赤松利市の作品一覧

「赤松利市」の「」「藻屑蟹」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • あじろ
    NEW
    -
    1巻2,145円 (税込)
    新橋の立ち呑み居酒屋「あじろ」 頑固な店主と美味しいモツ煮と雑な雰囲気。最高の人情酒場で起きた悲劇とは!? 「あじろ」の常連でマドンナだった真由美さんが、突然失踪してまう。常連の和歌子がライターをしている週刊誌編集部に「真由美はパパ活ビジネスに手を染めている」とう謎の投書が寄せられる。毎日お店に通っていた真由美はしばらく姿を見せていない。心配した常連客と店主が彼女を捜し始めると、その美貌と笑顔からは計り知れない邪悪な一面が見えてくる。 偽りの職業、パパ活斡旋、恐喝……和歌子は彼女の本性を知って逡巡するのだが、やがて真由美は殺されていたことがわかり、あじろに不穏な空気が漂いだした。犯人は常連客の誰かなのか。平和で楽しいはずの酒場の人間関係に何があったのか。 大藪春彦賞作家の鬼才が描く、人情と愛情の居酒屋サスペンス!
  • 隅田川心中
    -
    1巻924円 (税込)
    64歳の大隅一郎は気ままなひとり暮らし。ある日、行きつけの喫茶店でアルバイトをしている咲子に「父親の借金返済のために愛人にしてください」と言われて承諾する。32歳の咲子と同衾を果たした末に、「子供を産みたい」と懇願され数十年ぶりに恋の炎が燃えたぎる。咲子の体に溺れた一郎は結婚を決意するのだが、彼女の父親の借金問題に悪い輩が絡んで一郎の貯蓄はみるみる溶け、一気に奈落の底へと堕ちていく。愚かな男の性(さが)を大藪春彦賞作家が生々しく、はかなく描いた傑作性愛小説。
  • 白蟻女
    -
    1巻715円 (税込)
    夫の通夜、夜伽する恵子の前に、40年前に白蟻駆除剤を飲んで死んだ夫の浮気相手――白蟻女――の幽霊が。「思い出をめちゃめちゃにしてやる」と彼女が口にした途端、恵子は新婚旅行の日に戻っていた。反発し合いながら、山あり谷ありの人生を追体験する彼女たち。忘れていた過去、知らなかった夫の一面、大きな転機になったあの日、そして――。(表題作) バブル前夜、時代の変化に翻弄された家族の再生を描いた感動作!
  • 救い難き人
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    王マンスは、父・ヨンスクによって母が殺された14歳の夜を忘れない。父は事故だと言い張るが、マンスは信じない。心に誓った。父を許さない、と。決意したマンスは、先輩・井尻の「助言」に従い、父が経営するパチンコ店に見習いとして就職する。父は、姫路市内でチェーンを展開するパチンコ長者になっていた。周囲に社長の息子であることを隠しながら下働きをするマンスには、ある計画があった。父を地獄に叩き落とす、凄烈な計画が――。パチンコ店を舞台に、金に魅せられた怪物たちの騙しあいが始まった。
  • アウターライズ
    4.0
    1巻924円 (税込)
    再び東北を襲った災禍「アウターライズ」の被害者がわずか六名……? 東日本大震災に匹敵する大災害にどんな対策を講じたのか注目が集まる中で突如、東北県知事会が“独立宣言”を行った。それから三年、一切の情報が遮断された「東北国」に、ジャーナリストが招かれる。あの日、何が起きたのか。鎮魂の祈りを込めた、緊迫の長篇ミステリー。
  • 犬

