作品一覧

  • 絶望
    3.6
    1巻1,078円 (税込)
    ベルリン在住のビジネスマンのゲルマンは、プラハ出張の際、自分と“瓜二つ”の浮浪者を偶然発見する。そしてこの男を身代わりにした保険金殺人を企てるのだが……。“完全犯罪”を狙った主人公がみずからの行動を小説にまとめ上げるという形で書かれたナボコフ初期の傑作!
  • カメラ・オブスクーラ
    4.3
    1巻935円 (税込)
    裕福で育ちの良い美術評論家クレッチマーは、たまたま出会った美少女マグダに夢中になるのだが、そこにマグダの昔の愛人が偶然姿をあらわす。ひそかに縒りを戻したマグダに裏切られているとは知らず、クレッチマーは妻と別居し愛娘をも失い、奈落の底に落ちていく……。あの『ロリータ』の原型であるナボコフ初期の傑作。英語版と大きく異なるロシア語原典の独特の雰囲気を活かし、細部の緻密な面白さを際立たせた野心的な新訳。
  • 絶望

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    解説を読むとめちゃめちゃ面白かった。
    翻訳の文体が分かりにくいのかと思ったけど、完全犯罪が破れて追い詰められたゲルマンが、芸術作品として創造した手記という額縁小説のような形になっているから分かりにくい。一回通読してから読み返すと、あああの話ね、とつながる。
    読み返してみれば、たしかにフェリックスと似ていると言っているのは語り手のゲルマンだけで、フェリックスだって2人が似ていると自分から言ってはいない。一人称小説だからゲルマンの主観で書かれており、アルダリオンもかなりヘボな人物に描かれているけど、ゲルマンに描かれたアルダリオン像と、引用されたアルダリオンの手紙=ゲルマンの主観ではなく、本人の言葉

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    2019年10月22日
  • カメラ・オブスクーラ

    Posted by ブクログ

    初めて手にしたナボコフであり噂通り強烈な印象を残した「ロリータ」と、この「カメラオブスクーラ」で作者の著書は2作目です。
    あとがきにもありましたが、読みはじめ辺りから感じるこの気持ちの悪さは読んだ覚えがあるなぁなんて思っていましたが、「ロリータ」と流れが似ている。
    私はなぜ、大人の男性の狂おしいまでの想いに少なからず違和感を覚えたのか、読みながら考えていました。
    おそらく、彼が求めていた少女と実際に接触するまでの男性の内面の描写が、女である自分には馴染みのないものだからかな、というのが読み終わってから気づいた私なりの気持ちです。

    美術評論家であり、妻子とともに裕福な暮らしを送るクレッチマーは

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    2017年05月12日
  • カメラ・オブスクーラ

    Posted by ブクログ

    一言でいうと、中年の妻子持ちの男が、16歳の少女にのめりこみ破滅していくさまを描いた話だが、裏テーマは、性的魅力のない妻を持った妄想男の行く末、と読んだ。
    (とはいえ、ロリータよりだいぶ以前のこの段階では作者が未成熟の女性に興奮する性向を隠したいがために性的魅力のない妻を利用した、とも読めるが、自分の都合で前者と解釈することにする。)

    妻/母を長いことやっている私は、いいお母さんだけれど日々の生活でもベッドの中でも大人しく、徹底的に退屈でセクシーじゃなく描かれている作中の妻を、反面教師とした。

    妻/母を長いことやっている私はまた、主人公の男が、いけないとわかりながらも性的嗜好に翻弄されてあ

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    2015年01月26日
  • カメラ・オブスクーラ

    Posted by ブクログ

    ノワールだw クレッチマーの堕ちざまもさることながら、マグダやホーン、ゼーゲルクランツら脇を固めるキャラが、クレッチマーの歪んだ世界に見えない照明で残酷に浮かびあがらせる様もどす黒いw

    0
    2014年05月22日
  • カメラ・オブスクーラ

    Posted by ブクログ

    えらいもん読んでしまった。活字を介していろんな感覚を乗っ取られてるような錯覚。なんだかクラクラしてきた。話しは分かりやすくスリリングな展開にグイグイ引き込まれる。

    0
    2013年12月21日

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