作品一覧
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4.11巻589円 (税込)18歳の美大生が交通事故で記憶喪失になる。それは自身のことだけでなく、食べる、眠るなどの感覚さえ分からなくなるという状態だった――。そんな彼が徐々に周囲を理解し「新しい自分」を生き始め、草木染職人として独立するまでを綴った手記。感動のノンフィクション!
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
この世には体験者しか書けない世界があるが、この本はまさにそう。解説で俵万智が書いている通り、子どもの感性をそのまま書いたような文章は、書こうと思って書けるものではない。この文章を読むことで、毎日見過ごしているあらゆることが、全く新しい、けれどよく分かる感覚で立ち上がってくる。
記憶は、結局全部は戻らなかったのだから、著者は1.5倍位の人生を生きたことになる。それも稀有な体験だ。
「かあさんだよ」、ごはん、チョコレート、UFOキャッチャーなど、何度も読み返したくなる素晴らしさは、前に読んだ時と変わらないが、自分が年をとって、坪倉さんのご両親の偉大さを感じた。もし子どもが事故にあったら、自分は親と