確執から遺った念、紛れ込んだあやかしなど、庭に関わる不思議な事件を、お紗代が解決する感動の時代小説。
  • 京の縁結び 縁見屋の娘
    3.3
    1~2巻715円 (税込)
    第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞作は江戸の口入屋を舞台にした時代ミステリーです! 江戸・天明年間の京都。働き口や住む場所を紹介する「縁見屋(えんみや)」。代々から続く“徳を積む”という家訓のもと、通りすがりの修行僧や旅人などあらゆる人の世話を焼いている。娘のお輪は父と穏やかな日々を過ごしているが「店の娘は代々男児を産まず早死にする」という噂に悩んでいた。ある日、店に修験者が訪れ、父は男に縁見屋ゆかりの火伏地蔵堂の堂主を任せることに。お輪は「帰燕」と名乗るその男に、なぜか心を惹かれていくが……。悪縁により短命な家系に生まれた不運な娘を救うべく、謎の修験者が施す大いなる“秘術”とは? ふたりの運命は?
  • うつろがみ 平安幻妖秘抄
    3.7
    1巻682円 (税込)
    源譲は幼き頃に帝である父と母を亡くし、以来無欲に生きてきた。だが突如、時の権勢者・藤原基経に呼び出され何物かに憑かれた姫を正気に戻すよう求められる。姫の魂を取り戻すため譲は魔道山へ向かうが……
  • 無根の樹

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    二編からなる話。
    二つとも人間の心情がことこまかに書かれていて優しい気持ちになっていく。
    親の仇討ちも年齢を重ね何故殺されなければならなかったのか理由が分かるだけでいい。相手を憎く思う事はなくなったと刺々しさがなくてこんな気持ちで過ごしてパワーをもらいたい。

    0
    2022年12月01日
  • 群青の闇 薄明の絵師

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    安心して読める小説。
    この作家のいいところは安定感があるから感情を乱されずに読めるところ。人の悪を書いている小説を読んだ後に読むと清々しい心になるし、現実逃避したい時に読むと嫌なことも忘れるぐらいにのめり込める。

    今まで読んだ作品で鬼庭の次によかった。

    0
    2022年05月14日
  • 京の縁結び 縁見屋の娘

    Posted by ブクログ

    ミステリーではないが人情あふれる物語。この人の描く小説は人間のいい部分を丁寧に描いている。
    大火災と人の死とひきかえに呪縛を断ち切ると言われ大火災は起こる出来事なのにそれを気に病むお輪。呪縛を解く帰燕との関係。一見弱そうにみえるお輪の芯の強さに応援したくなってしまった。
    応援したくなる気持ちで読んだのはいつぶりだろうか。また再読したい一冊。

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    2022年04月23日
  • 鬼呼の庭 お紗代夢幻草紙

    Posted by ブクログ

    ある作家の京都弁??は読みにくかったがこの作家は読みやすく流れるように読み進めることができた。途切れるような会話の流れは読んでいて苦になるし、内容がよくてもイライラ感が増して残念だなと思うが全然そんなこともなかった。
    お紗代がこの世とあの世の架け橋となり人を救う事によって自分のするべき事を見つけていく姿や助けてあげたいと願う心の強さにうるっとくる。続いて欲しいが続くとマンネリになり最初の感動が奪われてしまうような気がするので心残りで終わった方がいいのか、でも続編が出たら購入すると思うくらいに内容はよかった。

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    2022年04月22日
  • 群青の闇 薄明の絵師

    Posted by ブクログ

    面白かった。よく勉強しているなと思う。日本画をやっていたので、絵の具の違いや構成など、色々思いだされて、また、筆を取りたくなった。「描け!」と言われている気がした。

    0
    2021年01月05日

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