アゴタ・クリストフの作品一覧

「アゴタ・クリストフ」の「悪童日記」「第三の嘘」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 第三の嘘
    4.0
    1巻726円 (税込)
    ベルリンの壁の崩壊後、双子の一人が何十年ぶりかに、子どもの頃の思い出の小さな町に戻ってきた。彼は少年時代を思い返しながら、町をさまよい、ずっと以前に別れたままの兄弟をさがし求める。双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされる真実と嘘とは? 『悪童日記』にはじまる奇跡の三部作の完結篇。
  • 悪童日記
    4.3
    1巻726円 (税込)
    戦火の中で彼らはしたたかに生き抜いた――大都会から国境ぞいの田舎のおばあちゃんの家に疎開した双子の天才少年。人間の醜さ、哀しさ、世の不条理――非情な現実に出あうたびに、彼らはそれをノートに克明に記す。独創的な手法と衝撃的な内容で全世界に感動と絶賛の嵐を巻き起した女性亡命作家のデビュー作。
  • ふたりの証拠
    4.1
    1巻748円 (税込)
    戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を書き続ける。強烈な印象を残した『悪童日記』の続篇。主人公と彼を取り巻く多彩な人物を通して、愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて共感を呼ぶ。
  • ふたりの証拠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「悪童日記」の続編だけども、表現の仕方がガラッと変わる。「悪童日記」は子供の世界「ふたりの証拠」は青年から大人への世界。登場人物に名前の無い、肩書や属性や特徴だけだった世界に、名前とともに個性が与えられて、それぞれのしがらみで、分かたれた双子の片割れであるリュカを浮き上がらせる。もう片方のクラウスの人生が対比で語られるのかと思いきや、終盤まで出てこないばかりか、イマジナリーフレンドだったのではないかという疑念が湧いて、そう言えば「悪童日記」での靴屋のおじさんの受け答えは不自然だったかもしれないなと思い至る。

    著者は、物事が人間の成長や変化に与える影響を、すごくよくわかっている人だと思う。

    0
    2024年04月10日
  • 第三の嘘

    Posted by ブクログ

    凄まじい三部作だった。
    『悪童日記』『ふたりの証拠』そして本作『第三の嘘』と、それぞれの作品に異なる衝撃があり、そして二作目を読めば一作目の、三作目まで読むとシリーズ全ての、見方や印象がガラリと変わってしまう。
    「真実」がどうであるのか考察することにさほど意味はないだろう。重層的かつ撹乱するような複数の物語を貫く、強烈な孤独感と、無理矢理引き裂かれ揺らぐアイデンティティ。亡命者である著者が故国と移住国に抱く感情の、言葉にし難い生々しい領域の、わずかな一端に触れた思い。

    0
    2024年04月03日
  • 悪童日記

    Posted by ブクログ

    2人の少年による作文の形式をとった日記です。
    本文中にも書かれている通り、徹底して客観的な視点、事実が羅列されています。だからこそ感じる無機質感の中に、強制されない感情を抱かせてくれます。

    ただただ戦争を代表とした外的要因に振り回されるだけと思いきや、その中で強く健気に生き延びる「ぼくら」の姿。甘えがちな自分の心に強く刺さるものがありました。

    0
    2024年03月13日
  • 第三の嘘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・感想
    悪童日記シリーズの3作目
    2作目でも驚いたけど今作の展開にも驚愕。
    結局彼らはどれなんだろう?全部嘘で作り物なのかな。

    個人的には悪童日記のあの不気味さと閉塞感が好きだったから悪童日記のみで終わらせてもよかったかも。

    0
    2024年03月06日
  • 悪童日記

    Posted by ブクログ

    「主観を一切まじえずに書かれた本がある」と勧めてもらったのがこの本だ。

    僕らは悲しい気持ちになった。とは言わず
    僕らは涙を流した。と客観的事実のみで構成される。
    不思議な本だった。
    双子の主観から捉えた世界なのに、主観的な表現がひとつもない。
    双子の目に映る世界の追体験ができるが、感情は全て委ねられる。

    漠然と、何か他のものにも応用が効くんじゃないかと感じた。

    日本語版タイトルは『悪童日記』だが、原書は『大きなノートブック』とでもいうのが近いらしい。
    日本語版のタイトルの掴みは素晴らしいものであるが、読み終わると原書タイトルが、当然ではあるのだが、最も本書を言い表していると感じられる。

    0
    2024年03月03日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!