作品一覧

  • 基礎からわかる 論文の書き方
    4.6
    1巻1,265円 (税込)
    学問の「型」を理解すれば、勉強はもっと楽しくなる。 社会人にも役立つ、大学の双方向授業をもとにした「論文入門」の決定版! 「この型式に沿って書かないと、評価されません。」 学生の興味・関心を的確に導く。 圧倒的な筆力を持つ社会学者・小熊英二による論文作法。 「人間は不完全だから進歩するし、努力する。 そして、人間が一人でやれることには限界がある。 だから書いて、公表し、他人と対話する。 そのように、私は考えています。」(本文より) ◆アリストテレス『弁論術』に学ぶ説得の技法 ◆「結論を先に言え」は古代からあった ◆人文・社会科学はなぜ「科学」なのか ◆「霊魂」「意志」「社会」という不確かな前提 ◆「主題」と「対象」を混同しない ◆画期的な研究を行うためのヒント ◆論文における「よい文章」とは? ◆方法論は「料理のレシピ」 ◆「パラグラフ・ライティング」のコツ ……ほか 【本書の構成】 はじめに 第1章 論文とは何か 第2章 論文と科学 第3章 主題と対象 第4章 はじめての調べ方 第5章 方法論(調査設計) 第6章 先行研究と学問体系(ディシプリン) 第7章 方法(メソッド) 第8章 研究計画書とプレゼンテーション 第9章 構成と文章 第10章 注記と要約 第11章 校正と仕上げ おわりに
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    3.8
    あいちトリエンナーレ2019、日本学術会議 会員任命拒否、検察官定年延長、加計学園問題……今、起きている出来事の本質を見抜くための論考集。 「百人組手で知性を鍛え、不当性に抗う訓練になる一冊」――荻上チキ(評論家) あらゆる「自由」が失われつつある中で、研究者・作家・芸術家・記者などが理不尽な権力の介入に対して異議申し立てを行う。少しでも声を上げやすい世の中になるようにと願って26名の論者が集い、「自由」について根源的に掘り下げる。 批判的思考を養うための書! 【本文より】 表現の範囲がどんどん狭まっている――ヤマザキマリ 批判精神に欠けた学者に囲まれた政府は、端的にいって災厄――藤原辰史 アーティストやタレントが政治的な発言をするたびに、猛バッシングを受けますが、彼らも市民の一人です。政治的発言をしてはならない理由がわかりません――上野千鶴子 私たち日本人は「自由は取扱いの難しいものだ」という実感に乏しいように思われる――内田樹
  • 平成史【完全版】
    4.7
    1巻3,300円 (税込)
    私たちはどんな時代を生きているのか。天皇退位・改元を機に、さらなる増補改訂をほどこした決定版。執筆:小熊英二、井手英策、貴戸理恵、菅原琢、中澤秀雄、仁平典宏、濱野智史、ハン・トンヒョン。
  • 地域をまわって考えたこと
    4.0
    地域とは何か。小熊英二が、さまざまな課題を抱えた日本の「地域」を訪ね、近代日本における地域の歴史的あり方と、これからの方向性を探り、持続可能な「地域」を考える。

