作品一覧

  • 争わない社会 「開かれた依存関係」をつくる
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    「自立=善、依存=悪」という思い込みを覆す、逆転の文明論 豊かになったはずの現代でなぜ紛争が絶えないのか? 格差を生み出し、争いのもとになる「自立志向」の考え方を問い直し、中間集団との新しい「依存関係」が争いを防ぐ可能性を提言する。 【内容】 序章 争わないための依存 1部 発展の遠心力――「自立した個人」を育てる  第1章 競争原理――規格化される人々  第2章 社会分業――特技を社会に役立たせる  第3章 対外援助――与えて生まれる依存関係 2部 支配の求心力――特権はいかに集中するか  第4章 適者生存――格差を正当化する知  第5章 私的所有――自然をめぐる人間同士の争い  第6章 独裁権力――依存関係を閉じる言葉 3部 依存の想像力――頼れる「中間」を取り戻す  第7章 帰属意識――踏みとどまって発言する  第8章 中間集団――身近な依存先を開く  第9章 依存史観――歴史の土を耕す
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由
    4.6
    1998年ノーベル経済学賞を受賞した著者は,本書で,不平等の問題を所得分配の面からのみではなく,「人間は多様な存在である」ということを前提にした視点から再考察することを提案した.「潜在能力アプローチ」と呼ばれるその手法は,経済学にとどまらず,倫理学,法律学,哲学など関連の諸分野にも多大な影響を与えている.

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  • 教えてみた「米国トップ校」
    3.7
    1巻880円 (税込)
    研究でも教育でも羨望の眼差しで語られることが多い米国トップ校。だが、その一つであるプリンストンで教えるようになった東大教授は、日本に蔓延する幻想に疑問を投げかける。語られなかった「白熱教室」の内実。
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

    Posted by ブクログ

    1998年にノーベル経済学賞を受賞したインド人経済学者、アマルティア・セン氏の主唱している「ケイパビリティ・アプローチ」の概略が分かる本でした。センは人間の福祉の指標としてGDPや富、効用、幸福度を用いるよりも、各人のケイパビリティに着目するべきだと主張しているわけです。まずこれは訳者自身が冒頭および巻末に記載していますように、本書内で度々使われている「潜在能力」と「福祉」は、それぞれケイパビリティ、ウェルビーイング、と置き換えて読むと一層理解が深まります。逆に言うと潜在能力、福祉として読んでいると混乱することが多々あります。ケイパビリティは何かといえば、「~をすることができる能力(自由)」を

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    2023年05月02日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

    Posted by ブクログ

    > よりたくさんの選択肢を持っているということが、常に、その人がしたいことをする自由を広げることには必ずしもならない。

    「この文脈で重要な多様性はなにか」が大切。そうでないと、人間の多様性のために大きな差を生み出すことになる。ハッとする。

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    2021年11月20日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

    Posted by ブクログ

    福祉、貧困対策などを考える上で基本的な考え方となる人のうち、割と新しい部類に入る人。
    数値化して捉えることが困難な貧困を、ケイパビリティとかいう、その人たちが望むものを得るためにアクセスすることのしやすさと定義した。
    例えば所得が低くても、田舎で自給して芋食って満足している人は貧しくないし、所得がある程度あっても都市部で子どもに塾によう行かせてやれんという人は貧しいだろうという話。
    多様な生き方がある現代においては、貧困は簡単な一言で定義するのは困難だが、それをかなりまとめた功績は大きい。

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    2019年07月21日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

    Posted by ブクログ

    センのcapability approachに関して学ぶとするなら、最初の本になりうるかも。
    "福祉の経済学"に比べて、数式はほぼない。
    また、具体例が多い。
    思想がよく伝わってくる。
    なぜ?の部分が。

    生み出した富の量の合計で国の豊かさを評価すると、
    個人の差や、上位のお金持ちの富の和で打ち消されたその国のボトムにいる人たちの貧困や不平等が見えなくなってしまう。

    なぜ豊かな国なのに貧しい人が存在するのか?。

    インドでボロボロの服を着ていても困らないけれど、たとえば日本や豊かな国ではそんな服を着て行けるところはとても限られてしまう。
    …たとえば。
    スマホはお金がかかる

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    2024年01月02日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

    Posted by ブクログ

    貧困は人間の選択肢がはく奪されている状態。極度の貧困により、栄養状態が悪い。雨風をしのげる家がない。予防可能な病気にかかる。早死にする。読み書きができない。部族紛争で負傷して体が不自由(身体障がい)になる。財を活用して生活の質を高める力がなければ、財を平等に分配されたとしても、それを充分に活用できない。国家は人が自分の願望や目的を実現するための前提となる能力を保障すべき。市場でまともな経済競争をするための前提となる能力を保障すべき。アマルティア・センSen『不平等の再検討』1992
    ※エチオピアで飢餓。ハイレ=セラシエ皇帝「働いて努力しなければ富は得られない」と、国家による救済策をほとんどせず

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    2021年09月04日

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