作品一覧

  • フーコーの言説
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    その言説のほぼすべてが出揃った今こそ、読み直さねばならない──。ミシェル・フーコーの探究は、知・権力・自己との関係という三つを軸に、多様性と絶え間ない変貌によって特徴づけられる。そうした彼の言説群を貫いて存続する「フーコー的」なものがあるとすれば、それはいったい何か。前史ともいえる50年代のテクストから『性の歴史』第四巻『肉の告白』まで、精確な読解によって思考の全貌が明らかにされる。フーコー研究・翻訳の第一人者による待望の書。
  • 性の歴史IV 肉の告白
    4.5
    1巻4,730円 (税込)
    我々はどのように自らを「欲望する主体」として形成したのか。生殖、貞節、結婚といった概念についての初期キリスト教の教父たちの文献を詳細に検討し、厳格な規則を背景にした自己への省察と告白に基づく「欲望の解釈学」の成立を見る。性に関する言説の氾濫を起点として始まったフーコーの考察が、この最終巻でついに完結する。
  • ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学
    3.5
    ミシェル・フーコーは顔を持たない哲学者だ。今の自分にとって「正しい」とされることを徹底的に疑いぬき、自己を縛り付けようとする言説に抗い、危険を冒してでも常に変化を遂げようとした。だからこそ彼の著作は、一冊ごとに読者を新たな見知らぬ世界へと導いていく。その絶えざる変貌をたどる。

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  • 言説の領界
    3.8
    1巻1,100円 (税込)
    フーコーが一九七〇年におこなった講義録。『言語表現の秩序』を没後三十年を期して四十年ぶりに新訳。言説分析から権力分析への転換をつげてフーコーのみならず現代思想の歴史を変えた重要な書。
  • 知の考古学
    4.3
    1巻1,430円 (税込)
    あらゆる領域に巨大な影響を与えたフーコーの最も重要な著作を気鋭が四十二年ぶりに新訳。フーコーが『狂気の歴史』『臨床医学の誕生』『言葉と物』を生み出した自らの方法論を、伝統的な「思想史」と訣別し、歴史の連続性と人間学的思考から解き放たれた「考古学」として開示する。それまでの思考のありかたに根底から転換をせまる名著が新たなすがたで甦る。
  • 性の歴史IV 肉の告白

    Posted by ブクログ

    フーコーの最後の主著の最終巻が死後30年以上たって、ついに出版され、日本語で読める。これだけで、⭐️は5つは決まったようなもの。

    「性の歴史」の1巻の「知への意志」で提示されたいわゆる「生政治」「マイクロポリティクス」などなどの概念と「性の解放」に関する言説の分析の鮮やかさは、圧倒的であった。

    この話しが、どう展開するのか、期待していたところにでてきた2〜3巻は、なぜかギリシア、ローマ時代の話になって、一般的な性の歴史の記述としては興味深くあるものの、フーコーに期待していたものとは、ちょっと違う感じ。語り口も、なんだか平易で、淡々としていて、死を目の前にしたフーコーの最後の枯淡の境地かな?

    0
    2021年01月05日
  • 言説の領界

    Posted by ブクログ

    学生のときに中村雄二郎訳で読んだが、あいまいな表現に煙に巻かれた読後感が印象に残っている。正直、内容を理解できたとは言えなかった。
    この新訳はずいぶん印象が異なる。明晰でやさしい。以前よくわからなかったことについて腑に落ちたところがいくらかあった。半分近くを占める解説も助けになる。

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    2015年02月19日
  • 知の考古学

    Posted by ブクログ

    総合書?全て?そういう印象。理解が追いつかない。追いつかないなりに読み進めていた。
    科学とか歴史とか医学とか文学とかイデオロギーとか、絶対化とか相対化とかそういう既存の区別や方法を一旦無化するというか、俯瞰するようなスタンス……なのかな。構造主義的な。
    意味が無い、などと言って私たちは悩んだり笑ったりします。しかしながらそれらのすべての事象には意味が無いわけではありません。意味があるけれども、意味があることには意味が無いのです。(←ちょっとよくわかりません)

    松岡正剛氏が言っていたことそのものだな。テクストが作られるということは、ある個人としての著者が書くというよりもずっと総合的な営為なんだ

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    2013年05月28日
  • ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学

    Posted by ブクログ

    「哲学100の基本」を読んだ後なので、少しは哲学に対する理解が進むかと思い読んでみたが、やはり難しかった。そもそもフーコーの当初よって立っていた「人間学」というものが何なのかが全く理解できなかったので、その後のフーコーの過去の自分の思想からの脱却という流れが理解できないまま読み終わってしまった。ただし、フーコーの考え方が歴史を残されてい文献からありのままに受け止め、そこから人間の言葉と考え方の変遷を客観的に捉えるという「考古学」という考え方と、それにより「狂気」「死」「性」などが人間にとってどのように変わっていきそれが現代にどのような影響を与えているのかということを「権力」の観点から考えるとい

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    2023年07月02日
  • ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学

    Posted by ブクログ

    知的8
    かかった時間3時間半くらい

    フーコーの入門書。彼の思考の変遷を、代表的著作をとおして追っている。
    筆者がかなり頭のいい人で(そりゃそうだ)、フーコーを貫く、既存の思考を疑うやり方と、自身を新しいものごとに向けるやり方を軸にしつつ、年代ごとの問題意識について概観してくれているので、わからないながらもわかりやすい。
    個人的には「前フーコー的な50年代」への言及があり、そこを覆す形で「人間性の絶対視」への疑念が生まれて、それが社会制度などによって人為的に生まれたものだという変化が鮮やかで(フーコーでよく紹介される考えかたでもあるし)楽しかったが、性とか自己に関心が向いていくあたりもおもしろ

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    2021年04月21日

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