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  • 昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学
    4.7
    1巻774円 (税込)
    桃太郎はなぜ桃から生まれ、犬と猿と雉を味方につけたのか。 浦島太郎が玉手箱を開けて死ぬ定めにあるのはなぜか。 人間を喰らおうとする山姥の正体とは──。 誰もが知りながら、荒唐無稽で謎めいた昔ばなしの世界。 しかし多様な伝承の森に深く分け入り、古代神話や民間信仰に その足跡をたどるとき、死と再生、性と笑い、 異界とこの世をめぐる共通の世界観が浮かび上がる。 現代人が忘れてしまった豊かな意味を取り戻すための神話学。 ※本書は、山川出版社より二〇一三年に刊行された『昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語』に大幅に加筆修正し、改題して文庫化したものが底本です。  【目次】  はじめに 第一話 桃太郎――桃太郎はなぜ犬と猿と雉を連れていくのか 第二話 かちかち山――トリックスター、稲羽の素兎の末裔たち 第三話 花咲爺さん――お爺さんはなぜ犬の灰をまくのか 第四話 浦島太郎――分断された乙姫の玉手箱  昔ばなしの論理を読み解く(1) 第五話 鬼の子小綱――笑いと性の力が春を呼ぶ 第六話 三枚の護符――便所はあの世の出入り口 第七話 蛇婿入り――苧環はなぜ蛇を退治するのか 第八話 蛇女房――無欲と貪欲の報酬  昔ばなしの論理を読み解く(2) 第九話 産神問答――魂を掃き出す箒の力 第十話 ミソサザイは鳥の王――仁徳はいかにして聖帝になったか 第十一話 ホトトギスと兄弟――夜鳴く鳥の悲しい前世 第十二話 鉢かづき姫――顔を覆い隠す花嫁 第十三話 一寸法師――脱皮する少年たち  おわりに
  • 昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学

    Posted by ブクログ

    創作のために神話や物語を勉強しているときに出会った本。
    そういうものだ、と当たり前に受け入れている昔ばなし。言われてみれば確かに不思議だな、と思う謎や疑問について納得のいくかたちで考察されており、ひじょうに面白かった。
    特に一番ページ数が割かれている“桃太郎”についての考察は唸る出来。
    家来はなぜ猿、鳥、犬なのか。きびだんごとは? といった疑問に対して、なるほど! という答えが用意されている。
    世界の他の神話や伝説との関わりをもっと勉強してみたくなった。

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    2022年11月06日
  • 昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・古川のり子「昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学」(角川文庫)を ごく大雑把に言へば、日本神話を通して日本昔話を考へるとでもいふことにならうかと思ふ。実際、本書には記紀を初めとする日本神話の引用が多く、特にイザナミ、イザナギやアマテラスは頻出する。それだけ神話が昔話に多くの影響を与へてゐるといふことである。こんなところにもと思ふやうな場面もあるが、言はれてみればと納得できる場面も多い。私はこのやうに理詰めで昔話を読んで考へることを一切してゐないので、本書の内容は新鮮だし刺激的でもある。
    ・個々の話でもさうなのだが、途中の2つの「昔ばなしの論理を読み解く」では個々の昔話を関連づけて極めて論理的

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    2017年01月16日

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