作品一覧
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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ロシア文学のイメージは、なんだか暗そうで苦しそうと自分勝手に思っていた。そして、その勝手なイメージから、ロシア文学を避けていたのだが、この本を読んで全く違っていたことがわかった。
ここではドストエフスキーが4年間シベリア流刑での体験をもとに、監獄での暮らしや人々の様子などが描かれている。
日々の様子をつづったものや人物に焦点を当てたもの、イベント的に起きたことなどについて正確に緻密に描かれている。監獄という特殊性から興味が湧く部分もあるが、多くは普通の人物がどのように生活しているかを見るのと変わらないのかもしれない。
表現が非常にリアリスティックで、それでいて愛情に満ちた文だった。人間観察が緻 -
Posted by ブクログ
ネタバレ何だこれは。登場人物もストーリーも粗野で荒々しい限りなのに、途轍もない力で小説世界に引き込まれる。名著の筆頭に挙げられるのも納得の圧倒的作品。
1860年代半ば、夏のロシアの帝都ペテルブルグ。学費滞納のため大学を辞めた貧乏青年ラスコーリニコフは、それでも自分は一般人とは異なる「選ばれた非凡人」との意識を持っていた。その立場なら「新たな世の中の成長」のため、一般人の道徳に反してもいいとの考えから、悪名高い高利貸しの老婆アリョーナ・イワーノヴナを殺害する。しかし、その最中にアリョーナの義妹リザヴェータも入ってきたので、勢いでこの義妹も殺してしまう。この日から彼は、罪の意識、幻覚、自白の衝動などに