作品一覧
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
すごかった。
とにかくオモシロかったけど、なにがなんだけ全然わからない。
いや、分かるんだけど、納得はいかない。
でもとにかく、おもしれえ。
若い男女がいて、プラトニックに愛し合っていて、
両思いなんだけど、なぜだか女の方が現実的にいろいろな意味で愛を受け入れない。
「それだめなの。許されない」
みたいな。それがなんでだか、主人公の男も分からないけど、こっちも皆目分からない。
分からないんだけど、「それがなぜか」という方向ではなくて、
「で、ふたりはどうなっていくか」ということのみに爆走していく物語。
雑に楽しんで読んでいく分には、そのあたりが「狭き門」なのか、
実は愚者たる自分には明確に -
Posted by ブクログ
ネタバレフランスのノーベル賞作家アンドレ・ジッドによる小説。愛と信仰の相剋を描く、美しく悲痛なラブストーリー。
愛も信仰も純粋すぎて、混ざり合うことができなかったというべきか。神に至る道は狭き門ゆえに二人では入れないということか。相思相愛なのに結ばれないもどかしさ。身を引いていくアリサの心情がつかめず、最後の日記まで、見えない真相にやきもきする。美しく終わったようにも見えるアリサの人生と信仰をどうとらえるか。アリサが求めた至高の愛とジュリエットがつかんだ現実的な幸福、どちらが正しいのか。。独身を貫くジェロームの姿は美しくも悲痛だ。非常に後を引く、心に残り、かつ考えさせられる名作。 -
Posted by ブクログ
愛と信仰の間で激しく葛藤する悲劇の物語。
ヒロイン、アリサのジェロームへの愛の深さ故に距離を置くに至る心理は、自分が身を引くほうがジェロームの為になるという考えからだが、かなり曖昧な理由であり、やはり本質は信仰心ゆえの、あえて困難な道「狭き門」を選ぶことがその理由と思われる。それにしても死の床にあったアリサがジェロームに読まれることを承知で手記を残すことはジェロームを深く後悔させることになると考えるのが普通であり、そこはやはり自分のの愛の深さをジェロームにどうしても伝えたい欲求からくるものか。そう考えると愛故に身を引く慎ましさよりも自身の信仰心を貫くヒロインの身勝手さが周りを巻き込む悲劇に発展