作品一覧
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ユーザーレビュー
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ネタバレ
合成の誤謬
・個人経済から見る時と、国家経済から見る時とは、大変な相違がある。
例えば、ここに一年五万円の生活をする余力のある人が、倹約して三万円を以って生活し、
あとニ万円はこれを貯蓄する事となれば、その人の個人経済は、毎年それだけ蓄財が増えていって結構なことである。
しかし、これを国家経済の上から見る時は、その倹約に依って、これまでその人が消費していったニ万円だけは、
どこかに物資の需要が減る訳である。その分、国家の生産力はそれだけ低下してしまう。
故に国家経済より見れば、五万円の生活をする余裕ある人には、それだけの生活をして貰ったほうがいいのである。
また、別の例えをすると、仮にある人が待合へ行って -
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ネタバレ津本陽の書いた高橋是清の生涯を描いた作品を読み、興味を持って本書を読んだ。
津本はこの自伝を元に小説を書いた事は明白で、エピソードも全く重なっているが、やはり本人の書いたものの迫力は全然異なる。
是清活躍の背景に傑出した英語の語学力がある。幕府の御用絵師の子に生まれ、仙台藩足軽の家に生後すぐ養子に出されたにもかかわらず、何故に秀でた語学力を身につけたか?
12才で横浜の外資銀行のボーイとして雇われ、14才でアメリカに渡る。コミュニケーションは英語オンリーの環境に置かれ、座学ではない語学力を身に付けたことが大きい様だ。今の日本の座学主流の英語教育を根本的に考え直す必要がある。
アメリカに語 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自伝の後半は銀山経営で詐欺にあい、無一文になった是清に友人たちが助けの手を差し伸べ、日銀に職を得るところから始まる。建築所事務主任。日銀本店の建物は是清の知恵と努力の賜物だった。
銀行家としての実績を積み上げ、横浜正金銀行の経営に乗り出し副頭取に。やがて日銀の内紛に巻き込まれ、日銀副頭取となる。
やがて日露関係が悪化し、日露戦争が勃発。ここからが下巻のクライマックスである戦費調達のための5回にわたる外債起債だ。
起債のために数多くの英米独仏の有力者と信頼関係を築き、市場動向を見極めながら次々と起債を成功させていく。
最初の起債では、イギリスでは希望の半額の500万ポンドしか発行できないと -
Posted by ブクログ
波乱万丈の高橋是清の半生を描いた口述自伝。ペルー銀山の開拓に失敗しどん底から実業界に転身した是清が、着々と立身を重ねついには日露戦争における資金調達という国運を左右する大仕事に挑む下巻。
上下巻通して読んでいてまず感じたのは、その桁違いの馬力。常に無私の境地でものごとを押していく感じの凄さがあった。そしてリレーション力。主にロンドンにおける日露戦争間後の外債発行においても、光明を見出すきっかけとなったユダヤ人アメリカ金融家シフとの出会いを始め、各国の要人とするすると関係を築いていってしまう。自身の口述ゆえ淡々と描かれているが、この人以外にはできない芸当だったであろうことが伝わる。歴史を紐解くと