作品一覧

  • 猫屋台日乗
    -
    1巻1,672円 (税込)
    毎日1日分だけの買い物をし、ハッピーアワーで1杯飲んで帰る。 誰とも会わない、喋らない。そんな女将の胸の内。 コロナの3年間のお上の無能に怒り、吉本家の“独特な味“を懐かしみ、『猫屋台』で大盤振る舞い……。“人外魔境”より届いた、「真っ当な食、真っ当な命」をめぐるエッセイ。 味と思い出は、紐付けられる――。 完全予約制の、知る人ぞ知る『猫屋台』の女将・ハルノがその「日乗」を綴り始めたのはコロナが蔓延り始めた2020年の春。女将は怒っていた。緊急事態宣言、アルコール禁止、同調圧力、自粛警察……コロナが悪いんじゃない、お上が無能なんだ――と。怒りの傍ら綴るのは、吉本家の懐かしい味、父と深夜に食べた初めてのピザ、看板猫・シロミの死、自身の脱腸入院、吉本家の怒涛のお正月、コロナの渦中に独りで逝った古い知人……。美味しさとユーモアと、懐かしさ溢れる、食エッセイ。
  • 隆明だもの
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    吉本家は、薄氷を踏む ような〝家族〞だった。 戦後思想界の巨人と呼ばれる、父・吉本隆明。 小説家の妹・吉本ばなな。 そして俳人であった母・吉本和子―― いったい4人はどんな家族だったのか。 長女・ハルノ宵子が、父とのエピソードを軸に、 家族のこと、父と関わりのあった人たちのことなどを思い出すかぎり綴る。 『吉本隆明全集』の月報で大好評の連載を、加筆・修正のうえ単行本化。 吉本ばななとの姉妹対談(語りおろし)なども収録する。
  • 猫だましい
    4.7
    1巻742円 (税込)
    糖尿病で視力を失いながらも死ぬまで思索を続けた、父・吉本隆明。ワガママ放題して〝セルフ尊厳死〟を遂げた、母。疾患を抱え週に3回通院する猫、シロミ。推定16歳で逝った半ノラ、ササミ。滂沱の涙で別れた内科医の理想型、O竹先生。自らの大腸がんなどの闘病の傍ら、たくさんのいのちを見守り見送る日々を綴る、明るく透徹な名エッセイ。
  • それでも猫はでかけていく
    4.0
    1巻596円 (税込)
    いつでも猫が自由に出入りできるよう開放され、家猫、外猫、通りがかりの猫など、常時十数匹が出入りする吉本家。思想家の父・隆明が溺愛したフランシス子、脊髄損傷の捨て猫シロミ、傍若無人のチンピラ猫トリオ……。吉本家に集う猫と人の、しなやかでしたたかな交流から見えてくる「生きる」の意味。ハードボイルドで笑って沁みる、猫エッセイ。
  • 開店休業
    4.0
    1巻627円 (税込)
    思い出の味は忘れがたく、あの日の団欒を呼び覚ます――。父母の故郷・天草の雑煮、今はなき三浦屋のレバカツ、母にねだった塩おにぎり、少年期の大好物焼き蓮根、自ら絶品と称した手製の豚ロース鍋……。食を通じて蘇る記憶はどれも鮮やかに「家族の日常」を浮かび上がらせる。あわせて長女・ハルノ宵子が、父・隆明の晩年の姿をユーモア溢れる筆致で瑞々しく綴る。胸と胃袋を打つ、珠玉の食エッセイ。
  • 隆明だもの

    Posted by ブクログ

    吉本ばななと姉のハルノ宵子の対談を読んで、吉本家、本当に大変だったんだなと思いました。
    でも、父隆明が病弱な妻に替わって娘たちにご飯やお弁当を作ってあげたりと、子育てに関してはやるべきことはちゃんとやっている。
    娘たちも介護が必要になった両親のために最善のことはしている。
    苦しみながらも、緊張感を抱えつつも、家族であろうとした父母と二人の娘たちにあっぱれ!と言いたいです。

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    2024年04月27日
  • 猫だましい

    Posted by ブクログ

    大好きなハルノ宵子さん。
    「それでも猫は出かけていく」を読んで以来、誰の視線も気にもとめず、言いたいことをストレートに時には皮肉をこめて言ってしまうハルノさんの大ファンになってしまいました。
    「猫だましい」は、自分の病気をとおして誰にも訪れる死との距離を、猫たちとの別れやご両親の看取りをからめながら淡々と語っておられます。
    ハルノさんの周りには、濃いつながりの人や猫がいて、お人柄どおりの濃い深い社会に生きてらっしゃるのだと思いました。
    挿し絵の猫のイラストはとても魅力的で、ハルノさん自身のようだとますます大好きになりましたよ。

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    2024年03月27日
  • 猫だましい

    Posted by ブクログ

    ご自身の闘病記なんだけど、そうは感じられないくらい楽しく読める。大腸がんのステージⅣだって診断されて、ここまで冷静に受け止められる人って、なかなかいないんじゃないかな。肝が据わっているというか達観しているというか。
    ハルノさんは、両親を介護して自分もたくさん病気になって、そのうえ自宅に住み着いた野良猫の世話までして中には病気持ちの猫もいて、本業である漫画を描けないこともあったらしい。
    それでも、どんな困難や災難にもめげない強さと、常識にとらわれない大胆さで、次々と荒波を乗り越えてしまう姿に、何があっても大丈夫だと思えるような勇気と元気をもらえた気がする。

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    2023年10月22日
  • それでも猫はでかけていく

    Posted by ブクログ

    このタイトル、じわじわきます。
    猫だって色々あるんです。でも、それでも、出かけていくんです。雑誌に連載されていたものをまとめて本として出版したとの事で、毎ページに可愛い (時に凶暴そうな )猫のイラストもあるし、小噺も満載で、分かる分かる、って感じです。

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    2021年03月28日
  • 開店休業

    Posted by ブクログ

    単行本の時から読みたくて仕方がなかった本。文庫になったので、購入。楽しく読めました。吉本隆明さんという方はもっと難しいことをたくさん書くようなイメージがあったのですが、エッセイという形だからか、読みやすくて驚きでした。ハルノ宵子さんの文章も非常に読みやすくて、他の作品も読みたくなってしまいました。

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    2016年01月08日

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