作品一覧

  • レヴィ=ストロース 構造
    値引きあり
    3.0
    本書は、現代最高峰の人類学者クロード・レヴィ=ストロース(1908-2009年)の全貌を描いた決定版の誉れ高い1冊です。 ベルギーに生まれたレヴィ=ストロースは、フロイトやマルクスに触れた青年期を経て、南仏で高校教師になりました。その中で育まれた情熱を抑えられなくなった1935年にブラジルへ旅立ち、カデュヴェオ族やボロロ族、そしてナンビクワラ族の調査に乗り出します。その後、第二次世界大戦の勃発を受けて従軍しますが、1941年にはユダヤ人への迫害を回避するべくアメリカに亡命したレヴィ=ストロースに、ニューヨークで決定的な出来事が訪れました。それが言語学者ロマーン・ヤコブソン(1896-1982年)との出会いです。 のちに『音と意味についての六章』として公刊されるヤコブソンの講義の内容は、レヴィ=ストロースの中で若い頃からあたためられていた「構造」の概念と交錯しました。そうしてヤコブソンの勧めを受けて書き始めたのが、構造主義の誕生を告げる『親族の基本構造』であり、4年をかけて完成されたこの大著は1949年に刊行されることになります。 ここから旺盛な執筆活動を開始し、『人種と歴史』(1952年)、『悲しき熱帯』(1955年)、『構造人類学』(1958年)を生み出したあと、1959年にはコレージュ・ド・フランス教授に就任したレヴィ=ストロースは、一世を風靡した『野生の思考』(1962年)を発表すると、ついに全4巻に及ぶライフワーク『神話論理』(1964-71年)に着手しました。 その後も100歳で逝去するまで活躍し続けた偉大な人類学者が残した数々の仕事を、その生涯や時代との関係を描きつつ明快に解説してみせた本書は、1996年の刊行以来、概説書のスタンダードとして四半世紀にわたって読み継がれてきました。このたび、最新の書誌情報を追加するとともに、生前の著者と深い交流のあった小泉義之氏の書き下ろし原稿を併載した文庫版としてお送りいたします。 [本書の内容] 序 章 構造主義のエシックス 第一章 歴史の影のなかで 第二章 声とインセスト 第三章 旅の終わり 第四章 神話と詩のあいだに 第五章 幻想から思考へ 第六章 新石器のビルドゥングスロマン 1――南半球の森から 第七章 新石器のビルドゥングスロマン 2――北半球への旅 終 章 「構造」の軌跡 主要著作ダイジェスト キーワード解説 読書案内 レヴィ=ストロース略年譜 解 説 小泉義之
  • われらみな食人種(カニバル) レヴィ=ストロース随想集
    3.7
    現代思想に構造主義を持ち込み、知的光景を一新した人類学者レヴィ=ストロースが、晩年にイタリアの日刊紙『ラ・レプブリカ』に連載した時評エッセイ集。時事ニュースを構造人類学による大胆な連想と緻密な論理で掘り下げ、パズルを解くように描き出す。巻頭には実質的論壇デビューを果たした論考「火あぶりにされたサンタクロース」を収録。80年以上にわたる知的営為をエッセンスの形で読める、最良のレヴィ=ストロース入門。
  • 増補 闘うレヴィ=ストロース
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    レヴィ=ストロースの壮大な思想は図式的理解を拒むが、闘う知識人としての姿を追うことで難題に挑む。100年の生涯で彼は何と闘ったのか。第一人者による最良の入門書。
  • われらみな食人種(カニバル) レヴィ=ストロース随想集

    Posted by ブクログ

    レヴィ=ストロースの時事問題などを踏まえたエッセイ集。

    1952年の「火あぶりにされたサンタクロース」が最初にあって、そこから一気に1989年に飛び、1年に2つづつくらいのペースでかかれ、2000年のエッセイが最後。全部で17本の珠玉というのがまさに相応しいエッセイ集。

    この半世紀にもわたる執筆期間にもかかわらず、レヴィ=ストロースの物事をみる目は驚くほどの一貫性がある。

    人間の思考は、いかに現代的、論理的にみえても、「未開」の思考がふと思いがけなくでてくる。つまり、わたしたち「文明人」と「未開人」の差は、思いがけないほど、近いということ。

    「未開というものがあると思う態度こそが未開」

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    2020年02月28日
  • 増補 闘うレヴィ=ストロース

    Posted by ブクログ

    なかなか歯が立たないレヴィ=ストロース。少しでも理解の足しにと手に取ったが、正直難しかった。

    学生活動家だった頃から説き起こしている。
    親族構造から神話研究に至る理由も。まあそんなものかと思う。「生のものと火にかけたもの」の意味するものも初めて知ることができた。

    だけど、構造の何たるかは結局よく判らない。

    第二章の最後に、家族は社会の条件であると同時にその否定であると記されている。
    親族構造の最初が家族だよね。社会はまず、親族の基本構造から始まっているんじゃないの。どういうこと?

    0
    2023年04月28日
  • レヴィ=ストロース 構造

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    「構造主義」って何?というところから入った本.
    本自体は人類学者レヴィ=ストロースの生涯と功績を綴った本. 半分くらいでリタイア.

    「構造主義」が意味すること自体は普段我々が使う「構造」と変わりないものということが確認できた.

    ”「構造」とは要素と要素感の関係からなる全体であって,この関係は一連の変形過程を通じて普遍の特性を保持する.”

    「◯◯主義」とあるから何かイデオロギーを指すものかと思ったけどそうではなく,研究や観察において物事をどう捉えるかという思考のメタフレームワーク的なものであるということがわかり,またレヴィーストロースはそれを文化人類学においてそれを発揮した人なんだなあとい

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    2021年07月15日
  • われらみな食人種(カニバル) レヴィ=ストロース随想集

    Posted by ブクログ

    このところの自分の思考に顕著なある傾向には、おそらく文化人類学の論考に近しいものがみられるのではないかと思い手に取った。もっとも入門的なところに位置すると思われる一冊だが、正直なところ自分程度の教養では立ち向かうのは難しかった。それでも著者がいかにフラットな視野で世界を見ていたか、それを膨大な教養と知識の海で飾りながら綴られていることはよく分かった。
    直線的・一方向的進化に対する疑問、「未開」という視点の誤りなど、触れたかった内容も通奏低音のようにすべての論考に流れていた。勉強を積んでもうすこしスムーズに、この内容を楽しめるようになれればよいが。

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    2021年04月23日
  • レヴィ=ストロース 構造

    Posted by ブクログ

    原書を読んでいないのでいまいちわかりにくかったが、大掴みには理解できたような気がするし、原書を読んでみたいと思った。
    トーテミズムの否定がピンと来なかった。

    ただこの人は、西欧から見ると未開と言われた人たちに自分を置くことで、価値の基軸、文明の糸口を見つけたかったんやろなと理解した。
    この選民意識は学歴社会と言われた時代を通じて、今の社会の中にもそのような偏見はある。多様性を重視し、かつ一方(西欧もそれ以外も)に寄りかからないための鍵を構造という視点で切り開こうとしたのではないのんかと思う。

    神話の具体例が出ているところは印象的。

    尻を食われる男

    男は母親を犯す、その罰としてハゲワシに

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    2021年04月16日

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