作品一覧

  • 日本語で書くということ
    3.0
    1巻770円 (税込)
    〈書く〉ことは〈読む〉ことからしか生まれない。小説には収まりきらない世界がここにある。水村作品を紐解くエッセイ&評論集、待望の文庫化。小説をこよなく愛した少女は、10代でアメリカへ移住、異国の地で大学院に進み文学に勤しむことになる。その生活は、おのずとグローバル(=英語)な世界で“日本語”を外から見るという経験となり、のちの作家活動へ多大な影響をもたらすこととなった。本書は、文筆活動最初期の文章から漱石や谷崎に関する文学論他、著者だからこそ描くことのできる日本の文字文化に対するエッセイ&批評文集。
  • 日本語で読むということ
    3.0
    1巻770円 (税込)
    『日本語が亡びるとき』はなぜ書かれることになったのか? そんな関心と興味におのずから応える1990年代から2000年代の間に書きつづられたエッセイ&批評文集。文庫版あとがきを加えて待望の文庫化。12歳でのニューヨークへの移住、パリでの留学生活、子供時代からの読書体験、加藤周一や辻邦生ら先達への想い――。英語ばかりの世界で過ごした著者にとって“日本語”で“読む”とはどんなことなのか。
  • 増補 日本語が亡びるとき ──英語の世紀の中で
    4.0
    1巻825円 (税込)
    日本語は、明治以来の「西洋の衝撃」を通して、豊かな近代文学を生み出してきた。いま、その日本語が大きな岐路に立っている。グローバル化の進展とともに、ますます大きな存在となった“普遍語=英語”の問題を避けて、これからの時代を理解することはできない。われわれ現代人にとって言語とはなにか。日本語はどこへいくのか。第8回小林秀雄賞受賞の意欲作が、大幅増補で待望の文庫化。
  • 続 明暗
    4.4
    1巻880円 (税込)
    漱石の死とともに未完に終わった『明暗』──津田が、新妻のお延をいつわり、かつての恋人清子に会おうと温泉へと旅立った所で絶筆となった。東京に残されたお延、温泉場で再会した津田と清子はいったいどうなるのか。日本近代文学の最高峰が、今ここに完結を迎える。漱石の文体そのままで綴られて話題をよび、すでに古典となった作品。芸術選奨新人賞受賞。
  • 英語一強時代、日本語は生き残るか
    -
    1巻305円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 水村美苗氏(作家)インタビュー「言語の植民地化に日本ほど無自覚な国はない」、会田弘継青山学院大学教授・宇野重規東京大学教授による対談「“ポスト真実”時代の言語と政治」、三上喜貴長岡技術科学大学教授による「データが示す世界の中の日本語」、情報通信研究機構(NICT)フェローの隅田英一郎氏とサイエンスライター内田麻理香氏による対談「-自動翻訳が拓く未来-英語を勉強しなくてもいい時代がやってくる?」、ロバートキャンベル氏(国文学研究資料館長)による「日本語を学習するとどんなメリットがあるのか」など、さまざまな角度から日本語の未来を考察。また、ハロルド・メイ氏(タカラトミー社長)、楊逸氏(作家)、ボビー・オロゴン氏(タレント)、春香クリスティーン氏(タレント)によるコラム「複眼で視る日本語」も掲載。
  • 母の遺産 新聞小説(上)
    4.0
    1~2巻770円 (税込)
    八十歳を過ぎた母が骨折をして病院に運び込まれたその日、美津紀は夫・哲夫の引き出しから花柄のティッシュ入れを見つける。施設に入った母に時間を奪われ続け、美津紀は思う。「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?」親の介護、夫の浮気、忍び寄る更年期、老後資金の計算……実体験を交えて赤裸々に描き大きな話題を呼んだ、大佛次郎賞受賞作。
  • 増補 日本語が亡びるとき ──英語の世紀の中で

    Posted by ブクログ

    久しぶりに痺れる本に出会った。
    著者の水村美苗は学者であり作家である。名門イェール大学・大学院でフランス文学を専攻し、アメリカの大学で日本近代文学を教えながら日本語で小説を書いた。本書の発刊は2008年。5年をかけて書き上げたことからも著者の情熱が伝わってくる。
    書き出しは著者の体験が小説のように綴られる。もうすでにこの文体が心地よい。しかし、そこからは緻密な調査と考察が積み重ねられ、一つの結論に向かっていく。それは「日本語は亡びうる」という結論である。
    島国日本では連綿と日本語が使われてきた。それは時代に応じて変化はすれど、なくなるとは想像していない。しかし、日本語はなくなる可能性がある。

    0
    2023年09月24日
  • 続 明暗

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「一体何処から遣り直しがきかなくなってしまったのだろう」

    単行本が出版されてすぐに読んだ記憶があるので、1990年以来の再読となる。
    黒船的な登場は衝撃だった。
    明暗の続きをそのまま読みたいという願いが叶ってしまった。

    文庫の裏にもあるが、この作品自体がすでに古典。
    奇跡の一冊。

    個人的に集中して漱石全小説を再読した後に読むと、感無量としか言いようがない。

    0
    2020年06月27日
  • 続 明暗

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の本歌取りであるが、新人作家がそれにチャレンジした勇気と、その勇気に匹敵する内容の面白さに感服し喝采。
     登場人物のキャラで小林がずいぶん常識人になってしまったのと、妻お延がなんでかうつ性格になってしまったのは、ちょっとしたキズにもみえるけれども、それまでほとんど登場してなかったもと彼女の清子、温泉で親しくなった安永と貞子の性格創作は見事だった。津田と妹お秀と吉川夫人の性格描写はきちんと承継していたし、ストーリー自身が夏目漱石のそれよりも昼ドラみたいで抜群に面白くなってたわ。
     太宰治のグッドバイとか、山﨑豊子の約束の海とか途中で絶筆になってる小説を思い切って本歌取りするブームが到来し

    0
    2019年06月04日
  • 増補 日本語が亡びるとき ──英語の世紀の中で

    Posted by ブクログ

    言語、普遍語、現地語、国語の歴史・国ごとの違いそして日本が今後どうやって英語と日本語の共存を考えていくかまとめた一冊。

    英語との併用は大いに考えるところ。
    二か国語の取得は難しいと言われているけれども、それを再確認させてくれる。
    その中での国語の重要性そして英語に関してはバイリンガルは特定の人でいいという提案。

    面白かったです

    0
    2018年12月16日
  • 続 明暗

    Posted by ブクログ

    芸術選奨新人賞受賞。
    「明暗」は絶筆で未完成ですが、水村 美苗さんが「続 明暗 (ちくま文庫) 」で完結させてくれています。私的には納得のいく結末でした。良い着地点と思いました。お薦め。

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    2021年02月13日

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