「感情」の中でもとくにマイナスな結果を引き起こす原因となりがちな「怒り」に正しく対処することで、健全な人間関係をつくりあげる知識・技術を習得すること これが本書の目的です。
アンガーマネジメントのいいところは、技術なので、練習すれば、大なり小なり、誰にでもできる といっています。
怒らない技術 とは、 どうでもいいことで、怒らない技術であり、あとから後悔するようなことで、怒らない技術です。
アンガーマネジメントを通じて、怒りにふりまわされず、望むような人生を歩んでいくことが、著者の願いです。
気になることは次です。
・私は誰かや、何かによって怒らされているのではなく、自分で、「怒る」を選んでいることに、気がつくこと
・考え方や価値観の違いを受け入れられないから、怒りをえらんでしまう
・怒りをもって伝えるときは、力づくで相手に自分の要求を通したい状況です
・そもそも怒りそのものをゼロにしたり、取り除くことはできません
・その怒りを目的達成に生かすこと、人生にとって有意義な方向に向けることを考えることが重要
・スピードアップした社会は、「怒り」を増幅する原因にもなりがちです
・自分を危険にさらす相手に対して「怒り」を持ちます
・怒りが生まれるまでのステップがある ①出来事に遭遇 ⇒ ②出来事の意味付け ⇒ ③怒りの発生
・私たちが普段信じているものを、アンガーマネジメントの世界では、「コアビリーフ」といいます。
・コアビリーフは人それぞれ、他人の理屈や一般常識は通じません
・アンガマネジメントをしていく上では、自分がどのようなコアビリーフを持っているかを知ることが重要
・行動の修正:怒りのままに行動しない
・認識の修正:頭を怒りにくい仕組みにする
・かっての怒りの感情を思い出し、怒りを強めたり、新たな怒りを付け加えてしまうことがある
・小さな変化をいくつも創り出していくことで、相手との関係を大きく変え、良好にしていくことも想像してみてください
・怒りという感情はあなたの選択です。自分の感情は、自分自身の責任であるということを自覚する
・アクトカーム:怒らない自分を24時間演じ切る
・自分を変えずに、他人を変えることは難しいもの。ほんの少し自分の行動を変えるだけで、まわりの人の反応が変わることを実感してみる
・怒りは段階的に発生していくので、その間に衝動をコントロールできるチャンスは必ずある
・ストップシンキング:むかつくことを言われたら、とっさによけいなことをいわないように、思考をとめる、相手がいったことは何も考えない
・ディレイ・テクニック:反応を遅らせる カウントバック、数字を頭の中で唱えてみる、
・コーピングマントラ:魔法の呪文をとなえる。 大丈夫なんとかなるさ 怒ってもなんにもならないさ 等
・グラウンディング:思考をくぎ付けにする 手元のペンに視線を集中してみる
・タイムアウト いきなりでていかない、ちょっと冷静になるために、15分後に再開しましょう
・認識の修正は、自分自身の怒りを客観視して、よく知るところから始まる
・スケールテクニック:怒りの大きさを10段階で表してみる
・アンガーログ:怒りを記録することで見える化する ①日時、②出来事、③思ったこと、④感情、⑤感情の強さ、⑥行動、⑦結果
・ストレスログ:人はストレスが高くなると怒りやすくなる ⇒ ストレス・怒りは深く関係している ⇒ ストレスを4つに分ける
①重要かつ、自分で変えられる ⇒どうしたらストレスを取り除けるか ⇒ 書くとストレスは激減する
②重要かつ、自分で変えられない ⇒ 受け入れるしかない
③重要でない、かつ、自分で変えられる ⇒ 受け入れる
④重要でない、かつ、自分で変えられない ⇒ 受け入れるしかない
※変えることができることに意識を集中する
・自分と向き合おう ⇒ 怒りにくい仕組みを作る
・コアビリーフ:怒りのもとになる考え方 ⇒ トリガー:怒るきっかけ、引き金
・コアビリーフの歪みをチェックする ①はじめにおもったこと ⇒ ②認識のエラー ⇒ リフレーム:言い換える
使いどころ 認識のエラー、自分の価値観や過去を疑う
・同じトリガーで怒ってた ⇒地雷の原因は過去にあり ⇒たとえば激しい怒りの背景には、「自分は裏切られた」という共有のトリガー思考だった
・過去にとらわれない:過去の苦しみ、つらさ、悲しみが今後も同じように繰り返されるとは限らない
・起こるワンパターンから脱却する ⇒ いつもの行動を1つだけ変えてみる ⇒ 小さな変化を積み重ねる
・コミュニケーションを見直す 言い方次第であなたの評価はがらりと変わる
・起こっていても態度に出さなければわからない
・何をどのように伝えるのかが大事
・言ってはいけない言葉、 絶対、いつも、必ず ⇒他の言葉に変える
・決めつけ、レッテルを張る をやめる
・大げさにいわない、オーバーに言わない
・べき ということばに気を付ける
・相手を責める言葉を使わない
・会話の主語を、「私は」にしてみる
・相手の立場、気持ちを思いやる
・相手の立場や気持ちを尊重しながら、穏当な調子で自分の言いたいことを正確に伝える 同時に、相手の想いを聞くこと
・その二つを考えながら、攻撃的になることなく、素直で率直に自分の思いを伝える
目次
はじめに
第1章 なぜ、人は「怒り」にふりまわされるのか?
第2章 「アンガーマネジメント」の仕組みを知る
第3章 まずは、「なりたい自分」をイメージする
第4章 カチン!ムカッ!ときたときの感情の抑え方
第5章 記録することで「怒り」を「見える化」する
第6章 自分の中に「怒りにくい仕組み」をつくる
第7章 自分の気持ちの「上手な伝え方」を身につける
ISBN:9784022618764
出版社:朝日新聞出版
判型:文庫
ページ数:224ページ
定価:580円(本体)
発売日:2021年05月30日 第16刷