J.G.フレイザーの作品一覧

「J.G.フレイザー」の「初版 金枝篇」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 初版 金枝篇 上
    3.7
    「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、今なお充分なアクチュアリティがあろう。ここには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。
  • 初版 金枝篇 下

    Posted by ブクログ

    おもしろすぎる。興奮した。「多分これ、あんたが好きな本だよ」と渡したのは夫だが、夫はこれに興奮する私の気持ちがわからないそうです。

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    2009年10月04日
  • 初版 金枝篇 下

    Posted by ブクログ

    本の中の本。
    本からの知識で、キリスト教期限に迫る大部の書物を書いたのは、恐るべき資料の収集力、本人の情熱、今の子供おじさんの究極形か。

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    2019年07月31日
  • 初版 金枝篇 上

    Posted by ブクログ

    森の王、聖なる王とは。
    王殺しと再生の供儀の意味。
    大地を肥沃にするために、それを維持するために穀物霊である王をリニューアルしていく。

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    2019年07月31日
  • 初版 金枝篇 下

    Posted by ブクログ

    上下巻1000ページにも及ぶ本書を通読した後に再度1章1節に立ち返ると、これまで挙げられてきた膨大な事例は全て円環するかのごとく最初の疑問に結びついていた。個人的には前任者の殺害、外在する魂の象徴という共通点で火の鳥・異形編を思い起こさずにはいられない。無数に例示される風習・儀礼の数々はその一つひとつが金枝篇という書物に宿るヤドリギであり、それは次なる物語を生み出す根幹となる。物語が儀式を産みだすのではない、儀式が物語を創りだすのだ。無数の驚きと発見に満ちた本書は、さしずめ人間の持ちうる想像力の博物館だ。

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    2015年01月07日
  • 初版 金枝篇 上

    Posted by ブクログ

    膨大な世界各地の民族の風習を整理分類し、その行事や習わしの共通性を明らかにしようとした民俗学の名著は、とにかく想像力を掻き立てられる面白さに満ちていた。個々の事例も興味深く、特に2章における王とタブーの話が印象に残っている。曰く、各地で王とは神の代弁者として権力を持つものの、代弁者であるが故に少しでも身体的不具の予兆があれば殺されて新たな王を立てる習わしがあったとのこと。また神聖であることと不浄であることはタブーという点で根源的に同一であり、そこに論理的整合性が隠されているという指摘には感心させられた。

    0
    2015年01月03日

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