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  • ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男

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    ネタバレ

    20歳で突如、仕事も行かずに車でどこかへ行き、そのまま森の中へ入り27年間も誰とも会わずに暮らした、トーマス・ナイトのノンフィクション作品です。

    サバイバル術のような内容ではなく、トーマス・ナイトがどうしてこのような行動を行ったのか、そして発見された後の彼がどのように生きていくのか、という点にフォーカスされています。

    終盤、ずっと心を閉ざしていたナイトが、著者に心を開き、森の貴婦人(死)に会いに行く計画を考えていると伝えます。その後、「何かを手放さなくてはならない。そうしないと、何かが壊れてしまう」と言い涙を流すナイトとともに、僕も涙腺が崩壊しました。

    社会の中で表面上取り繕って生きるこ

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    2023年05月28日
  • ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男

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    クリストファー・ナイトという人間の人生。

    年は20歳だった。
    家族も、仕事も、新車も後にしてナイトは世捨て人になった。
    ひと張りのテントと、バックパックだけを持って。

    それから27年間、生活に必要なものは不法侵入と窃盗によって入手しながら、ナイトは生き抜いた。

    この生き方に対しての肯定否定に意味はない。

    なぜ孤独の道を彼は選んだのだろう?
    本書が書かれた時点では、その答えに本人も到達していないようだ。

    過去には多くの人が隠者となる道を選んだ。
    それは宗教上の儀式であったり、実験であったり、厭世的なものもあった。
    数ヶ月のうちに精神を病み、自殺した者。
    偶然自分に隠者としての適正がある

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    2018年10月25日
  • ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男

    Posted by ブクログ

    【さよなら,世界】ある日ふと思い立ち,そこから27年の長きにわたって森の中で孤独に暮らしたクリストファー・ナイト。ある事件をきっかけとして逮捕された彼が語る,孤独を求めた理由と生活の様子とは......。著者は,自身も孤独を好む傾向にあると語るジャーナリストのマイケル・フィンケル。訳者は,英米文学の翻訳を多く手がける宇丹貴代実。原題は,『The Stranger in the Woods: The Extraordinary Story of the Last True Hermit』。

    想像を超えた物語でありながら,同時に誰しもに考えを促す物語であったように思います。人間社会の「煩わしさ」

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    2018年10月01日
  • ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男

    Posted by ブクログ

    誰とも接触せずに、27年森に潜んでいた話。実話。
    食べ物やその他生活必需品は盗んでいたので、やはり人間は単独で存在するのは難しいのだと思う。
    でも、複雑な生活、人間関係、それを全て捨て去ってどこかへ行きたいと思ったことがない人なんていないだろうと思う。
    ただひたすら、穏やかに本を読み続けるなんて、理想的。一週間で飽きそうと思う自分もいるけど。
    彼のやったこと、考えが、自分の気持ちと重なったりして引き込まれた。
    別荘被害者はなんとも気の毒。

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    2018年10月01日
  • ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男

    Posted by ブクログ

    死ぬまでにしたいことリストのひとつが「静寂な環境に身を置いてみる」なので、ナイトの気持ちが少し分かる。自分たちが暮らす社会は物理的にも心理的にも雑音が多すぎる。ときどき自らの心臓の鼓動しか聴こえないくらいの静謐な空間が欲しくなるのです。

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    2021年03月28日

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