作品一覧

  • 涙にも国籍はあるのでしょうか―津波で亡くなった外国人をたどって―
    5.0
    震災から12年、東北を取材し続けてきたルポライターが初めて知った事実。それは「東日本大震災での外国人の犠牲者数を誰も把握していない」ということ。彼らは東北の地でどのように生きたのか。現地を訪ね歩き、出会ったのは「あの人の面影が、今も自分を生かしてくれている」という実感を胸に凛と生きる人々だった。
  • 白い土地 ルポ 福島「帰還困難区域」とその周辺
    5.0
    「どうしても後世に伝えて欲しいことがあります」原発事故の最前線で陣頭指揮を執った福島県浪江町の「闘う町長」は、死の直前、ある「秘密」を新聞記者に託した――。娘を探し続ける父親、馬に青春をかける高校生、名門野球部を未来につなぐために立ち上がったOB、避難指示解除後たった一人で新聞配達を続ける青年、そして帰還困難区域で厳しい判断を迫られる町長たち……。開高健賞受賞記者が原発被災地に3年半住み込んで記した震災ルポルタージュ。第2回ジャーナリズムXアワード(Y賞)受賞。
  • 太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密
    4.6
    第22回新潮ドキュメント賞 第10回山本美香記念国際ジャーナリスト賞 W受賞! 1970~80年代、資源を求めた日本がアフリカ大陸に残したものは、 巨大な開発計画の失敗とさび付いた採掘工場群。 そして、コンゴ人女性との間に生まれた子どもたちだった──。 経済成長期の闇に迫る、衝撃のルポルタージュ。 【目次】 序章 不可解なルポルタージュ 第一章 真実への距離 第二章 ジャパニーズ・ネームの秘密 第三章 日本人が遺したもの 第四章 BBCの「誤報」 第五章 修道院の光 第六章 空と銃声 第七章 祖国への旅 第八章 富と紛争 第九章 未来への賭け 第一〇章 医師たちの証言 第一一章 闇の奥へ 第一二章 伴走者への手紙 第一三章 正しく生きるということ あとがき 悲しき宿命の残影
  • フェンスとバリケード 福島と沖縄 抵抗するジャーナリズムの現場から
    4.5
    台本ありきの首相会見の内幕、合同取材でつかんだ辺野古新基地“自衛隊常駐”計画、「復興五輪」の名の下で行われた聖火リレーの異変など、原発と基地を押しつけられる「苦渋の地」を持ち場とする二人の記者が、取材現場の裏側をつづる。
  • 帰れない村 福島県浪江町「DASH村」の10年
    4.3
    東日本大震災から10年以上たった今でも、住人が1人も帰れない「村」がある。東京電力福島第一原発から20~30キロ離れた「旧津島村」。ここはかつて人気番組でアイドルグループ「TOKIO」が農業体験をした「DASH村」があった地域だ。原発事故によって「100年は帰れない」と言われ、引き裂かれた人々の苦悩を、数々のノンフィクション賞を受賞した気鋭のライターが描く。忘れないでいよう、もっともっと考えよう。反響を呼んだ『南三陸日記』に連なる記念碑的ルポルタージュ。
  • 牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って
    5.0
    アフリカゾウ虐殺の「真犯人」は誰だ!? 年間3万頭以上のアフリカゾウが、牙を抉り取られて虐殺されている。 象牙の密猟組織の凄惨な犯行により、野生のゾウは今後十数年以内に地球上から姿を消してしまうと言われる。 元アフリカ特派員の筆者は、国際密猟組織に迫る取材を始める。 そこでぶち当たったのは、密猟で動くカネが過激派テロリストの資金源になっている実態、背後に蠢く中国の巨大な影だった。 そして問題は、象牙の印鑑を重宝する私たち日本人へと繋がっていく。 密猟組織のドン、過激派テロリスト、中国大使館員、日本の象牙業者。 虐殺の「真犯人」とは誰なのか――。 第25回「小学館ノンフィクション大賞」受賞作。 ◎高野秀行(ノンフィクション作家) 「ショッキングな現実が勢いある筆致で描かれ、『ザ・ノンフィクション』の醍醐味がある」 ◎古市憲寿(社会学者) 「実は日本が加害者だった? ゾウと我々の意外な関係性が明らかになる」 ◎三浦しをん(作家) 「私は、今後も象牙の印鑑は絶対作らないぞと決意した」 (底本 2021年12月発行作品) ※この作品は単行本版『牙 ~アフリカゾウの「密猟組織」を追って~』として配信されていた作品の文庫本版です。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • 災害特派員
    4.6
    東日本大震災から10年。あの時、記者は何を見て、何を感じたのか──。2011年3月11日の地震発生翌日に被災地に入り、18日間最前線を歩き回って目撃した「惨状」。その後新設された「南三陸駐在」の記者として、現地の人々と1年間生活を共にした回想録。
  • 白い土地 ルポ 福島「帰還困難区域」とその周辺
    4.6
    「どうしても後世に伝えて欲しいことがあります」原発事故の最前線で陣頭指揮を執った福島県浪江町の「闘う町長」は、死の直前、ある「秘密」を新聞記者に託した――。娘を探し続ける父親、馬に青春をかける高校生、名門野球部を未来につなぐために立ち上がったOB、避難指示解除後たった一人で新聞配達を続ける青年、そして帰還困難区域で厳しい判断を迫られる町長たち……。原発被災地の最前線で生き抜く人々と、住民が帰れない「白い土地」に通い続けたルポライターの物語。
  • 日報隠蔽 自衛隊が最も「戦場」に近づいた日
    4.4
    「戦闘」か「衝突」か。陸上自衛隊が国連PKOに派遣されたアフリカ・南スーダンで内戦が勃発。政府は派遣を維持し、計画していた「駆けつけ警護」任務を付与するため、現地の状況を記した「日報」を隠蔽し続けた。しかし、〈嘘〉は2人のジャーナリストによって暴かれ、防衛大臣は辞任、自衛隊は撤収に追い込まれた。在野のジャーナリストと前線の新聞記者がタッグを組んだ、調査報道の新境地。
  • 日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか
    4.3
    自衛隊に駆け付け警護が付与された南スーダンPKO。在野のジャーナリストによる情報公開請求に端を発した疑惑は、防衛大臣など最高幹部の引責辞任という前代未聞の結末を迎えた。現地の状況を記した「日報」はなぜ隠されたのか。首都・ジュバでは、一体何が起きていたのか。この問題は我々に何を問うているのか──? 公開請求を行ったジャーナリスト・布施祐仁と、南スーダンに14回潜入した特派員・三浦英之。政権を揺るがした「南スーダン日報問題」の内実に、気鋭のジャーナリストが連帯して挑む、調査報道ノンフィクション! 【目次】はじめに 布施祐仁/1 東京×アフリカ(※奇数章は布施祐仁、偶数章は三浦英之が執筆)/第1章 請求/第2章 現場/第3章 付与/第4章 会見/第5章 廃棄/第6章 銃撃/第7章 隠蔽/第8章 飢餓/第9章 反乱/第10章 難民/第11章 辞任/2 福島にて/おわりに 三浦英之
  • 五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後
    4.5
    【第13回開高健ノンフィクション賞受賞作】日中戦争の最中、満州国に設置された最高学府・建国大学。「五族協和」を実践すべく、日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシアから集められた若者たちは6年間、寝食を共にしながら国家運営の基礎を学んだ。そして敗戦。祖国へと散った彼らは帝国主義の協力者として弾圧を受けながらも、国境を越えて友情を育み続けた。スーパーエリートたちの知られざる戦後。
  • 涙にも国籍はあるのでしょうか―津波で亡くなった外国人をたどって―

