ブッツァーティの作品一覧

「ブッツァーティ」の「神を見た犬」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 神を見た犬
    4.2
    1巻715円 (税込)
    モノトーンで哀切きわまりない孤高の美の世界を描きながら、人が無意識のうちに心の奥底に抱えている心象風景を類まれな感性で捉えて容赦なく突きつける、イタリアの奇想作家ブッツァーティの代表的短篇集。とつぜん出現した謎の犬におびえる人々を描く表題作、老いた山賊の首領が手下にも見放され、たった一人で戦いを挑む「護送大隊襲撃」、そして幻の傑作と謳われる「戦艦《死》」など22篇を収録。
  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    イタリアが生んだ奇才の作家ブッツァーティが書く不可思議なお話を集めた短編集。

    テーマは多岐に渡るが、全てにキリスト教的世界観が通底にある感じがして日本のホラーや怪異とは全く違うのが面白い。
    特に聖人が出てくる話が多く、さすがカトリックの中心であるお国柄だと思った。
    どの話も面白いが
     ・アインシュタインとの約束
     ・七階
     ・神を見た犬
     ・呪われた背広
     ・秘密兵器
     ・天国からの転落
     ・驕らぬ心

    はとても面白く、教訓めいたものがあった。

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    2024年04月05日
  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    新聞記事のような癖のない文章でつづられた幻想的な短編小説集。傑作選ということで、どれもこれも印象深い作品ばかり。スイスイ読めて鮮明なイメージが残る不思議な作風だ。表題作の「神を見た犬」では、椅子の下に置いたパンの描写だけで色々思わせて涙が出た。これ含めて、昔ながらのキリスト教徒の精神世界を感じさせる作品が多くて興味深かった。

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    2024年01月22日
  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    ブッツァーティ『神を見た犬』。全22編が収録されている。
    かなり好み。幻想的な事や物語を、ジャーナリストとして長年記事を書いていた腕を生かし、平坦かつ事実を伝えるような文章で書くので、あたかも現実的に起こった物語のよう。
    わたしが特に気に入ったのは、天地創造、コロンブレ、7階。
    不条理や破滅などへ向かって描くこと、悲観さがブッツァーティの特徴らしいが、短編ということもあり、ただ苦しい、悲しいだけではなく進む。
    素晴らしいストーリーテーラー。

    ブッツァーティの『タタール人の砂漠』も読んでみよう。

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    2021年12月12日
  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    ブッツァーティは初めて読んだけどとても良かった。
    恐怖・不安・不条理をえがきながらもあまり暗く辛い気持ちにはならず、幻想的でありながらも実生活に寄り添っていて絶妙だった。

    一番好きだったのは『コロンブレ』。
    これは本当にカフカに通ずるものがあるとおもう。

    他は『アインシュタインとの約束』、『七階』、『グランドホテルの廊下』、『神を見た犬』、『小さな暴君』
    あたりが特に好き。
    『小さな暴君』が一番胸がムカムカする話かも。

    0
    2021年05月25日
  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ブッツァーティは初めて読むが、非常に良かった。
    幻想的、と帯には書いてあったが、どちらかと言えば、昔話の様な雰囲気があり、不思議な気持ちになる。

    だが、様々な強迫観念や死への恐怖と生への執着(とまではいかないかも知れない)、そして理不尽さが描かれている。

    表題作について。
    神を信じない村に現れた、不思議な犬。
    彼と狡猾なパン屋の男、隠修士を中心にして、人々の間に疑心暗鬼が広がっていく…
    その互いを探りながらの駆け引きの様子がとても良かった。
    結局、神を信じず、口からは罵倒の言葉が出るような人々でも、知らぬ内に深層では信じている、みたいな話が面白かった。

    どれも面白い話ではあったが、特に7

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    2020年09月02日

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