作品一覧

  • キャクストン私設図書館
    3.8
    読書好きのバージャー氏が発見した〈キャクストン私設図書館&書物保管庫〉。初版本と手稿本を所蔵するその古びた図書館には、人々に広く知れ渡ったがゆえに“実体化”した物語の登場人物が住んでいた。アンナ・カレーニナ、オリヴァー・ツイスト、ハムレットなどが暮らす図書館の秘密を知ったバージャー氏が起こした、とんでもない事件とは……。アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞とアンソニー賞を受賞した表題作。異世界冒険譚『失われたものたちの本』のスピンオフ。触れた者に次々と怪奇現象が起きる奇書をめぐる中編。〈キャクストン私設図書館〉で“もっとも不可思議なできごとのひとつ”と言われる、かの名探偵シャーロック・ホームズにまつわる逸話を描く短編の、全4作を収録。非日常の世界に没頭する楽しみをじっくり味わえる、本や物語をテーマにした作品集!/【目次】キャクストン私設図書館/虚ろな王(『失われたものたちの本』の世界から)/裂かれた地図書──五つの断片 1 国王たちが抱いた不安と恐怖の話 2 ジン 3 泥 4 異世界の彷徨い人 5 そして我々は暗闇に住まう/ホームズの活躍:キャクストン私設図書館での出来事/訳者あとがき
  • 失われたものたちの本
    4.2
    第二次世界大戦下のイギリス。本を愛する12歳のデイヴィッドは、母親を病気で亡くしてしまう。孤独に苛まれた彼はいつしか本の囁きを聞くようになったり、不思議な王国の幻を見たりしはじめる。ある日、死んだはずの母の声に導かれて、その王国に迷い込んでしまう。狼に恋した赤ずきんが産んだ人狼、醜い白雪姫、子どもをさらうねじくれ男……。そこはおとぎ話の登場人物や神話の怪物たちが蠢く、美しくも残酷な物語の世界だった。デイヴィッドは元の世界に戻るため、『失われたものたちの本』を探す旅に出るが……。本にまつわる異世界冒険譚!/【収録作】失われたものたちの本/シンデレラ(Aバージョン)
  • 失われたものたちの本

    Posted by ブクログ

    描写はグロテスクでしたが、物語の展開はさくさく進んでとても読みやすかったです。大人の事情により悩む主人公の揺れる感情がほんの少しですが、共感する部分がありました。昨年、「君たちはどう生きるか」という映画を拝見しました。この本と似ている部分があり、どちらの作品にも違う良さがありました。こちらの作品もぜひ。主人公と自分を重ね合わせた時、人間の美しくも醜い部分がまじまじと感じられます。自分の生きている世界が見苦しく感じるとき、この本は世界をきっと広げてくれます。ぜひ。

    0
    2024年03月06日
  • 失われたものたちの本

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    グロテスク描写が苦手な人にはあまりおすすめできないけど、ストーリーはすごく好き。

    主人公のデイヴィッドの、思春期らしい多感で繊細で善良なだけではない人間らしい心の動きが、大人の視点で読んですごくいじらしくなってしまう。自分が思春期の頃を思い出しても共感できる部分は多かったけど、同じくらいの年齢の頃に読んでいたらどう感じていただろう。

    人間に対するある種潔癖な理想像が崩れていく様子に、大人になって「しまう」という喪失感を感じる。
    ただ主人公はあの世界での経験があったからこそ、紆余曲折あっても光の中で人生を終えることができたように思う。

    0
    2024年03月03日
  • 失われたものたちの本

    Posted by ブクログ

    大人向けの童話
    描写が思ったよりもグロテスクだった
    文章は読みやすいのでサクサク進む
    子供の頃読んでいた本を思い出して懐かしくなった
    出会えて良かった本

    0
    2024年02月19日
  • 失われたものたちの本

    Posted by ブクログ

    本屋で帯を見て、手に取られずにはいられなかった本です。3年間の読書離れから引き戻してくれた本。ファンタジーなのかもしれないけれど、子供向けというよりは、大人の心を子供に帰らせてくれる、読書のワクワク、楽しみを素直に思い出させてくれる本でした。子供でも楽しめる内容なのに、大人を飽きさせないのは、残虐な、無慈悲な、そういう面も併せ持つが故じゃないかなと感じました。とりあえず、本の世界に引き戻したきっかけの本として、手元に置いておきます。

    0
    2024年02月14日
  • 失われたものたちの本

    Posted by ブクログ

    色々な意見があると思うけど元々ダークファンタジーが好きな私はこの本もかなり好きだったしあっという間に読み終えてしまった。
    王道の冒険譚にダーク要素が加わっている。挿絵はないけど文章だけでも血などのグロ要素がダメな人にはおすすめできない。

    ジャンルは間違いなくファンタジーなんだけど、結構現実的というか的を得ているようなことが書かれている。
    もし私が小学生の時にこの本を読んでいたら色々影響受けてたかもしれないし、大人になった今読んでももし私が同じようにあの世界に行ったら一体どんな風景が広がっているんだろうと思った。

    0
    2024年01月22日

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