作品一覧
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3.71巻3,259円 (税込)ロンドン塔からレイヴンが消え、橋という橋は落ち、ロンドンは瓦礫の街と化した。文字による記録は失われ、新たな支配者〈オーダー〉は鐘の音で人々を支配している。両親を亡くした少年サイモンは、母が遺したひとつの名前とひとつのメロディを胸に、住み慣れた農場を離れ、混沌のロンドンに向かった。そこで彼は、河の底から呼びかける不思議な銀色の音を聞き、奇妙な白い眼を持つ少年リューシャンに出会う……。世界幻想文学大賞受賞、ブッカー賞候補にも挙がった幻想文学の名作登場!
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
記憶を無くした世界に響く鐘の音。
それは世界の秘密を閉ざす魔の旋律...
装丁に惹かれコレクションとして購入。
これが幻想文学。
ファンタジー とでは表しきれない、
淡い言葉のベールで包み込まれるような
どこか不思議なジャンル。
小川洋子さんの 猫を抱いて像と歩く と似た雰囲気。
終始ふわふわふわ...
きちんと理解出来ていなくても読み進めてしまうのは、
道筋の分からない地下トンネルを、
僅かな音を頼りに突き進んでいくのと似た感覚だろうか。
読みかけの本だからという使命感ではなく、
本の中になにか大切な忘れ物があるような...
上手に言い表せられないが、そんな気持ちにさせられる。
ストー -
Posted by ブクログ
これはすごく評価が分かれそうな大人のファンタジーですね。
著者さんが元々詩人だけあって、文章がとても詩的です。
言葉をもたないことが、思考をやめたらどうなるのか、警鐘ともとれる物語。
この先のサイモンとリューシャンを想うと、労いたくもありほんとうにこれでよかった?と問いたくもなり。
でもきっと二人はこれからも共に生きていくのだろうな。失った多くのものの記憶を携えてちゃんと生きていってほしいね。
しかし、この音で地図を描くとか、会話をするとか、すごい発想だなぁ。
万人に受け入れられることをたぶん求めていないようなそんな潔さを感じます。
君にこれを理解できるか?と問われているような。