作品一覧

  • 猫の街から世界を夢見る
    3.6
    1巻950円 (税込)
    猫の街ウルタールの大学女子カレッジに、存亡にかかわる一大危機がもちあがった。大学理事の娘であり学生のクラリー・ジュラットが、“覚醒する世界”からやってきた男と駆け落ちしてしまったのだ。かつて“遠の旅人”であったカレッジの教授ヴェリット・ボーは、“覚醒する世界”にむかったクラリーを連れもどすため、気まぐれな神が支配し危険な生き物が徘徊する“夢の国”をめぐる長い長い旅に出る。ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作「霧に橋を架ける」の著者が、H・P・ラヴクラフトの諸作品に着想を得つつ自由に描く、世界幻想文学大賞受賞作。/解説=渡邊利道
  • 霧に橋を架ける
    4.0
    1巻1,119円 (税込)
    人間を寄せつけない“霧”の大河に初めての橋を架けようとする人々の苦闘と絆を描き、ヒューゴー賞とネビュラ賞をダブル受賞した表題作。宇宙で遭難した女性と、圧倒的に異質な相手の邂逅を描く、ネビュラ賞受賞の衝撃作「スパー」。消失と再出現を繰り返す猿たちのサーカスとともに旅する女性が出合う奇跡を描いた、世界幻想文学大賞受賞中編「26モンキーズ、そして時の裂け目」。現代SF界きっての短編の名手が、孤独を抱えたものたちの不可思議な出会いとふれあい、そして別れを鮮やかに描く。数々の賞に輝く傑作11編を収めた幻想SF短編集。/解説=橋本輝幸
  • 霧に橋を架ける

    Posted by ブクログ

    本屋でカバー買い.ヒューゴー賞,ネビュラ賞,世界幻想文学大賞受賞,というカバーの文句は伊達ではなく,とても良い本に巡り会えたと思う.
    SFと思って読むと間違いで,むしろ,南米の作家の書く小説の,奇妙な風合いに似たところがあって,変な設定を舞台にしているところは確かにSFといえるのかもしれないのだが,その設定を「そういうものである」という前提で物語が紡がれており,何か解決や注釈が与えられることはない.
    その舞台に登場する人物達が,その設定に巻き込まれる(決して右往左往する訳ではないが.何しろ,元からそういう世界で,急にそこに放り込まれた訳ではないのでなので)様が描かれている.

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    2017年04月29日
  • 猫の街から世界を夢見る

    Posted by ブクログ

    主人公の造形がとても良い。
    経験豊かで知恵があり意志の力を持っていて、けれども決して強くも万能でもない、ちっぽけな一人の人間。社会的には弱者として扱われることも少なくはない、老いた女性。それでも彼女は決して無力な存在ではない。
    これは誰でもない自分として世界を踏みしめるひとりと、そこに寄り添う何者かの物語。
    夢見る人にも目覚める人にも、どうかその先の道が開かれんことを。

    ひとりの教え子の出奔を機に、学園の存続のためという動機で始まった旅は、思わぬ理由で手段が変わり目的が変わり、壮大な冒険へと繋がっていく――という、子供の頃に読んだファンタジー小説のようなシナリオなのだけれど、主人公の属性の決

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    2022年03月30日
  • 猫の街から世界を夢見る

    Posted by ブクログ

    舞台になった夢の国。クトゥルー神話絡みでとにかく設定が幻想的。覚醒する世界に駆け落ちした女子学生を連れ戻すべく、旅に出たヴェリット・ボー老教授となぜか黒猫。この同行猫の存在感が猫好きにはたまらない。紀行文のように淡々とした描写で血生臭さは感じないが、場面を想像すると危険度高……。ボー教授(そして猫)の耐性力やら順応力やらに感服した。将来の可能性を仄めかせた終わり方で、その後の彼女らに期待が膨らむ。

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    2021年08月01日
  • 猫の街から世界を夢見る

    Posted by ブクログ

    クトゥルフ神話は読もうとして断念した記憶があるのですが、このお話は好きだなぁ。主人公のやるべきことがしっかりしていて、感情的にぶれない感じが好き。猫も可愛いし。大事にしてくれる場所で落ち着くかと思えば、状況が変わった途端姿を現す感じもらしくて良いなぁ。

    女性は夢を見ない世界ってのも面白いな。
    そして世界を渡った後には、男よりも世界を取る辺りが非常に現実的。そこも流石女性って感じで良かったです。

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    2021年07月28日
  • 霧に橋を架ける

    Posted by ブクログ

    帯に惹かれて購入。この頃はネビュラ・ヒューゴダブル受賞って結構珍しくなくなったのかなぁ。
    とりあえず色々取り揃えてますよ、という短編集。面白かったです。

    「26モンキーズ、そして時の裂け目」
    なんかやられた、って感じの最後。うん、いいねぇ。最後のお客さんが良い。カラッポになった後のバスタブが揺れる場面とか視覚的に訴えてくる感じがやけにリアル。それにしても猿が26匹。確かに獣臭そう。

    「スパー」
    エロくないエロ(笑)でも極限状態で人間何もする事が無いと何をしてるんだろう?とかちょっと考えてしまう。思考の海に潜るってのも生理的欲求なんだろうか、とか考えてしまった。

    「水の名前」
    ふんわり不思

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    2017年02月28日

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