作品一覧

  • 増補 決闘裁判 ――ヨーロッパ法精神の原風景
    NEW
    5.0
    1巻1,430円 (税込)
    生命を賭して一対一で戦い、その結果にしたがって紛争を決着した「決闘裁判」。中世ヨーロッパに広く普及したこの裁判は、どのように行われ、いかにして終焉を迎えたのか。決闘裁判は、熱湯神判、冷水神判といった神判が禁止された以後も、1819年にイギリスで廃止されるまで存続した。それはなぜか。著者は、解決を他者に任せない自力救済の要素に、現代にまで通じる「当事者主義」の法精神をみる。法とは何か、権利や自由、名誉や正義とはどんなものかといった深い問いを投げかける法制史の名著に、「法と身体のパフォーマンス」を増補した決定版。
  • 増補 十字軍の思想
    -
    聖地エルサレムを異教徒たちから奪還すべく、中世ヨーロッパで構想された「十字軍」。それは神の名において行なわれる聖なる戦争であり、参加者に救済をもたらすとして、無数の人々を戦いに熱狂させ、ムスリムの大量虐殺をひきおこした。制度としての十字軍は16世紀末に終わりを迎えるが、9.11以降、現代まで続く一連のテロ事件と、それに対する欧米社会の反応は、「十字軍」が決して過去の歴史ではないことを明らかにしている。なぜ「聖戦」は繰り返すのか? 対立の根源にあるものとは? 十字軍の思想1700年の歴史を辿り、いまなお世界を脅かす確執の構造を解き明かす。
  • 北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大
    4.3
    1巻1,265円 (税込)
    【サントリー学芸賞受賞作 1998年度 思想・歴史部門】 11世紀、聖地エルサレムの奪還をはかった十字軍。そして中世、ヨーロッパ北方をめざす、もう一つの十字軍があった。教皇の名のもと、異教徒を根絶すべく残虐のかぎりを尽くすドイツ騎士修道会を正当化した思想とは何か? ゲルマンとスラブの相克から大航海時代までも展望し、ヨーロッパ拡大の理念とその矛盾を抉り出す。(講談社学術文庫)
  • 増補 決闘裁判 ――ヨーロッパ法精神の原風景

    Posted by ブクログ

    ヨーロッパで紛争解決手段として行われていた決闘裁判についてその起源から終焉まで法制史の専門家でない読者にも理解できるように記述している。ヨーロッパでは初期キリスト教と古代ゲルマン人の心情が混沌としていた中世末期に神に審判を委ねる神判として行われた決闘裁判が他の神判と同様に世俗権力が強化されるにつれて廃れていった。しかしアメリカでは、イギリスからの移民が伝えた中世の末期の心性が残っており、アメリカの民主主義や個人主義は中世からストレートに伝わっていると言えるという。アメリカが決闘裁判の思想的背景である自力救済に基づく裁判の当事者主義を採用しているとの指摘には驚いた。日本の実体的真実主義とアメリカ

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    2024年04月07日
  • 北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大

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    北の十字軍
    「ヨーロッパ」の北方拡大
    著:山内 進
    紙版
    講談社学術文庫

    良書、そして、驚異の書、そして、ヨーロッパへ見方が変わった警告の書である

    ドイツとロシア、そして、ポーランドとの歴史的な確執、その根底は「北の十字軍」だ
    北の十字軍とは、ドイツ騎士団をはじめとする、強大な軍事力による、イエス・キリストへの名のもとでの、非カトリック民族への殺戮と簒奪である
    ロシア・東ヨーロッパ世界は、東からのモンゴル軍の脅威に加えて、西から、北の十字軍の脅威に対抗しなければならなかった

    北の十字軍の特徴とは
    ①ドイツ騎士団を中心としたカトリック勢力を中心とした、バルト3国、ポーランド、ロシア地域によ

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    2023年12月09日
  • 北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大

    Posted by ブクログ

    高校世界史ではいまいちマイナーな東欧世界の中世に関して入門するには調度良い一冊です。

    ヨーロッパ拡大とキリスト教がなぜ不可分なのか。その根本的な理論の部分から説明し、その理論を軸にフランク王国の拡大から大航海時代までを説明して見せます。その理論こそ「入るように強制せよ」。すべての異教徒を改宗させるための装置という性格をフランク王国や騎士団国家から見出し、鮮やかに中世東欧の世界を描き出していきます。

    またポーランド=リトアニア連合王国についてもその成立が触れられている点が嬉しかった。中世東欧の強国という割には、今まであまり知ることができなかったので。

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    2012年09月22日
  • 北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大

    Posted by ブクログ

    日本人にとって(少なくとも私にとって)なじみの薄い、北方ヨーロッパに派遣された十字軍に関する第一級の資料として、でも堅苦しくなく接することの出来る良書。

    東方十字軍は、エルサレムへの巡礼を保護することが目的であり、西方への十字軍は「レコンキスタ」として知られるとおりイスラム教徒からのヨーロッパの奪還であったのに対して、北方十字軍はローマ・カトリックを中心とするヨーロッパの「辺境」一帯における領土拡張を純粋な目的としていたことが本書で明らかにされる。

    本書のスタンスはあくまでも事実を丁寧に積み重ねることであり、単純にローマ・カトリックが悪だとか異教の民の野蛮さを告発するものではない。双方それ

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    2012年05月08日
  • 北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大

    Posted by ブクログ

    少し難しいテーマを負っているのだが、ドイツ北東部、バルト3国、ロシアを舞台にした、中世の壮大な戦記物語のようで、非常に楽しい作品に仕上がっていると思う。そんな「中世の壮大な戦記物語」に触れながらも、「正義が力」なのか「力が正義」なのか、人間が永い間考え続け、また戦いを繰り返してきたという歴史に想いを巡らせることも出来る。お勧めの一冊だ!!

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    2012年04月29日

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