作品一覧

  • あの夏が教えてくれた
    4.6
    1巻1,386円 (税込)
    ボーディはミズーリ州の田舎町で暮らす15歳の少年。父を亡くし母親と淋しい日々を送っている。高校に馴染めず、友達は一人もいない。静かすぎるその町で、最近大事件が起きた。町最大の企業〈ライク工業〉に勤める黒人女性が、不審な失踪を遂げたのだ。そんなとき、ボーディが慕う隣人ホークを保安官が訪ねてくる。女性は実はホークの知人で、ふたりのあいだには噂があったという。思いがけない事件が、ボーディの日常に不穏な影を落とす―。現実に悩みつつ、少年は鮮やかに成長する。『償いの雪が降る』の著者が贈る、心震える青春ミステリ!/解説=古山裕樹
  • 過ちの雨が止む
    4.2
    1巻1,386円 (税込)
    大学を卒業し、AP通信社で記者として働くジョーは、ある日、田舎町で起きたジョー・タルバートという男の不審死を知らされる。プレスリリースには凶行の疑いがあると書かれていた。死んだ男は、ジョーが生まれてすぐに姿を消した、顔も知らない父親かもしれない。ジョーは事件に興味を抱き、その町へ向かう。判明したのは、男が実父である可能性が高く、多数の人々の恨みを買っていたことだった。ジョーは真相解明に挑むが……。家族の秘密に直面する青年を情感豊かに描く、心揺さぶるミステリ。バリー賞など三冠に輝いた『償いの雪が降る』続編。/解説=若林踏
  • たとえ天が墜ちようとも
    4.3
    1巻1,200円 (税込)
    高級住宅街の路地で女性の遺体が発見された。刑事マックスは、目撃者の証言から被害者の夫である刑事弁護士プルイットに殺人の疑いをかける。プルイットは、長年ともに働いた仲間である引退した弁護士ボーディに潔白を証明してくれと依頼した。ボーディは弁護を引き受けたが、それは命の恩人である親友のマックスと敵対することを意味していた。たとえ友情を失おうとも、正義を為すべく対決する、検察側の証人マックスと弁護人ボーディ。予想外の展開となる陪審裁判を制するのはどちらか? 『償いの雪が降る』の著者が描く、激動の法廷ミステリ!/解説=若林踏
  • 償いの雪が降る
    4.1
    1巻1,222円 (税込)
    母子家庭で育ったジョーは実家を出て念願の大学進学を果たす。授業で身近な年長者の伝記を書くことになり、祖父母も父親もいないため介護施設を訪れたところ、末期がん患者のカールを紹介される。カールは三十数年前に少女暴行殺人で有罪となった男で、病気のため仮釈放され、施設で最後の時を過ごしていた。カールは臨終の供述をしたいとジョーのインタビューに応じる。話を聴き、裁判記録を読むうちにジョーは事件に疑問を抱くようになり、真相を探り始めるが……。バリー賞など三冠、エドガー賞最優秀新人賞最終候補となった衝撃のデビュー作!
  • あの夏が教えてくれた

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    〜偏見はあるに決まっているんだ。大事なのは、その本能を理解し、それと闘うことなんだよ〜

    驚いた!

    先日読んだ月村了衛さんの『対決』にも似たような言葉が書いてあった
    方や日本人作家が女性差別について書いた物語、方やアメリカ人作家が人種差別について書いた物語

    まず闘うべき相手は自分自身なのだ

    2つの物語はそんなことを訴えているのではないだろうか

    誰の心にも「差別」は潜んでいるのかもしれない、それはある意味自分を守るところから発しているとも言えるからだ

    自分といや自分たちと違うものを恐れ遠ざけるために過剰に攻撃的になっている
    そんなところから「差別」は生まれているかもしれないのだ

    「差

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    2024年05月22日
  • あの夏が教えてくれた

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    「償いの幸が降る」などの著者の邦訳4作目のミステリー。前作の主人公ボーディの少年時代、1970年代のミズーリ州の小さな町が舞台。黒人女性の横領失踪事件を皮切りに、ボーディ少年は陰謀の中に巻き込まれていく。一部の権力を持つ白人とそれに与する保安官。公然と黒人差別思想が渦巻く中、フェアの立場を貫く人々への嫌がらせが始まる。真実に目を向ける様、諭す隣人、引越してきたトーマスとの関係など、成長小説としても面白い。痛ましい事件を乗り越えたからこそ、その後のボーディになり得たと納得。沢山の教訓が詰まった一冊。タオルを準備して。

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    2024年05月22日
  • あの夏が教えてくれた

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    1976年のアメリカ、ミズーリ州が舞台。
    黒人差別が色濃くのこる田舎町で暮らす15歳のボーディ。
    学校にも馴染めず、母親とも距離がありいつも一人で孤独に過ごしていた。
    そんな中、町を牛耳るハルコム一族が工場長を務めるライク工業に新たに黒人の工場長が就任し、一家はボーディの隣に引っ越してくる。
    一家にはボーディと同い年の男の子がおり、二人は徐々に共に過ごすようになる。

    謎の隣人ホーク、ライク工業の黒人女性の失踪事件、過激な白人至上主義団体…一夏の少年の成長譚。

    ・感想
    この手の回顧録的な作品めっちゃ好き…解説にもあったけどまさに私の大好きなロバートマキャモンの少年時代と同系統の話

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    2024年05月14日
  • あの夏が教えてくれた

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     著者アレン・エスケンスは、元は弁護士であったが後に作家となった人である。2019年翻訳され話題となった『償いの雪が降る』から四作目となる本書は、ダブル主人公で描かれた第三作『たとえ天が墜ちようとも』で主人公の一人を務める弁護士ボーディ・サンデンの少年時代を描いたものである。

     冒頭に作者による注記があり、この作品は1991年に書き始められたが完成を見ず、その後既存の5作品(邦訳は3作品のみ)の後に、再度チャレンジして書き上げることができたという、ある意味、作家人生を賭けた渾身の力作であり難作であったらしい。

     本書の主人公は前期の通り少年時代、つまり15歳のボーディ・サンデンである。と同

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    2024年05月07日
  • 償いの雪が降る

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    めちゃくちゃ良いバンドの1stアルバムを聴いたときみたいなワクワク感がある。
    主人公が若くてガンガン行動するタイプゆえに粗い感触も味わえるんだけど、それはあくまで表面の手触りであって、中身はしっかりと密で巧く練られてる。
    真犯人は?ジョーの家庭の問題と進路は?ロマンスの行方は?ジョー絶体絶命!っていうラインを追いかける“動”の波と、ジョーとカールの心が少しずつ近づいていく“静”の波が両側から打ち寄せて見事にクライマックスまでボールが運ばれていくその手腕。

    続編あるんすか?あざァす!!

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    2024年04月04日

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