作品一覧

  • おおやさんはねこ
    4.0
    1巻770円 (税込)
    ぼくが引っ越そうと思い部屋を探していると、不動産屋のガラス戸に格安物件の案内がありました。しかし、条件のひとつに「毎日、お魚を食べる方」と書いてあったのです。ぼくは気になって中に入り、尋ねました。いろいろ質問をされたあと、立派なくさりのついた鍵をくれて、その場で部屋を借りることができましたが……。芥川賞作家が子どもたちに贈る、動物ファンタジーの傑作です。

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  • 真夏の旗
    -
    1巻660円 (税込)
    夏の夜の小さな事件が、真治と町の人気スター・彰五を友だちにした。純粋で奔放な生き方をする彰五たちの世界は、北の港町の大人には受け入れられないが、平凡な少年・真治に、新鮮でめくるめくような夏の日々を体験させた……。やさしく繊細な目で若者たちを生き生きと描いた、三木卓の少年小説の傑作。
  • 野いばらの衣
    -
    1巻1,595円 (税込)
    小児麻痺で左足が不自由なカメラマンの「わたし」=郡司。彼が高校時代、憎悪を爆発させた体操教師・木宮。その娘で、郡司の憧憬と愛の対象、体操選手・とし子。偏執的人形師・英三三夫。左手に障害のある超能力者・亜矢……。人体の極限の美を追求する者と障害のある者――「わたし」は常に計り知れない距離と対峙する。二つの極を軸に、肉体と精神の微妙な領域を、“「わたし」の視点”で捉えた渾身の長篇力作。
  • ミッドワイフの家
    -
    1巻660円 (税込)
    孤児だったわたしが、少年期をすごしたのは、産院、つまり、ミッドワイフの家。久しぶりにそこを再訪すると、相変らずクレゾールの匂いと、生殖の図式が満ち満ちている。陰性の性欲をもて余していた当時への回想、そして、ひそかに欲望の対象としていた娘との再会。性の本質と実在感を文学に結実しえた、著者の初期秀作集。
  • 七まいの葉
    -
    1巻660円 (税込)
    生と死、光と影の織りなす、繊細で透明な三木卓の世界を謳い上げた、短編童話集。「ふみ子のおともだち」「はなっていいな」「そらのひつじ」「コップの海」など、人間の内面を凝視し、宇宙的広がりをもつ作品7編と、「けんかして」「さようなら」「おこっている」「もうひねくれたぞ」など少年詩12編を収録。
  • 路地
    -
    1巻1,155円 (税込)
    名刹が点在し、高級住宅地が広がる古都・鎌倉。 だが、そんな町にも、様々な人生が交錯する「路地」がある。古書店主、観光人力車を曳く男、図書館勤めの小市民……、市井の7人それぞれが、過去に秘めている罪や愛が、彼らの平穏な日常を波立たせる一瞬を犀利に捉え、人生の細やかな真実を温もりとともに掬いあげる短編連作。谷崎潤一郎賞受賞作。
  • 震える舌
    4.4
    1巻1,155円 (税込)
    その予感は娘の発作で始まった。極限の恐怖に誘われる衝撃の作品――平和な家庭での、いつもの風景の中に忍び込む、ある予兆。それは、幼い娘の、いつもと違う行動だった。やがて、その予感は、激しい発作として表れる。<破傷風>に罹った娘の想像を絶する病いと、疲労困憊し感染への恐怖に取りつかれる夫婦。平穏な日常から不条理な災厄に襲われた崇高な人間ドラマを、見事に描いた衝撃作。 ◎距離が伸びる時には父親として病気に向き合い、距離が縮む時、一人の人間として感染症の恐怖に怯える中で語られる心の葛藤は、医学小説のそれではなく、もちろん恐怖小説のものでもなく、強いて言うなら、極めて純粋な戦記文学を読んでいる印象です。確かに、今まで読んだ全ての小説の中で、病棟という「戦場」の真実がここまで正確に描かれた作品を知りません。<石黒達昌「解説」より>
  • 若き詩人たちの青春
    -
    1巻1,485円 (税込)
    鮎川信夫、谷川雁、田村隆一、長谷川龍生......。詩人たちが集い、いきいきと躍動していた1950-60年代。戦後の詩壇を鮮やかに彩った詩人たちの、知られざる素顔を描く記念碑的名著!
  • 小学館版 学習まんが人物館 ファーブル
    -
    1巻715円 (税込)
    虫のことばを聞いた詩人ファーブル! 昆虫の観察や実験を積み重ね、晩年、「昆虫記」全10巻を完成させた博物学者の偉大な業績。 貧しい農家に生まれたファーブルは、野原で寝るような少年労働者から、独学で学校へ入学、ついには助教授に。そして晩年の55才から代表作昆虫記を書き始め、84才の高齢で全10巻を完成させた。 <シリーズ説明>政治家、武将、科学者、まんが家など、知っておきたい日本と世界の人物をまんがと解説で紹介。貴重な資料をもとに、綿密な時代考証で裏うちし、それぞれの輝かしい生涯をシナリオライターとまんが家の共同作業で忠実に再現しています。 この作品の容量は、62.1MB(校正データ時の数値)です。 【ご注意】  ※本書電子版には、底本の資料編は掲載されていません。 ※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • 私の方丈記 【現代語訳付】
    -
    1巻715円 (税込)
    人生の原点がここにある!混迷の時代に射す一条の光、現代語訳「方丈記」。満洲からの引揚者として激動の戦中戦後を生きた著者が、自身の体験を「方丈記」に重ね、人間の幸福と老いの境地を見据えた名著。
  • 嵐山光三郎の徒然草・三木卓の方丈記 シリーズ古典(2)
    -
    2~8巻1,100~1,155円 (税込)
    嵐山・三木、両氏の手による随筆の名品。鎌倉時代に書かれた随筆文学の名品2作。嵐山光三郎・三木卓の名手ふたりが、それぞれの持ち味をいかして料理した現代語訳。この一冊でその魅力を堪能。
  • はるかな町
    5.0
    1巻495円 (税込)
    友達の姉さんへ寄せた淡い想い、夏期休暇の映画会、放課後の図書室、校庭のポプラの樹々……。過ぎ去った少年の日への懐かしみを、詩人、作家である著者が磨かれた感性で豊かに綴る青春の日の讃歌。“はるかな町”へあなたを誘う創作集。33編収録。
  • 砲撃のあとで
    3.6
    1巻495円 (税込)
    【第69回芥川賞受賞作】「少年は疾走していた。木々の葉の間を縫って光は斜めに射し、放射する幕のなかで狂ったような霧が踊っていた」。敗戦で秩序の破壊された大陸で、無法と死に追われる少年の目に、飢えと疾病に晒された世界が焼きつく。芥川賞受賞作「鶸」をはじめ「砲撃のあとで」「曠野」「竪笛」「流れのほとり」など、戦争の生々しい傷あとを描く連鎖状作品を集める。表題作含む14編を収録。
  • 徒然草・方丈記
    -
    1巻1,265円 (税込)
    『徒然草』は乱世の鎌倉時代に生きた吉田兼好が残した“言葉”。宝島の地図のように魅力的で、誰もが一度は目を通したくなる。『方丈記』は、鴨長明が人の世の無常を語りながらも、生きることの素晴らしさも教えてくれる。この2冊は枕草子に並び「日本三大随筆」と称される。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
  • K

