作品一覧
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ純真な青年が貞淑な伯爵夫人に魅了され近づくが……。恋愛感情の機微と葛藤を描いた『人間喜劇』に連なる傑作。
うーむ、これはツラい。伯爵夫人の捧げ尽くす愛は美しいが、非常にもどかしくもある。男性側としては、主人公を責められないのだが。二十歳そこそこの男子の性的衝動を軽く考えられてもな〜。後に明かされる夫人の本心を考えると、アンリエットとしての身勝手さ、モルソフ伯爵夫人としての貞淑さで二つに割れている彼女の心も悲劇の要因なわけで。マドレーヌさん、カンベンしてくださいよ……。
しかし、ケチョンケチョンにこき下ろすナタリーの返事は、感傷に対する客観として、いっぱしの紳士となっているはずのフェリックスに -
Posted by ブクログ
ドストルストイの御二大作品は
キリスト教及び欧州歴史が成す知識を前提としているかんじで
現在日本でのほほんとしている身には
板書している言語はしれても
その説明するところが皆目見当つかない心地だが
同じ人間喜劇でもこちらは修辞が比較わかりやすい気がする
訳者の手腕が並外れているだけかもしれないけれども
日本語ででも音読したくなるような素敵な文
恋愛とその周囲の夫婦や家族や宗教を題材にして
人間とその関係を描いている作品は
「教養」や「青春」というような「小説」の分類は
小説(登場人物と筋書きの結構)だけが
文による表現ではないことを思い出させてくれる
詩歌による表現はおそらく「知識という前提 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公フェリックスは人妻モルソフ夫人に恋をしてしまう。ただ、相手は夫にも家庭にも何も不満を持っていない素晴らしい女性。いくらフェリックスが愛の言葉を伝えようとも、常に年上の人妻女性として彼と対応し、彼の母親であるかのように接してくる。というかフェリックスに恋しないように自分に言い聞かせているようである。
フェリックスの一途な恋はすごいが、それを毎回ひらりとかわさなければならない夫人の苦労を考えると、ただ自分の本能に従って人妻に言い寄るフェリックスにイライラさえしてくる。
最後の夫人の手紙が非常に良い。正直、読者なら気づいていたであろう夫人の本当の気持ちが美しい文体で表現されている。