    -
    1巻902円 (税込)
    大阪でニューハーフ店「さくら」を営む桜は63歳のトランスジェンダーだ。23歳で同じくトランスジェンダーの沙希を店員として雇い、慎ましくも豊かな日々を送っていた。そんなある日、桜の昔の男・安藤勝が現れる。今さらと思いながらも、女の幸せを忘れられない桜は、安藤の儲け話に乗ることを決意。老後のためにコツコツと貯めた、なけなしの1千万円を用意するが……。鬼才が放つ、狂乱の疾走劇。第22回大藪春彦賞を受賞作。
  • 純子
    -
    1巻748円 (税込)
    四国の辺鄙な里に生まれた純子は、下肥汲みの家業にもめげずおてんばに育っていた。母は井戸に身投げしたのに化けて出る。遊女だった祖母は顔が崩れて里の嫌われ者となる。叔父は糞を詰めた天秤棒を担ぐしか能がない。それでも一家は平和に暮らしていた。だが、時代は高度経済成長期。バキュームカーの導入で家業は廃れ、さらには里の水源が涸れてしまい、暮らしはドン底。皆が生きていくためには水道を引くしかない――純子はそれを実現させるため、政治家の愛玩となることを決意するが……。古きよき日本の原風景が蘇る昭和ノスタルジックファンタジー。
  • 女童(めのわらわ)
    -
    1巻715円 (税込)
    大西浩平は精神を病んだ15歳の娘・恵子と二人暮らしを始めた。部屋から出られない恵子につきっきり、仕事も放り出しての父子密着生活は、平穏で幸せな時間でもあった。しかし、恵子への欲望が見え隠れする主治医、ヒステリックな恵子の母親、浩平の愛人など、周囲の人々との関わりが、二人の前途に不穏な影を落としていく――。衝撃作『ボダ子』の前日譚!!
  • 東京棄民
    3.3
    1巻748円 (税込)
    これは、日本の未来に対する警告である。 感染者、重症者、死者、最多更新。最凶の新型コロナウイルス・東京株が蔓延した未来。政府は東京を見捨てる決意をした! 令和4年。新型コロナは再び変異を起こし、東京固有の株が猛威を振るっていた。大量の感染者。死者。なすすべがなくなった政府はいよいよ、「東京逆ロックダウン」、すなわち感染者を残し、東京都民を全国に分配し、東京をロックダウンすることを決意する。しかしろくな学歴もなく、正社員の立場も失い、漫画喫茶に寝泊まりしている主人公のイサムは政府の避難指示を受け取ることができず、東京に取り残されることになってしまった。 山本周五郎賞候補、大藪春彦賞受賞、業界最注目作家、初の文庫書下ろし。
  • エレジー
    4.0
    1巻2,035円 (税込)
    新宿二丁目で夜遊びに興じる川島大吾。独身で趣味は仕事。男女の駆け引きのないニューハーフのショーパブに嵌っている。平成三年、あぶく景気が弾け、いつも指名するカスミも店を辞めた。当時はまだ日陰の存在だったニューハーフに頼る家族も故郷もない。老後の心配をするカスミに、ニューハーフのリタイアハウスのプランを告げる大吾だったが……。新宿、道東、ミナミ。平成バブル夜の街三景。
  • ボダ子(新潮文庫)
    3.1
    1巻781円 (税込)
    35歳で起業し、年商十億円を超える会社の社長となった大西浩平。だが、事業の成功の裏にあった家族を顧みない生活は、娘の境界性人格障害(ボーダー)の発症へとつながる。自傷行為を繰り返す娘につきっきりの生活により、事業は破綻。そして浩平は、東日本大震災の復興事業に起死回生をかけて、娘と元妻とともに被災地へと向かうが――。山本周五郎賞候補となった、実体験に基づく衝撃作。
  • 饗宴
    3.5
    1巻1,683円 (税込)
    ようこそ、恐怖の“肉食系”ミステリーへ。 この島は何かがおかしい―― 大手新聞社を定年退職した夜、連れて行かれたショーパブで一人の女性と出会った鮎子。 アサミと名乗る彼女はショーの演出を手がける立場で、出演ダンサーのオーディションを近々行うという。そのオーディションに立ち会って欲しいと、鮎子は初対面にもかかわらずなぜか頼み込まれる。 禁断の出会いをきっかけにアサミに翻弄される鮎子。新宿、浅草、バリ島を舞台に、アサミに心身をとりこまれた先で彼女が体験したのは、想像を絶する「宴」だった―― ようこそ、大藪賞作家が仕掛けた、世にもおぞましい“美食”の狂宴へ……! 【注意】全てが伏線。一行たりとも目を逸らしてはいけない。
  • らんちう
    3.5
    1巻759円 (税込)
    犯人はここにいる全員です――リゾート旅館の支配人が惨殺され、従業員6人が自首したが、彼らには殺意も動機もなく、殺す理由がわからない。だが、取調室で見えてきたのは被疑者たちの置かれた異常な環境だった。違法な長時間労働、あやしい自己啓発セミナー、美人女将の秘められた過去……。次第に明かされる内情は複雑で、事件の真相は女将が魅了された奇形金魚「ランチュウ」へと帰結する。大藪春彦賞を受賞した奇才が放つ衝撃の犯罪小説!
  • 風致の島
    4.2
    1巻1,672円 (税込)
    東南アジアでの巨大リゾート開発推進のため日本のスーパーゼネコンから現地役員として「島」に乗り込んでいた青木は、資金として投入された莫大な裏金の一部を着服して会社を離れ、計画が頓挫した後も島で隠遁生活を送っていた。現地で飼い殺しにされている元同僚の西村から、カジノを中心とする新たな開発計画の存在を聞いた青木は、その利権に食い込むため動き出す。 一方で青木は、島の男の二番目の妻になっていた日本人の女ミチコを「飼って」いた……。 金、酒、官能、暴力、逆転に次ぐ逆転……すべてが“過剰”な物語。
  • 鯖