    Posted by ブクログ

     命をまっとうするだけだというメッセージを受け止めるためには、まだまだ、生きることに向き合わねばならないのだろう。心から

    0
    2024年05月24日
  • 涙にも国籍はあるのでしょうか―津波で亡くなった外国人をたどって―

    Posted by ブクログ

    東北在住で数々の震災のルポを書いている三浦英之さんの最新刊。

    ページの冒頭には、事実ーこの国はまだ東日本大震災における外国人の犠牲者数を知らない。

    この言葉が何を意味するのか…
    つまり厚生労働省が公表している41人と警察庁が把握している33人という異なる数字に復興庁の回答は「どちらも正しい」。

    これは、外国人の大切な命が失われているのにもかかわらず、それを正確に把握しようともせず、結果、弔ってもいないことに彼らが残した「生」の物語をたどったルポである。

    「日米の架け橋に」と夢を語った女性の思い。
    テイラー文庫のことを、本棚を制作した遠藤さんのこともこの本を読み知ることになった。
    大好き

    0
    2024年05月12日
  • 涙にも国籍はあるのでしょうか―津波で亡くなった外国人をたどって―

    Posted by ブクログ

    「事実 ー この国はまだ東日本大震災における外国人の犠牲者数を知らない。」
    このような一文から始まるこのルポルタージュ。東北で暮らし、東日本大震災に関して取材し続けてきた記者・三浦秀之さんが書いたものである。
    三浦さんは、ある日取材で知り合ったモンゴル人青年との話のなかである事実を知る。それは「東日本大震災での外国人の犠牲者数を誰も把握していない」ということだった。そのことをきっかけとして、三浦さんは震災で亡くなった外国人の方々に関して残された人々を取材していく。


    そういえば、私自身も東日本大震災以降、日本人で被災された方が取材されたものをTVや新聞等で見た

    0
    2024年05月03日
  • 災害特派員

    Posted by ブクログ

    「南三陸日記」の読後、さらに

    ‘’もう一つの南三陸日記‘’

    という作品があるのを
    かなさんの本棚で気がつき手に取りました。

    こちらも素晴らしい作品で、一緒に読むことができて本当に良かったなと思いました。
    かなさん、ありがとうございました。

    「南三陸日記」のバックグラウンドというような、さらに詳しい内容のようでもあり
    理解がもっと深まったように思います。

    本書は、震災10年を機に
    著者が被災地で1年住み、繋がった人達についての事や、自分が被災者達に向き合い寄り添いながらも、ジャーナリストとして仕事する上で怒鳴られてしまった事などの
    様々な葛藤や、
    心身を削るような災害特派員という仕事で

    0
    2024年03月13日
  • 白い土地 ルポ 福島「帰還困難区域」とその周辺

    Posted by ブクログ

    東日本大震災から13年。

    これは2020年に発行された本であるが、とても詳細に記録されていると感じた。

    《白地》とは帰還困難地域の中でも特定復興再生拠点区域以外のエリアを指すこと。

    現在も居住の見通しのたたないままなのか…。
    何もしなければ帰れない…という現実にミンさんの「(私の人生は)良かったよ。放射能が来るまでは…良かったよ」が心に残る。

    いつくるのかわからない地震により一瞬のうちに人生が大きく変わるという現実。
    ただ国の判断に任せるしかないのか。
    国は何を優先的にするべきなのか…今も明確な答えがないのでは…と思うこともある。





    0
    2024年03月11日

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