柳田国男の作品一覧
「柳田国男」の「禁忌習俗事典 タブーの民俗学手帳」「新訂 妖怪談義」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
明治はまだ人の寿命が短く(とはいえ兵役や戦災で死ぬことはまれで)生と死が近かった時代。山道に馬の屍体があり「これの皮が欲しいが、取ると狼が付け狙って殺されることになるだろう」と伯父が言うなど狼·熊、化かす狐が身近。殺人の祟りで児が皆ある年限で死ぬといった怨念話も。活字で読んだら怖いが、聞き取り調査で読み書きできない語り手から採取する時は普通の話題(当時録音は困難)。文語記述が簡潔で内容にマッチし、グリム童話や、著者の指摘・対比する今昔物語と訣別して「これは現代の話である」と序文で断定される。民話や民謡は作ろうとして作れるものでなく、個人でない集団の無意識が自ずと形をなしていくのかも知れない
Posted by ブクログ
【沖縄文化論の草分け論集】
明治政府による廃藩置県で琉球王国が滅亡し沖縄県とされたのは、1879年である。日本で沖縄文化研究の本格的な気運をつくったのは民俗学の創始者の柳田国男だった。柳田は南島こそ日本文化の源流と見ていたのだ。柳田の『海南小記』に刺激されて、折口信夫も沖縄を訪ね、『琉球の宗教』を書く。他方、民芸運動の主唱者柳宗悦は、沖縄における「民衆芸術」の営みを愛でた。
本書は、柳田、折口、柳をはじめとする沖縄文化論の草分けの論考が詳細な注記とともに読みやすい形で提供されている。返還50周年を機に、沖縄の文化を見つめ直すのに格好な本である。
柳田「日を経て南の風の吹く頃には、遙かなる常夏の