作品一覧
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4.31巻935円 (税込)沖縄学の権威による沖縄食文化史入門。著者は『おもろそうし』などの古典文学をもとに琉球文化の源流を探る研究に取り組んできたが、最後の著書となった本書では、食を素材に、沖縄の歴史が描き出される。ヤマトとは異なる食材・料理・飲食風習を対外関係史から説明し、沖縄料理の中にある東南アジア文化、中国文化の影響を解説。そして、食の思い出とわかちがたく結びつけられた戦前・戦中の記憶をつづる。取り上げられるのはラフテーやゴーヤチャンプルーなどよく知られた料理から、今では幻となった伝統菓子にいたるまで幅広い。食が語る沖縄の歴史。
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4.3
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
【沖縄文化というダイナミズム】
私が食卓でヘビロテするお皿はやちむん(沖縄の器)の7寸皿だ。ゴーヤーチャンプルーはもちろん麻婆豆腐、鶏の唐揚げ、ぶり大根など何でもサマになるところが気に入っている。しかしこのお皿のルーツについてこの本を読むまで考えたことがなかった。
本書は言語学者で沖縄最古の歌謡集『おもろさうし』研究の第一人者である外間守善氏による初学者向けの沖縄文化史概説である。特徴は島尾敏雄のヤポネシア構想にならい、太平洋文化圏に位置する沖縄の歴史と文化を、日本列島の文化の根っことして紹介している点だ。
たとえばやちむんの創始は南方の酒器であるとされているが、その後朝鮮、中国、薩摩の陶芸が -
Posted by ブクログ
"沖縄戦の記録を読むのは、本書が初めてだ。
本書を手に取ったきっかけは、映画「ハクソーリッジ」を鑑賞してから。
映像もすごいインパクトがあったが、本書を読むと前田高地の戦いが壮絶だったことがよくわかる。映画の主人公であった、デズモンド・T・ドスさんの記述もある。映画ではあたかも一夜の出来事のような描き方をしているが、何日も何日も戦場をさまよい八十余名の負傷兵を崖下に運び命を救ったとの記載がある。
PTSDのリアルな描写もあり、著者が本書を書くことにも相当な葛藤があったことがわかる。戦争の恐ろしさは、人を殺してもなんとも思わなくなることだと、経験者が語りかける。
沖縄が戦場となり、多く -
Posted by ブクログ
ネタバレ沖縄の歴史を太平洋または東アジアの諸列島という視点で捉えている。
文化の北上説と南下説の両方を紹介し、酒、染織、陶芸の3つの具体例を示している。
古代史が弱いという指摘があるとすれば、それは文献に比例しているという視点で見れば過不足ない。
文献のない事項と、文献のある事項とを、あたかも同一の価値かのように説くような、通史は素人受けしても、価値があるかどうかとは別の次元ではないだろうか。
日本史の一部として沖縄の歴史を説こうとする傾向に対して、明確な課題を提供していないかもしれない。それは、日本語で日本において歴史を記述しているためかもしれない。
本土自体が混合文化であるのに、