作品一覧

  • 怒りについて 他2篇
    4.4
    1巻1,177円 (税込)
    動乱のローマ帝政初期、皇帝ネローの教育係となったストア派の哲学者セネカ(前4頃-後65)は、のちにネローの不興を買い、自決せねばならなかった。ストア派の情念論を知るうえで重要な「怒りについて」と、「摂理について」「賢者の恒心について」を収録。白銀期ラテン語の凝集力の強い修辞を駆使した実践倫理の書。新訳。

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  • 怒りについて 他2篇

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    「怒りをコントロールする」にて、「心を困難に苦しませるのではなく、芸術の楽しみにゆだねようではないか。」とある。現代社会において"良い大人"とは、自分が所属する集団社会に貢献する者で、"良い子"とは、学校で良い成績を残す者であることと同義になっているように思える。しかし、そういった価値観を追い求めすぎるせいか、それらに悩む人は自己を苦しませ、また、社会はそこから逸脱しようものなら厳しく当たる。他人を気にしすぎ、また、怒るのではなく、現実を忘れて芸術にふれ寛容になることが今の時代も大切なのではないか。

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    2023年11月14日
  • 怒りについて 他2篇

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    怒りについて、ここまで詳細に綴られるとは思わなかった

    怒りの発生、怒りを抱え続ける事の危険さ
    怒りなくすことは出来ないがいかに平穏に暮らすか

    あらゆることを想定し、怒りが起きても猶予を与える
    今まで自分自身が犯した不正も顧みて、他者をすべて許せれば許す

    かぎりある時間のなかでつまらないこと(怒り)に時間を使うより
    常に楽しい事や有意義な事に全力で時間を使うことを意識したい

    つまらないことでイライラする時間は減るだろうし
    もし、怒りそうになってもこの本の内容を思い返して
    怒りの感情に対して心に余裕を持って対応できればと思う

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    2022年06月27日
  • 怒りについて 他2篇

    Posted by ブクログ

    自分の中に湧いてくる怒りという感情をうまくコントロールできないことを自覚するようになったため、古典の中にその解決法を求めて本書を手にとった。怒りという感情が倫理の上では無意味であり、一種の欺瞞ですらあるとの趣旨だった。怒りという感情を思考するのに良い手助けとなったし、それでも日々湧いてくるのこ厄介な感情とうまく付き合えるようになって来たと思う。

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    2020年08月27日
  • 怒りについて 他2篇

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    俗っぽく紹介するなら「2000年以上読まれ続けるアンガーマネジメントの金字塔!」とでも言おうか。

    不可避的な災厄、苦痛と向き合う「摂理について」。
    賢者は不正を受けることがない、と主張する「賢者の恒心について」。
    そして、怒りという情念の恐ろしさと、そこから逃れる術を説く「怒りについて」。

    どれも、自らの働きかけでは御しがたいものとどう向き合うのかということに集約される。
    賢者の恒心における、ある種の「上から目線」で接するという態度などは文面だけを読むと驚いてしまうが、心を平静に保ちながら徳を保つには有効な手立てだろう。

    怒りという情念は破滅的なもので、そもそもそこからは逃れられるなら逃

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    2020年06月06日
  • 怒りについて 他2篇

    Posted by ブクログ

    ◯摂理について
    ・善き人たちが苦労し、汗を流し、険峻な途を登攀するのに対して、劣悪な連中が自堕落に暮らし、快楽に酔いしれているのを目にしたときは、「息子は厳格な訓練で律せられるのに対して、奴隷の身勝手は育つがままにされるものだ」と考える。

    ・障碍を知らぬ幸福は、どんな打撃にも耐えられない。だが、絶えず逆境と格闘した者には、受けた不正で厚い皮が育ち、いかなる悪にも屈しない。

    ◯賢者の恒心について
    ・彼が所有のうちに置いているのは唯一、徳だけであって、ここからは何一つ奪い取ることはできないからである。

    ・犯罪は、遂行の結果以前に、範囲が十分である限り、すでに完了しているのである。

    ・人から

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    2010年08月28日

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