内山節の作品一覧
「内山節」の「内山節著作集」「内山節と語る未来社会のデザイン」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「内山節」の「内山節著作集」「内山節と語る未来社会のデザイン」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
弱冠26歳で、すでに内山節は内山節であったということを、鮮烈に印象づけるデビュー作。
資本主義というシステムを労働者の外なる経済構造としてその論理と法則を解明したマルクスの資本論に依拠しながら、主体としての労働者を核に資本主義システムとは何なのかを明らかにしようとする試み。
そのために内山が着目するのは、本来の労働とは労働者の労働能力にもとづく行為であるのに対して、資本主義的生産様式のもとでは、生産とは労働力「商品」を使っての資本の生産過程であるということ、そこに労働と生産の分離−二重化という資本主義の特殊性が生じるということである。
自分の労働が自分の労働ではないかのような「労働力」を通して
Posted by ブクログ
かつての日本にありふれていたキツネにだまされるという話が1965年頃を境に発生しなくなったということに著者は着目する。そこから1965年の革命とは何だったかを論じる。
なぜ人はこの頃からキツネにだまされなくなったのか。
様々な人々からの聞き書きの体裁をとりながら著者は6つプラス2つの仮説を提示する。
まず、人間の方が変わったとする仮説群。
①高度成長期に経済的な価値があらゆるものに優先するという方向に人間が変わった。
②科学、技術が尊ばれるようになり、人間が科学では捉えられない世界をつかむことができなくなった。
③情報、コミュニケーションのあり方が変わり、伝統的なコミュニケーションが衰退した。
Posted by ブクログ
内山は、人間が人間になった本質的な契機を労働であるとする。ここで労働とは広い意味で用いられており、人間の自然への働きかけの全体を意味する。
動物と異なり人間は、自然を改変し、また自然によって変容していく。
したがって自然と人間との交通のあり方が変われば、自然が変わり、人間も変わる。
近代以降、貨幣経済が人間社会を席巻することで、自然と人間との交通が根本的に変わってしまった、と内山は言う。
労働の観点からは、使用価値を作る労働から、交換価値(商品)を作る労働へ。
その時何が起きるか。
自然と人間とが截然と分かたれずに、人間が自然に主体的に関わる世界から、人間も自然も生産システムの手段に成り下がる