作品一覧
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3.0
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3.8
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
作家を目指している少女と天才数学少女が推理小説を通じて関係を深めていくお話です。作中作が何個か登場し、文学少女はミステリ的な観点から、数学少女は数学らしく型に当てはめて推理をしていく様子はこれまで推理小説を読んでいく上で気にしたことがなかった視点を与えてくれました。犯人当てゲームという非日常と主人公たちの世界という日常の切り替えといった点も驚くほど上手くてお気に入りの一冊になりました。
この作家さんの作品は初めて読んだのですが、3作目だそうで、本作の主人公が以前にも登場しているのでそちらも読もうと思っています。ただ、ここから読んでも特に問題は無かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前漢時代という背景と生国や立場が違いが活かされた結末だと思いました。
また、「アニメ的なキャラクター表現」と後書きに書かれている通り、於陵葵、観露申、小休における人間関係や、観若英と観江離、そして亡き観芰衣との描写、度々論を交わす於陵葵と観若英等の表現が百合を感じさせられました。
於陵葵がもう少し心情を露わに出来ていたら、観露申との仲も拗れず、小休もあんな行動に出なかったのではないかと考えずにはいられません。しかしながら、於陵葵の不器用ながらも小休の事を思う優しさに気付いていたが故に、小休もまた、於陵葵の事を思い行動に移したのだとも思え、とてもやるせない気持ちになりました。
小休 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後まで読んで、5年前の唐梨の事件を追い、馮露葵と姚漱寒が憶測混じりで幾つかの推理を出していたのは、呉莞の事件を追う上での読者へのヒントであったのだと思いました。
今回、馮露葵も姚漱寒も数多の推理を披露しましたが、そのどれもがあり得そうなものであり、そしてそれを犯人が認めなければ確たる証拠は無いというもので、5年前の唐梨の事件の犯人が誰でもあり得そうだと思いました。それは、呉莞の事件の動機が感傷的なものだった事から、動機があてにならないという事からもそう思わせられました。
馮露葵の持つ才能への羨みや普通である事の不安は、先の見えない学生だからこその思いだと思います。頑張って普通に