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  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学
    4.6
    1巻1,375円 (税込)
    いま、日本社会は停滞の渦中にある。その原因のひとつが「労働環境の硬直化・悪化」だ。長時間労働のわりに生産性が低く、人材の流動性も低く、正社員と非正規労働者のあいだの賃金格差は拡大している。 こうした背景を受け「働き方改革」が唱えられ始めるも、日本社会が歴史的に作り上げてきた「慣習(しくみ)」が私たちを呪縛する。 新卒一括採用、定期人事異動、定年制などの特徴を持つ「社会のしくみ」=「日本型雇用」は、なぜ誕生し、いかなる経緯で他の先進国とは異なる独自のシステムとして社会に根付いたのか? 本書では、日本の雇用、教育、社会保障、政治、アイデンティティ、ライフスタイルまで規定している「社会のしくみ」を、データと歴史を駆使して解明する。【本書の構成】第1章 日本社会の「3つの生き方」第2章 日本の働き方、世界の働き方第3章 歴史のはたらき第4章 「日本型雇用」の起源第5章 慣行の形成第6章 民主化と「社員の平等」第7章 高度成長と「職能資格」第8章 「一億総中流」から「新たな二重構造」へ終章 「社会のしくみ」と「正義」のありか
  • 社会を変えるには
    4.0
    〈私はしばしば、「デモをやって何か変わるんですか?」と聞かれました。「デモより投票をしたほうがいいんじゃないですか」「政党を組織しないと力にならないんじゃないですか」「ただの自己満足じゃないですか」と言われたりしたこともあります。しかし、そもそも社会を変えるというのはどういうことでしょうか。〉(「はじめに」より) いま日本でおきていることは、どういうことか? 社会を変えるというのは、どういうことなのか? 歴史的、社会構造的、思想的に考え、社会運動の新しい可能性を探る大型の論考です。
  • 私たちの国で起きていること 朝日新聞時評集
    4.0
    1巻999円 (税込)
    移民と自衛隊、社会の分断、沖縄と本土──。デモに出かけ、被災地に出かけ、隣近所に住む主婦とも日常会話する「行動する社会学者」の物の見方・思考法がわかる。朝日新聞論壇時評(2016年4月~19年3月)、夕刊連載「思想の地層」(2014年4月~16年3月)をまとめて一冊に。
  • 私たちはどこへ行こうとしているのか 小熊英二時評集
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    【概要】東日本大震災により社会変化が顕在化した。「私たちのこれから」をめぐり、各地で次の時代に向けた新たな試みがいくつもはじまっている。鈍さが目立つ政治に対しては、デモが全国でおこり、国会周辺で人々が声を上げる姿は日常となった。過疎化と人口減、経済閉塞、ポピュリズム、東京五輪、改憲、マンガ産業などを包括的な時代把握、冷徹な視線で読みとく。2011年から15年までの寄稿、講演などから抜粋した小熊英二時評集。『私たちはいまどこにいるのか』(2011年 毎日新聞社)に続く待望の第2弾。【抜粋】「たった一人でも、『この意見はわれわれを代表している』と思われれば、社会が動くこともあるのです。」「保守派で再軍備しようと言っていた人たちの論調を見ると、じつはほとんど侵略の可能性の危機感を持っていない」「誰もが身近で決定に直接参加できるためには、決定権と財源のある単位を数千人とか数万人レベルに小さくする方がいい」「中高年の政治家やマスコミの男性が、変化に追いついていない。恐らく東京は、ここ20年の世界の中で、最も変化してない都市だ」「今後、自民党政権がまた50年続くと思う人はいない」「家族もお金も、自由も出世も、戦争になったら全部崩れてしまった。平和が全ての前提だ。それが社会的合意だった時期があった」【目次】〈1章〉凡庸でナンセンスな領土問題東京五輪 いくつかの懸念外国語不要 国内依存の日米経済経済成長で強まる伝統若者のモラルに甘える企業上に優しく下に厳しい社会保障デモは「日本のあり方」全体への抗議デモは日本社会に定着総選挙最終日の秋葉原で「日本を、取り戻す。」それでも社会は変わる 直接参加の回路を選挙で社会は変わりますか?「社会が変わる」とはどういうことか「ポピュリズム」批判は意味がない「橋下徹」はグーグルである「よくない民主主義」?「現実的な」な戦後70年談話のあり方利益誘導は機能不全 沖縄の基地は削減可能 構造的変化をふまえた外交を「いちばん大切なもの」に共通した答え安全保障法制を腑分けする 国民的議論させなかったツケ変わる社会、変われない政治あなたの頭の中以外、社会は変わっています
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集
    4.4
    1巻1,980円 (税込)
    近代150年、戦後70年、冷戦後20年 政治の流動化、経済の低迷、変容する家族、ナショナリズムの台頭、若者の生きづらさ、沖縄の重荷、歴史認識、憲法改正など、バブル崩壊以後に現れた現代日本の諸問題を語る、一九九七年から二〇一一年までの時評と講演を集めた一冊。鋭敏な時代認識、原理的な思考、社会科学的な歴史観をもって語られる、小熊史学のエッセンス。
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後
    4.4
    戦争とは、平和とは、戦後日本とは、いったい何だったのか。戦争体験は人々をどのように変えたのか。徴兵、過酷な収容所生活、経済成長と生活苦、平和運動への目覚め……とある一人のシベリア抑留者がたどった人生の軌跡が、それを浮き彫りにする。著者が自らの父・謙二の語りから描き出した、日本の20世紀。

