大野哲弥の作品一覧
「大野哲弥」の「通信の世紀―情報技術と国家戦略の一五〇年史―(新潮選書)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大野哲弥」の「通信の世紀―情報技術と国家戦略の一五〇年史―(新潮選書)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
【国際通信史の研究は、外交や国際関係、戦争のみならず経済、国際交流の歴史研究にも新たな知見をもたらす可能性を秘めているのである】(文中より引用)
主に日本の近現代における国際通信の歴史を振り返りながら、技術やインフラの発展が時の安全保障や経済にどういった影響を与えたかを概観していく作品。著者は、国際電信電話株式会社(KDD)で自身も通信の歴史の形成に関与した大野哲弥。
「通信」という目に見えないものを上手く歴史に落とし込んだナラティブ力にまず関心してしまいました。そしてそこから浮かび上がってくる通信が歴史に果たした役割の大きさにも驚愕。新たな側面から歴史に光を当てた佳作と言えるのではないか
Posted by ブクログ
「国際」という言葉は文字通り「国」の「際」で「国境線」をイメージさせますが、その線を垂直に横切る線が海底ケーブルで、その存在が「国際」という概念を作っているのだと知りました。5Gの時代の訪れに通信の未来を感じたりしますが、国際通信そのものは明治4年にデンマーク国籍のグレートノーザン電信会社の海底ケーブルを陸揚げしたところから始まっています。開国はヒト、モノの行き来がオープンになる、ということだけじゃなくて通信網が引かれ情報が開かれたことも意味するのですね。もちろんそこには国家の利害も密接に結びついていて、いかに日本がその不平等性に苦しんできたかも書かれています。またそこにはテクノロジーの影響も
Posted by ブクログ
国際通信の歴史が俯瞰できておもしろかった。技術が世界を変えたってのが良くわかる。海底電信ケーブル→短波無線→海底同軸ケーブル→衛星通信→光ファイバーと進歩してきたのを、「有線と無線がまるで源平の盛衰のように交互に主役を務めてきた」ってまとめてたのうまい。それにしても明治4年の岩倉使節団の時にはすでに海底ケーブルが世界一周してたとは。イギリスの国力がすごすぎる。
日米開戦時の開戦通告の話はかなり細かいが、あとがきに書いているミクロ的検証も必要との自らの主張を実行している。不安定な短波無線でしかも暗号なのに電文が長すぎという指摘はなるほど。