    3.9
    1巻1,562円 (税込)
    1959年、〈ぼく〉は詩の同人誌で〈K〉と出会った。ふたりは結婚し、一児をなしたが、詩人としてのプライドが強すぎた〈K〉の言動は常軌を逸しはじめ、〈ぼく〉は困惑する。ふたりの生活は、すれ違い、やがて別居へと至る……。ただ、この奇妙な生活にも、「夫婦愛」は紛れもなく存在していた!
  • 震える舌

    Posted by ブクログ

    映画は割と怖いらしいけど見たことがない。得体の知れないものに侵され娘が得体の知れないものになっていく恐怖、診断と治療、破傷風との戦いと家族をめぐる環境、冷静であろうとして感情のこもった雰囲気がうまく書かれている。万が一、何かの実体験を書くことになったらこういう文章を書きたいと思う。子供ができてから、破傷風そのものの症状より看病する親の心情と疲労の方がリアルで感情移入しそうだった。

    p82 うすぐらい室内のなかで昌子の顔は闇の黴に蝕まれているように見え、それは僅かずつではあるが昌子がわたしたち夫婦の支配する圏から脱しつつある兆のように思われた。(そして、これからどういうことが起るのだろう?)

    0
    2023年08月01日
  • 震える舌

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一人娘にある日突然現れた異変。悪魔に憑かれたかの如く激しい発作に暴れ苦しむ娘の病はやがて破傷風と判明し、入院し本格的な治療が開始されるも、付ききりで必死の看護に当たる両親の精神は次第に蝕まれていきます。
    作家の実体験を元にしたというこの小説は、娘の病状がリアルで本当にしんどそうで心が痛んだのはもちろんですが、それ以上に両親がそれぞれにじわじわ追い詰められていく描写に胸を締め付けられると同時に、あまりの凄まじさに恐怖を覚えました。
    物語の語り手でもある父親も、冒頭で「お父さんがあまり娘を叱るからストレスで体調が悪化するのだ」と言いがかりをつけられるほどには神経質で繊細で、自分自身の幼児体験や感染

    0
    2021年01月02日
  • 栗本薫の里見八犬伝 シリーズ古典(8)

    Posted by ブクログ

    すっごく面白かった!!!
    「"伏"を読む前に!」
    と思って手に取った 作品だったが
    本当に手にとってよかったと思っている。

    最初の伏姫の物語は有り得ないことの連続に圧倒されながらあっという間に終わってしまった。
    その後始まる八犬士の物語は偶然のような
    必然の出来事が積み重なり綴られていく…。

    全て書いてあると思っていたら書いてなかった…!それが残念でした。
    なのでサラッと導入部だけ読みたい人にはおすすめかも…。でもしっかり読みたい人にはおすすめしないです。

    0
    2013年02月11日
  • K

    Posted by ブクログ

    人間関係の距離感は、人それぞれ違う。
    特に異性との距離感は、様々。
    悲喜交々相まって、複雑だ。
    夫婦関係も同じだ。
    ラブラブ親密をいつまでも維持している
    カップルがいる反面、
    なんで、まだ婚姻関係が続いているのか
    理解不能なカップルもいる。
    面白いものである。
    本書は、ある意味特殊であり、どこにでもある
    夫婦。
    すれ違いあり、心の通い合いがあり。
    個人的にはとても楽しめたのだが、読者を選ぶかもしれない。

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    2012年11月08日
  • K

    Posted by ブクログ

    決して楽しい話ではないのに、ユーモラスで軽い文章で楽に読めた。
    風変わりな妻を当事者ながらすごく客観的に見ている「ぼく」。
    彼女をわからないといいながらも、風変わりなのは育った環境など彼女にも事情があるということを受け入れている。
    他人同士が結婚するのだから、何もかもぴったりの夫婦は稀で、価値観や性格が違うのは至極当然である。
    わからないながらも47年という月日はいつの間にか二人を立派な夫婦にしていたのだろう。
    いろいろな夫婦のかたちがあるのだと思う。

    0
    2012年09月28日

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