    3.9
    1巻847円 (税込)
    発表時62歳、住所不定、無職。文学界を席巻する小説家の原点が待望の文庫化! 五臓六腑を抉る、超弩級のハードノワール誕生! 平成最後に突如現れた、荒ぶる才能に瞠目せよ。(宣伝担当) 紀州雑賀崎を発祥の地とする一本釣り漁師船団。かつては「海の雑賀衆」との勇名を轟かせた彼らも、時代の波に呑まれ、終の棲家と定めたのは日本海に浮かぶ孤島だった。日銭を稼ぎ、場末の居酒屋で管を巻く、そんな彼らに舞い込んだ起死回生の儲け話。しかしそれは崩壊への序曲にすぎなかった――。破竹の勢いで文芸界を席巻する赤松利市の長篇デビュー作であり、第32回山本周五郎賞候補作が文庫化。(解説・吉村萬壱) 第一章 覚醒 第二章 始動 第三章 脱皮 第四章 白光
  • 下級国民A
    3.7
    1巻1,650円 (税込)
    住所不定、無職。マンガ喫茶で書き上げた作品が大藪春彦新人賞を受賞し、衝撃のデビューを果たした鬼才による初の随筆。東京で住所不定に陥るまでの被災地での経験を書く。 美しい国? 日本が? ―― この話、すべて真実。 石巻で、南相馬で福島で。 土木作業員の、除染作業員の、無数の「A」の、憎悪が渦巻く。 2020年度大藪春彦賞受賞作家、初の随筆。 バブル期は125名の社員を抱え、2400万円の年収があった「私」は、会社を破綻させたのち、兵庫県でコンサルティング業を営んでいた。 仕事は先細り、不安を覚えていた矢先、小さな土木会社を営む社長から、東北に仕事を探しにいってくれないかと持ち掛けられる。 東日本大震災が起きてから約半年。男性週刊誌に「狂乱の復興バブル」などという見出しが踊る時期だった。 月給40万、仕事が軌道に乗り儲けが出れば、それはきれいに折半しよう。 悪くない条件に乗って、私は仙台に入る。 しかし、女川町で最初の仕事を得たあたりから、雲行きが怪しくなる。 あくまで営業部長として東北に入った「私」まで、作業員の頭数として現場に出ることになったのだ。 そこには想像を絶する醜悪な現実があった。 住所不定、無職。 大藪春彦新人賞でデビューし、2020年に大藪春彦賞を受賞した注目の鬼才が書く初の随筆。
  • 藻屑蟹
    4.3
    1巻704円 (税込)
    一号機が爆発した。原発事故の模様をテレビで見ていた木島雄介は、これから何かが変わると確信する。だが待っていたのは何も変わらない毎日と、除染作業員、原発避難民たちが街に住み始めたことによる苛立ちだった。六年後、雄介は友人の誘いで除染作業員となることを決心。しかしそこで動く大金を目にし、いつしか雄介は……。満場一致にて受賞に至った第一回大藪春彦新人賞受賞作。
  • 藻屑蟹 1(第1回大藪春彦新人賞受賞作)
    -
    1巻202円 (税込)
    選考委員、激賞! 62歳、住所不定、無職の大型新人、第1回大藪春彦新人賞を受賞し、鮮烈デビュー! ●今野敏 選評(抜粋) 内容の濃さで群を抜いていた。この短い作品の中で、登場人物の印象を変えてみせている。これはなかなかの筆力だ。迷いなく受賞作に推した。 ●馳星周 選評(抜粋) 記念すべき第一回の受賞作がこのように完成度の高いものであることは、故大藪春彦氏も喜んでいるのではないだろうか。 ●徳間書店文芸編集部編集長 選評(抜粋) 世に出さなければならないという使命感を抱くほど、作品力は群を抜いていました。 ●受賞の言葉(抜粋) 書き続ければ報われると知った。たとえ将来、路上に帰らざるを得ないほど困窮しても、日銭仕事に執筆の時間を犠牲にするくらいなら、わたしは何の躊躇もなく路上に帰ります。その覚悟を受賞の言葉としたい。 ●あらすじ 二十七歳で人生を諦めた男。彼は原発事故の模様をテレビで見ていた。これから何かが変わる??そう信じて。しかし待っていたのは何も変わらない毎日と、除染作業員、原発避難民たちが街に住み始めたことよる苛立ちだった。 六年後、彼は金を得るために、高校時代の友人・純也の伝手で除染作業員となる。しかし、それは純也のある計画のために利用されているだけだった……。 選考会で満場一致にて受賞にいたった第一回大藪春彦賞受賞作! ※受賞作のほか、選評および受賞の言葉を収録 本作品には続編があります! 「藻屑蟹」で検索してください。
  • 藻屑蟹

