作品一覧

  • ずっとお城で暮らしてる
    3.8
    1巻662円 (税込)
    あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。姉のコンスタンスといっしょに、他の家族が皆殺しにされたこの屋敷で、ずっと暮らしている……。惨劇の起きた資産家一族の生き残り。村人から忌み嫌われ、外界との交流も最低限に止める彼女たちは、独自のルールを定めて静かな生活を送っていた。しかし従兄チャールズの来訪をきっかけに、美しく病んだ箱庭世界は大きな変化をむかえる。“魔女”と称された異色作家が、超自然的要素を排し、無垢な少女の視点から人間心理に潜む悪意が引き起こす恐怖を描く代表作。/解説=桜庭一樹
  • 処刑人
    3.5
    ナタリーが大学に入学するまで三週間ほどを残して迎えた初秋の日曜日の午後。鼻持ちならない文筆家の父と、夫への軽蔑を隠さない母が催したホームパーティでの“悪夢”を経て、初めての寮生活を迎えた17才のナタリーは、大きく変わった生活環境に戸惑いを隠せないでいた。同年代の少女への優越感と劣等感の狭間で揺れ動く中、風変わりな女生徒トニーとの出会いによって真の安寧を手にしたかに見えたが……思春期の少女の危うい精神の揺らぎを、残酷さと一掬の愛情を交えて描く。『ずっとお城で暮らしてる』の著者の初期を代表する傑作長編小説。/解説=深緑野分
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集
    3.7
    1巻1,222円 (税込)
    人間の裡に潜む不気味なものを抉り出し、独特の乾いた筆致で書き続けたシャーリイ・ジャクスンは、強烈な悪意がもたらす恐怖から奇妙なユーモアまで幅広い味わいの短編を手がけたことでも知られている。死後に発見された未出版作品と単行本未収録作を集成した作品集Just an Ordinary Dayより、現実と妄想のはざまで何ものかに追われ続ける女の不安と焦燥を描く「逢瀬」、魔術を扱った中世風暗黒ゴシック譚「城の主」、両親を失なった少女の奇妙な振るまいに困惑する主婦が語る「『はい』と一言」など、悪意と妄念、恐怖と哄笑が彩る23編にエッセイ5編を付す。本邦初訳作多数。/収録作=「序文 思い出せること」「スミス夫人の蜜月(バージョン1)」「スミス夫人の蜜月(バージョン2)――新妻殺害のミステリー」「よき妻」「ネズミ」「逢瀬」「お決まりの話題」「なんでもない日にピーナツを持って」「悪の可能性」「行方不明の少女」「偉大な声も静まりぬ」「夏の日の午後」「おつらいときには」「アンダースン夫人」「城の主」「店からのサービス」「貧しいおばあさん」「メルヴィル夫人の買い物」「レディとの旅」「『はい』と一言」「家」「喫煙室」「インディアンはテントで暮らす」「うちのおばあちゃんと猫たち」「男の子たちのパーティ」「不良少年」「車のせいかも」「S・B・フェアチャイルドの思い出」「カブスカウトのデンで一人きり」「エピローグ 名声」
  • ずっとお城で暮らしてる

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    ネタバレ

    ユニコーンは処女にしか懐かない、翼の生えた馬もきっと同じなのだろい。なぜなら、清らかなふたりを月の上へ連れて行ってくれたから。

    家族を毒殺した理由は書かれていなかったが、サマーハウスでの記述を見ると家族の一員として大切にされていなかった様子がうかがえる。これがひとつの大きな原因なのだろう。

    0
    2024年01月16日
  • ずっとお城で暮らしてる

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    ネタバレ

    ――メリキャット、お茶でもいかがとコニー姉さん
    ――とんでもない、毒入りでしょうとメリキャット

    面白かった〜!
    無垢で夢見がちな少女の視点で語られるミステリー。メリキャットの一人称だからファンタジックな比喩が多くそれが物語全体を優しい印象にしてる。読む不穏というか、読む不安というか。でも一定の不安感がある人には共感ベースで効きそうなので読む処方箋かもしれない。
    街の人々の容赦ない悪意、差別、チャールズの嘲笑や冷めた視線。それらに姉妹とおじさんが晒される描写は身がすくむほど怖いのに、メリキャットは自分の幻想の方を強く信じてるし、火事の後も彼女たちの「幸福」は続く。誰にも脅かされない。
    最大の謎

    0
    2023年10月25日
  • ずっとお城で暮らしてる

    Posted by ブクログ

    私的にすごく好きな小説。海外独特な情景が好きです。恐ろしいけど、わかる気もするし、わかる気がする自分が恐ろしかったし、ラストでタイトルの意味がわかりました。ゾッとしましたが、何度も読み返したい作品です。

    0
    2023年01月27日
  • ずっとお城で暮らしてる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この小さい狭い世界で静かに暮らしている家族を私は嫌いにはなれない。
    人々が生きているはずなのに、メリキャットの目を通すと陰気な死んだ村に見える。実際は違うのかもしれないけれど、彼女の目に映るものがこの本の全てだから疑いたくない。
    18歳なのになんだか幼いメリキャットは、コンスタンス以外はみんな死んでしまえと思ったのかな。だとしたら生き残ったジュリアンおじさんもその中に入っており、しきりに「優しく」することを自分に強いていた理由も自ずと見えてくる。
    空想の中に逃げ込んでいないと正気じゃいられないメリキャット、料理好きで綺麗好きのコンスタンス、夢の中に生きているジュリアン。この3人の奇妙にバランス

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    2022年12月26日
  • ずっとお城で暮らしてる

    Posted by ブクログ

    殺人的に頭がおかしいせいで村中に嫌われている一家が全力で頭がおかしいを実行した結果、全村人に養われるニートになった話。

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    2022年10月09日

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