作品一覧
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
いいですねー!読み応え十分、SFならではのエレガントな短編集です。
地球人類以外の宇宙生物・宇宙生命をメインテーマに据えた日本オリジナルの短編集。雑誌掲載後に単行本されなかった幻の作品を敢えて取り上げるとの方針の下、なかなかお目にかかれない珍品が粒ぞろい。
いずれも1960~70年代のかなり古い作品ばかりです。が、21世紀の今読んでも、ほとんど古びていない確固たる世界観と生態系の構築。鴨の個人的な感触ですが、SFの本質とは「変容を描く文学」だと思っています。凡百の地球人類には想像もできないような、異質で、でもその存在を否定することはできないような世界の構築。そうした題材を描き出すキャンバスと -
Posted by ブクログ
中村融編「宇宙生命SF傑作選」は、以下6篇収録。
・リチャード・マッケナ「狩人よ、故郷に帰れ」
・ジェイムズ・H・シュミッツ「おじいちゃん」
・ポール・アンダースン「キリエ」
・ロバート・F・ヤング「妖精の棲む樹」
・ジャック・ヴァンス「海への贈り物」
・A・E・ヴァン・ヴォークト「黒い破壊者」
宇宙生命を取り扱う作品ときくと、どうしても映画「エイリアン」のように、宇宙に進出した人類とグロテスクな容姿をした生命体との手に汗握る攻防…という作品が連想されます。しかし、本書でそのような作品はヴォークトの「黒い破壊者」のみ。それ以外は、編者があとがきで言及するように生態学(エコロジー)に焦点をあて