ルシア・ベルリンの作品一覧
「ルシア・ベルリン」の「掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集」「すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ルシア・ベルリン」の「掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集」「すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ルシア・ベルリンの第二集、前作に引き続き凄まじい。前作はユーモラスな作品が多め、本作は暴力ドラッグセックスの退廃的な70年代の描写が目立つ。どの作品も孤独さが張り付くがそれを前提として生きている様に引き込まれる。一編ごとに本を閉じ、息を吐いて天井を眺めた。
"だがそれほどににぎやかに人物たち彩られていながら、彼女の書くものにはつねに孤独がぴったりと張りついている。"
"だが作者はそれを寂しいとも悲しいとも書かない。独りであることはすでに人生の前提だとでもいうように。"
あとがきからの引用。未だ孤独を受け止め生きられないぼくには刺さるのだ。
Posted by ブクログ
著者ルシア・ベルリン自身の半世に材を取った短編集である本作は、「わたし」の一人称語りで、自身を取り巻く苛烈で過酷な環境や人物が描かれる。「わたし」視点の世界なのに、「わたし」の居場所はない。語り手は家族から不当な扱いを受け、学校のクラスメイトから無視され、孤独に浮いている。世界から拒絶されて、アウトサイダーとなっている。
その様子が独特の筆致で描かれる。訳がとても良いのだと思うが、原文が孕んでいるであろう特殊な「熱気」を感じる文体だ。荒々しく、ギラギラした勢いある近視的筆致のながれの中に、シニカルで冷徹な一文が時折、紛れ込んでくる。著者の説教くさい思想やじめじめした感想はほとんど出てこない