作品一覧

  • 復活 上
    4.0
    1~2巻1,177~1,188円 (税込)
    『復活』は人間の復活とは何かを問う長篇で,後期トルストイ(1828-1910)の問題意識や到達点が最も多面的に示されている.殺人事件の陪審員として法廷に出たネフリュードフは,容疑者の娼婦が,10年前に自分が誘惑して捨て去った叔母の家の小間使いカチューシャであることに気づき,激しい良心の呵責にさいなまれる.(全2冊)

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  • トルストイの生涯
    -
    1巻1,650円 (税込)
    『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』などの名作を残したロシアの大文豪トルストイ。権力と闘い、内なる生の鉱脈を掘りつづけた巨人の実像に迫り、その82年の生涯を描いた力作評伝。『戦争と平和』『復活』『幼年時代』(以上、岩波書店)等の翻訳で活躍し、トルストイ協会会長を務めた著者の労作(レグルス文庫)を、ハードカバーの第三文明選書として復刊。
  • 戦争と平和 (一)
    3.7
    1~6巻1,100円 (税込)
    1805年夏、ペテルブルグ。英雄か恐怖の征服者か、ナポレオンの影迫るロシア上流社会の夜会に現れた外国帰りのピエール。モスクワでは伯爵家の少女ナターシャが平和を満喫。だが青年の親友や少女の兄等は戦争への序走に就いていた。愛・嫉妬・野心・虚栄・生死――破格のスケールと人間の洞察。世界文学不朽の名作! 新訳。

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  • 戦争と平和 (三)

    Posted by ブクログ

    ここ(3巻)まで来ないとこの本の良さが理解できなかった。1巻の時にさんざんに酷評したことを反省しているが、あの時点ではこんなに引き込まれることになるとは思っていなかった。この本は単なる小説ではなく、トルストイが考える戦争というものを表現している本だとやっとで理解した。ナポレオン戦争はナポレオンの英雄的な天才性によって勝ち進んだものではなく、戦争の中で一人の人間が担える役割や与える影響はたとえそれが皇帝であろうとも極わずかどころか皆無であり、人間の集団性とその中の個々人の動きの総和によってすべてが左右されるというトルストインの戦争観に全く賛成である。途中に入る訳者の解説も大変的を得ていて、本当に

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    2023年07月02日
  • 復活 上

    Posted by ブクログ

    小説と哲学書の間にあるような感じ。よく考えればすぐにおかしいと分かることが、どうして平然と行われ、またそれを自分も行ってきたのか。随所にトルストイの主張が張り巡らされていて本当に面白い。1899年の本なのに読んでいてこんなにも共感できるのは不思議な程だと思った。

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    2023年03月02日
  • 復活 下

    Posted by ブクログ

    下巻のあとがきは、翻訳者の藤沼貴さんが急逝したことによって、弟子にあたる阿部昇吉さんが執筆している。しかし長編を読み終わったあと最後に現われる“代役”によるこの一文は、口直しのデザートのように作用して心地よい読後感で本を閉じることができる。

    阿部さんは(おそらくわざとだろうが)藤沼先生による学術的な解説文からがらりとトーンを変え、先生の人柄を追憶するような、私的でくだけた内容で構成している。
    私的な内容とは言うものの、研究者としてのあまりにも一途で一直線な姿と、それを裏返したかのように弟子や他の研究者に対してふと漏れる、先生のセンスのいい茶目っ気が書かれていて、もしネフリュードフの生き方に最

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    2022年12月16日
  • 復活 上

    Posted by ブクログ

    復活を読んで一番印象的だったのは、ネフリュードフがあまりにも達観しているところ。
    もちろんカチューシャにはじめに出会ったときのような、若気の至りがあふれていた頃も彼にはあった。しかしカチューシャとの再会後は、どんなことが起ころうとも、世事にも他人にも自分自身にも、自分の判断に照らして、まっすぐ前を見るかのように右顧左眄なく対処し続けている。

    そして特筆すべきは、若き頃にカチューシャに対して行った“過ち”と対比するかごとくに、彼女と再会後のネフリュードフは、「恥ずかしさと罪の意識」をいかに避けて自分にとって“正しい”と思われる道を進んで行くのかについて意識が集中していくこと。
    時には同じところ

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    2022年12月15日
  • 復活 上

    Posted by ブクログ

    下巻下巻。


    ここまでは小説とトルストイの思いと重ねつつ、「戦争と平和」のピエールのような、ドストエフスキーの「白痴」のムイシュキン公爵のようなネフリュードフを見守るように読み進んだ。

    みんな公爵だ。ロシアの公爵って、どういう立場だったんだろう。モスクワの伯爵も思い出される。

    0
    2022年04月19日

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