作品一覧
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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
俗っぽく紹介するなら「2000年以上読まれ続けるアンガーマネジメントの金字塔!」とでも言おうか。
不可避的な災厄、苦痛と向き合う「摂理について」。
賢者は不正を受けることがない、と主張する「賢者の恒心について」。
そして、怒りという情念の恐ろしさと、そこから逃れる術を説く「怒りについて」。
どれも、自らの働きかけでは御しがたいものとどう向き合うのかということに集約される。
賢者の恒心における、ある種の「上から目線」で接するという態度などは文面だけを読むと驚いてしまうが、心を平静に保ちながら徳を保つには有効な手立てだろう。
怒りという情念は破滅的なもので、そもそもそこからは逃れられるなら逃 -
Posted by ブクログ
◯摂理について
・善き人たちが苦労し、汗を流し、険峻な途を登攀するのに対して、劣悪な連中が自堕落に暮らし、快楽に酔いしれているのを目にしたときは、「息子は厳格な訓練で律せられるのに対して、奴隷の身勝手は育つがままにされるものだ」と考える。
・障碍を知らぬ幸福は、どんな打撃にも耐えられない。だが、絶えず逆境と格闘した者には、受けた不正で厚い皮が育ち、いかなる悪にも屈しない。
◯賢者の恒心について
・彼が所有のうちに置いているのは唯一、徳だけであって、ここからは何一つ奪い取ることはできないからである。
・犯罪は、遂行の結果以前に、範囲が十分である限り、すでに完了しているのである。
・人から