作品一覧

  • 水の精(ウンディーネ)
    4.2
    1巻836円 (税込)
    妖しい森で道に迷った騎士フルトブラントは、湖の岸辺に立つ一軒の漁師小屋にたどり着く。そこで出会ったのは、可憐にして妖艶、無邪気で気まぐれな美少女ウンディーネだった。恋に落ちた二人は結婚式をあげるが……。のちの作家たちに多大な影響を与えたドイツ幻想文学の最高傑作を、瑞々しい新訳で。
  • 水の精(ウンディーネ)

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    ドイツロマン派の代表作。
    フケーの水の精は、アンデルセンの人魚姫などにも影響を与えているらしい。
    三島由紀夫の小説や、若草物語でも出てくる。

    フルトブラントはひどい男だと思うけど、心変わりはするものだし、人間でない得体のしれないものを一生愛し続けるって難しいのは確か。

    そしてウンディーネはいきなり素行の良いかつ悲劇的な人間になったけど、かえって人間じゃない感が生まれた。人間ってもっと自己的だし、変わっていくものだよなぁと。
    でも、泣いたしとても素敵な小説だった。

    水の精を題材にした、映画『水を抱く女』も観てきた。バッハのAdagio, BWV 974が美しい。
    これは、ウンディーネがフル

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    2021年05月22日
  • 水の精(ウンディーネ)

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    若い頃読んだことがあったような、知ってるようなつもりで読み始めたところ、
    知ってるつもりの物語の、何倍も面白かった。

    年老いた漁夫ののもとへ、緋色のマントを肩にかけ、白馬にまたがった騎士がやってくるところからはじまる。

    若く美しい騎士フルブラントは、森の中で迷い、ここに辿り着いた。森の中には妖しげな白装束の男や、醜い小人や子鬼たちが…馬を鎮めながら、白装束の男に追い立てられたるようにして森を抜け出た。

    そしてこの親切な老夫婦のもとで、
    "この世のものとも思われぬほど美しい金髪の少女”
    ウンディーネと 宿命のようにであうのだった。。

    この物語は、魂(こころ)とは無縁に育ってきた

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    2021年05月09日
  • 水の精(ウンディーネ)

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    古典作品だけど訳の良さで読みやすかった。映画「水を抱く女」を観たので元ネタが気になり読んだ。フルトブラントを殺したくないのに殺さなければならなかったウンディーネ、愛する人を2人とも失くしたベルタルダ、どちらのヒロインも悲しくて何とも言えない後味でした。

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    2022年09月17日
  • 水の精(ウンディーネ)

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    ネタバレ

     水の精であるウンディーネが、騎士フルトブラントと結婚して魂を得た後、友人のベルタルダとの三角関係や川を支配する精霊である伯父からの妨害に悩まされつつも、夫となったフルトブラントとの愛を貫き通そうとする話。
     ベルタルダはひょっこり出の存在ではなく、ウンディーネがフルトブラントと婚約する以前から養われていた漁師の夫婦の実子であり、ウンディーネとフルトブラントが居城に帰還するまでは大公家の養子であった。またウンディーネと出会う前からフルトブラントとは知り合っており、ウンディーネがいなければ結婚していたであろうところが三角関係を複雑なものとしている。ウンディーネが出自や親戚との関係上、人間たちとす

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    2021年09月02日
  • 水の精(ウンディーネ)

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    ネタバレ

    涙で殺めて甘い痛み、浪漫だあ〜
    作者の恋愛経験がもう劇的で小説だなと解説読んで思った。天真爛漫な初恋→騎士、貴族らしい戦略結婚→離婚、初恋への未練→文学に理解ある歳上貴族とデキ婚→暮らし捨ててスーパー歳下庶民と再々婚→妻に愛人、初恋の死、アル中…
    好きになるって自分への誓いであるはずなのに、それを貫き通す強さは先天的なものではなく、常に愛情に揺らぐ。魂があるからこそ弱くて、寄り添い合うけど、そういう弱みを精霊は揶揄するとも受け取れるなぁ。
    悍しい森、勇敢な騎士、美しいプリンセスなど、西洋の世界観に久しぶりに触れてなんか懐かしい気分。

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    2021年03月21日

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