ソポクレースの作品一覧

「ソポクレース」の「アンティゴネー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • アンティゴネー
    4.3
    1巻660円 (税込)
    「私は憎しみを共にするのではなく、愛を共にするよう生まれついているのです」――祖国に攻め寄せて倒れた兄の埋葬を、叔父王の命に背き独り行うアンティゴネー。王女は亡国の叛逆者か、気高き愛の具現者か。『オイディプース王』『コローノスのオイディプース』と連鎖する悲劇の終幕は、人間の運命と葛藤の彼岸を目指す。新訳。

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  • アンティゴネー

    Posted by ブクログ

    アンティゴネーの兄に対する想いが兄妹間のそれ以上のものを窺わせる等、解説によれば随所に解釈の余地があるようです。

    オイディプスに端を発する悲劇は叔父のクレオンと娘のイスメネを除き、みな死亡という結末を迎えました。

    クレオンとその息子ハイモーンの対話、アンティゴネーとクレオンの対決の場面がハイライトでしょうか。

    抗い難い運命、現実の苦悩を引き受けながらも生を肯定する、というニーチェが悲劇の誕生で言及していたギリシャ悲劇の本質に触れられた気がします。

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    2023年09月19日
  • アンティゴネー

    Posted by ブクログ

    非常に面白かった。同作者によるオイディプス王の続編にあたり、王の4人の子のうちの姉の名が表題となっている。わたしのなかではオイディプス王は最早レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザや、シュトックハウゼンの連作にも並ぶ真正の大芸術とまで格上げされているため、続編があると知って大分期待して読んだが、こちらは一段格は下がって、並の芸術品といったところに落ち着いている。格下げの主たる理由は、単純な因果応報(仏教用語でなく現在の用法)に落ち着いたこと。王道であり、民話ならなお一層親しまれるものだが、大芸術のやることではない(何故なら疑問の余地が残らず完全に消費されてしまう)。非常にポピュラーな内容であるので

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    2018年03月07日
  • アンティゴネー

    Posted by ブクログ

    ギリシャ悲劇は、自らの力ではどうにもならない運命に翻弄された人間の運命悲劇だと言われる。『オイディプス王』は確かにその通りだが、『アンティゴネー』は死を覚悟の上で自らの意志を貫いたアンティゴネーの性格悲劇ではなかろうか。そのような人物造形は、『オイディプス王』よりも、むしろシェイクスピアに近いように思う。

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    2017年05月12日
  • アンティゴネー

    Posted by ブクログ

    ちょうどいいタイミングで新訳が出ていた。旧訳からかなり読みやすくなっているし、解説もちきんとした量があって理解を助けてくれる。あらためて読んでも、ギリシア悲劇の中でも「オイディプス王」と並ぶ傑作だと思う。
    祖国テーバイを攻めた兄ポリュネイケスの死体を埋葬しようとするアンティゴネーと、反逆者の埋葬を決して認めようとはしない王であり叔父でもあるクレオーンの対立。親族を弔うという神の理と、法と秩序を守るという国家の論理、それぞれの正義が真っ向からぶつかってやがて悲劇をもたらす。
    そして、ただ正義の対立だけでない、対立する二人の不完全さが状況を複雑化させる。アンティゴネーは誰とも心を通わせることなく孤

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    2014年11月07日
  • アンティゴネー

    Posted by ブクログ

    自分の欲ばかりに目が眩んだり他者を受け入れようとする寛容さもないと、この物語のように負の連鎖を生み身の破滅までにも追い込むようにもなるという一種の教訓の様にも感じました。
    この機会で一度劇も鑑賞したくなった。

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    2023年08月06日

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