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  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    著者の父親を題材として、オーラルヒストリーの手法をとって戦前、戦後の日本の歴史を知識層ではない層から見たものとして記述。
    中国派兵、シベリヤ抑留の後に日本に帰国して結核で片肺を失いながらも運と時勢をつかんでき、戦争時の体験をベースに元日本植民地の徴兵後の保証に関する社会運動に晩年は携わる。時代にほんろうされつつも生きる逞しさおよび世の中の流れを社会学者としてわかりやすく背景描写を重ねている一級の資料。

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    2024年05月23日
  • 基礎からわかる 論文の書き方

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    論文の書き方のみならず、その歴史的変遷や存在意義も含めて広く議論していてとても面白い。ジャーナリストの書く記事は、良し悪しはともかく出典が明記されておらず(インタビュイーの個人情報保護などのため)、読者が追試可能なようにはそもそも書かれていないことを理解する必要がある。ここを理解していないと、ジャーナリズムに対して引用が無いとか根拠が無いみたいな無意味な突っ込みどころに気を取られてしまう。相対して、論文は追検証可能性が大事ということになる。
    論文の章構成としてはほぼ思考停止で、アブスト・イントロ・方法論・結果と考察・結論という風に認識していたが、それはそもそもIMRAD形式と名前が付いていて、

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    2024年02月29日
  • 基礎からわかる 論文の書き方

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    まだ小熊本と下記で出てくる上野本は途中までしか読めていないが、両方ともためになるしおもしろい。

    ちくまから出た上野本と一緒に読み進めると、小熊本はどちらかというと論文の大まかな型を述べているのに対し、上野本はより実践的な研究の進め方を書いている印象。

    どちらも書いてあることは重複する部分が多いけど、受け取る情報は違うと思う。そして両方とも違った良さがある。

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    2024年02月26日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    古本屋で何気なく手にして読み始めた。
    小熊英二が社会学の英知を傾けて描いた父親の『自分史』である。社会状況や経験した事実を丹念に聴き取り丁寧に書いている、視点や文調が独特で新鮮だ。
    戦争に明け暮れた昭和の混乱期、逆境を這いながら地道に生きた父親の人生を口承で辿った一人息子の計らいに共感を持って読むことができた。
    小熊謙二の自分史であると同時に、日本が太平洋戦争に向かう時期から、敗戦、戦後の高度成長へ、そして現在までの推移を、一国民の目を通して語り表現した『社会史』でもある。
    彼は敗色濃い満州に徴兵され、敗戦になり捕虜でシベリアに抑留され、帰国して結核で隔離病棟生活を経てスポーツ用品店の経営者と

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    2024年02月09日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    戦前・戦中・戦後を生きた一人の国民の人生を、それぞれの時代の社会背景を交えながら綴った歴史書であると言える。

    記述の対象は、小熊英二先生の父親である小熊謙二氏。
    先の戦争に学徒兵として徴兵され、満州にて終戦を迎える。その後、ソ連軍の捕虜となってシベリアに3年間抑留された。
    帰国後もなかなか安定した生活基盤を築くことができず、「死の病」と言われた結核にかかるなど、不運は続く。
    サナトリウムからの退所後、職を転々とする中でスポーツ用品の販売会社に就職し、サラリーマン生活を送る。
    結婚し子をもうけ、「一億総中流」の日本社会の一員として戦後日本を生きることになる。

    こう要約してみるとなかなか分かり

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    2024年01月31日

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