    Posted by ブクログ

    除染作業員、原発避難民、東北の苦悩の一端を知る事ができたと思う。大好きな仙台、まだ訪れたことの無い福島。どちらも必ず行こう。

    0
    2023年10月16日
  • 救い難き人

    Posted by ブクログ

    ザ·赤松利市ワールド!
    最初から最後まで独特な気持ち悪い世界をしつこくしつこく、これでもか!っと描き続けます。
    楽しめる方、そうでない方、一度は手にとってみては?
    読後の爽快感ゼロ、後悔感は...?

    0
    2023年08月28日
  • 救い難き人

    Posted by ブクログ

    パチンコ経営を中心として、ありとあらゆる救い難い人が登場。そして救いようのないことの繰り返し。生まれながらにして救い難い人ではなく、差別が怪物たちを産んだのだと信じたいです。1字1句が突き刺さる小説でした。

    0
    2023年08月14日
  • 鯖

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    誰しも心当たりがある、人間の心の裡に潜む汚さや黒さや醜さを抽出して娯楽性を兼ね備えた文学に昇華させている、という点において、作風は違えど西村賢太氏の著作にも通じるものを感じた。
    なんだかんだありながらも結局は乗り切って収まるんかなもしかしたら…と思いきや、中盤以降の新一の壊れっぷりがこちらの予測を遥かに上回るペースで加速及び驀進し、一気に奈落の底へ落ちて破滅に至るのかやっぱり。
    逆説的ながら、ある意味で大団円とも言える幕切れに違和感はないが、終盤の畳みかけるような展開は急ぎ過ぎの感が否めず、もっと紙幅を費やして丁寧に描いても良かったのでは…等と僭越ながら思ったり。
    これが長編デビュー作とのこと

    0
    2023年06月08日
  • 藻屑蟹

    Posted by ブクログ

    面白すぎて1日で読み終わる。
    地の文で、俺たちは虫けら以下だな。とか書いちゃう。「てにおは」の使い方も独特。そこがなんだか面白く読んでいて飽きない。
    そのせいか、リアリティがありドキュメンタリーを見ているかのよう。と思ったら著者は本当に除染作業員だった。
    痺れた。

    0
    2023年05月14日

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