野嶋剛の作品一覧
「野嶋剛」の「TSMC 世界を動かすヒミツ」「軋む中国 実力と虚像」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「野嶋剛」の「TSMC 世界を動かすヒミツ」「軋む中国 実力と虚像」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
圧倒的に読ませる文章力。
北京と台北の二つの故宮から、近代中国の悲哀と昨今の両岸関係事情をも包含したドラマを紡ぐその展開に思わず一気読みした。
故宮の文物が中国大陸を彷徨い、最後に台湾まで渡ったその経緯は数奇に思えるが、文化は即ち政治であり、正統性を与えるものとして権力の象徴であった、中国の長い歴史から見れば、その流浪の旅もまた歴史上に繰り返されてきた一コマに過ぎないのかもしれない。混沌としているから、それを生き抜いてきた文物がより眩く見えるのか。
辛亥革命から100周年の年に、二つの故宮展を東京国立博物館で統一させようとした平山郁夫の演出も味があり、日本が、その歴史的経緯からも主要な参画プレ
Posted by ブクログ
【大日本帝国から戦後へと続く日本,分断された中国,そして出身地の台湾という東アジアの境界を行き来しながら,失われてしまった自分の帰属すべき祖国・故郷を探し求めてきた人々がタイワニーズなのである】(文中より引用)
国際情勢の荒波に揉まれながらも,日本・中国・台湾という国家の国境をひらりと越えて自らの思うところに従った,台湾と関係を持つ「タイワニーズ」たちの半生を記した作品。著者は,『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』等の台湾をテーマとした作品でも知られる野嶋剛。
国際社会の荒波をもろに被り続けてきた人々の一人ひとりのエピソードが中心となっているため,非常に読みやすいというのがまず高評
Posted by ブクログ
「パリは燃えているか」ならぬ、「香港は泣いているのか」とでも問いたくなるような騒乱に見舞われた近年の香港。西欧と中国の共存社会が急速に変わりつつあるように見えるそんな香港を解説する本。
2014年の雨傘運動から2019年の逃亡犯条例改正に始まる大規模なデモ。そこには単なる中国による締めつけと片付けられない歴史と香港人のメンタリティがあるらしい。
アヘン戦争による香港の誕生史から、ブルース・リーやジャッキー・チェンに代表される映画界、ヤオハンやナショナル炊飯器を通じた日本との関係。
そこは中国でも西欧でもない、国家とも言い難いような場所であり、香港人が住む地である。その今の香港を理解する