作品一覧

  • オスマンvs.ヨーロッパ 〈トルコの脅威〉とは何だったのか
    3.7
    1巻1,155円 (税込)
    オスマン帝国を通して読むと、世界史が違うすがたを見せ始める―― ヨーロッパが「トルコの脅威」と力説するオスマン帝国は、決して「トルコ人の国家」だったわけではない。「イスラムの脅威」に対し十字軍が何度も組織されたが、オスマン帝国にはキリスト教徒もたくさんいた。宗教的寛容性と強力な中央集権体制をもち世界帝国を目指す先進国へのおそれ、その関わりこそが、「ヨーロッパ」をつくり、近代化を促したのだ。数百年にわたる多宗教・多言語・多文化の共生の地が、民族・宗教紛争の舞台になるまで。 【目次】 プロローグ 「トルコ行進曲」の起源 第一章 オスマン帝国の起源     1 ユーラシア草原を西へ――トルコ系遊牧民の西漸     2 トルコ族のイスラム化とアナトリアのトルコ化     3 モンゴルの征西とオスマン朝の誕生 第二章 ヨーロッパが震えた日々――オスマン帝国の発展     1 オスマン朝の興隆――ムラト一世とバャズィト一世の時代     2 世界帝国への道――メフメット二世とコンスタンティノープル征服     3 ヨーロッパにとっての東方 第三章 近代ヨーロッパの形成とオスマン帝国     1 普遍帝国オスマン――「壮麗者」スレイマン一世とウィーン包囲     2 オスマン対ハプスブルク     3 近代ヨーロッパの成立とオスマン帝国 第四章 逆転――ヨーロッパの拡張とオスマン帝国     1 最初の暗雲――スレイマン一世の死     2 変化の兆し――一六世紀後半のヨーロッパ     3 変容する帝国――スレイマン一世移行のオスマン帝国     4 退潮の時代――第二次ウィーン包囲失敗     5 枠組みの転換――オスマン優位の終焉 エピローグ 「トルコ軍楽」の変容
  • イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘
    4.5
    1巻1,595円 (税込)
    「世俗化」=「近代化」、「イスラム」=「反動」では、ない。「共和国トルコの父」ケマル・アタテュルクによって否定されたはずのイスラムは、なぜその後も長く生き残ったのか。幾重にも複雑に絡まった糸を解きほぐし、イスラム世界における近代化の問題を「脱イスラム」のフロントランナー、トルコ共和国の歩みから読み解く。(講談社選書メチエ)
  • オスマンvs.ヨーロッパ 〈トルコの脅威〉とは何だったのか

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    【オスマン帝国においてイスラムは、現場に応じて対応する現実的性格を示してきたが、それはさらなる自己変革を遂げる前に「西洋の衝撃」を受け、しだいに防衛のための(あるいは抵抗のための)拠り所と化してゆくのである】(文中より引用)

    オスマン帝国とヨーロッパの関わりを地域交流史として描き出す一冊。ヨーロッパにおいてトルコが今日においても特別な位置を占めている理由の一端が読み取れる作品でした。「トルコ行進曲」にまつわるトリビアについても興味深かったです。意味する著者は、トルコ歴史協会名誉会員を務める新井政美。

    「イスタンブール」の名前の由来って意外なところにあるんだなと☆5つ

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    2021年04月15日
  • イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘

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    【間を通るか,橋をかけるか】題名が示すとおり,イスラムと近代化という重要な課題を,トルコ共和国の例を通して眺める作品。近代という位相を通り抜けるにおいて,トルコの人々がいかに格闘してきたかを簡潔にまとめています。著者は,東京外国語大学でトルコ近代史を専攻する新井政美ほか2名。


    オスマン帝国の崩壊から現在にかけてのトルコの歴史が,まさに「怒涛」とも言えるものですので,その歴史を概観するだけでも興味深いのですが,そこに更にイスラムとの関係性という縦軸を引くことにより深みを与えることに成功した作品。イスラムと近代化という課題が,(トルコだけでなく複数のイスラム諸国で)現在進行形であることもよくわ

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    2018年08月01日
  • イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘

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    p.244,L.27~ムスリムが圧倒的多数を占める国でありながら、そこを統治するものがイスラムを排除しようとするという稀有の経験をしたのが、トルコ共和国なのである。

    著者がおっしゃっていた通り、西洋の科学って真にかぶれやすいという厄介なものなのですね。

    イスラムの考え方には共感する。
    神は「存在するもの」としてではなく、信じようとすること、生活様式としてしか表せない。

    科学、技術は素晴らしい。世の中を分類し何とか人間が制御しやすいようにしようと努めてきた積み重ねだもの。

    自然を敬い、おそれ何とかそれと付き合おうとするとき「神」というものが生まれる。
    そこまではいいんだけど、その「神」を

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    2013年05月02日
  • イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘

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    トルコの近現代政治史です。ケマルの大胆な改革による世俗主義とイスラム主義との100年にわたるせめぎ合いが描かれています。日本も含めて、近代社会、近代国家の歴史と今後を考えるために、多いに考えさせられる本です。

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    2018年12月23日
  • イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘

    Posted by ブクログ

    宗教と政治。そのどちらもがナショナリズム=自分たちとは何かというアイデンティティの主導権争いの舞台であり、道具であることをトルコを通して詳述。

    トルコのデモが今、メディアを通して報道されているが、その主導権争いはまだまだ続いている。

    それにしても、イスラムについても、トルコについても知らないことが多すぎる。

    最後に、多元主義の実現はなぜ難しいのだろうか。本書では明示されていないが、大衆が重要なファクターではないかと私は思う。

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    2013年06月21日

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