作品一覧

  • 畠中尚志全文集
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    1巻1,485円 (税込)
    「畠中尚志」という名を目にした人は多い。しかし、その名を刻印して書かれた言葉と結びつけて記憶している人は少ない。――本書は、その思いから生まれました。 本書の著者・畠中尚志(1899-1980年)を知る人のほとんどは、『エチカ』をはじめとするスピノザの著作(岩波文庫)の「訳者」として記憶していることでしょう。その訳業はスピノザの全哲学著作に及び、優れた日本語訳をすべて文庫版で読めるようにした功績は、どれだけ称えても足りません。 しかし、その全7作品に収録された訳者解説を通して読んだことのある人はどれだけいるでしょうか。その同じ人が、ボエティウス『哲学の慰め』や『アベラールとエロイーズ』、さらには『フランダースの犬』の訳者でもあることを、雑誌『思想』で論争を繰り広げたことを、そして数々のエッセイを雑誌に寄稿していたことを知っている人がどれだけいるでしょうか。 仙台の旧制二高で学び、東京大学法学部に進んだものの、若い頃から病に苦しめられた著者は、やがてスピノザと出会います。中でも「この書はその後幾度か崩れ落ちようとした私の精神生活をさゝえてくれる支柱の一となった」(「仰臥追想」)と回想される『エチカ』に惹かれた著者は、独学でラテン語を学び、療養生活の中で全訳を完成させるに至りました。淡路島の洲本、東京、軽井沢、富士見、福岡、そして四国への疎開を経て、再び東北へ――各地を転々としつつ悪化する症状と闘いながら翻訳と執筆を続けた著者は、公表された最後の文章で書いています。「全集邦訳と並んで私の若き日の目標の他の一半であったスピノザの伝記とその哲学解説の作成は、邦訳終了後しばしば試みたにもかかわらず病いと種々の故障に妨げられて遅々として進まず、今の視力ではいつ出来上るかも当てがない。それを思うと私はいつも胸の痛むのをおぼえるのである」(「スピノザを訳した日々のこと」)。本書は、ついにかなわなかったその「目標」の完成した姿を想像させてくれます。それは著者が自宅の庭に植えて大切にした馬酔木が花を咲かせたように、読む人の中で別の姿に成長してくれるはずです。著者の長女である畠中美菜子氏によるエッセイ、そして國分功一郎氏による渾身の解説を収録し、ここに「著者」畠中尚志の完全な集成をお届けいたします。 [本書の内容] 第I部 論 考――訳者解説  1 スピノザ  2 ボエティウスからフランダースの犬まで 第II部 論 争 第III部 随 筆 エッセイ(畠中美菜子) 解 説(國分功一郎)
  • スピノザ エチカ 上 倫理学
    3.9
    1~2巻726~990円 (税込)
    スピノザは『エチカ』の中に自己の哲学思想のすべてを結集させた。典型的な汎神論と決定論のうえに立って万象を永遠の相のもとに眺め、人間の行動と感情を嘆かず笑わず嘲らず、ただひたすら理解しようと努めた。ドイツ観念論体系成立のうえに大きな役割を演じ、また唯物論的世界観のすぐれた先駆的思想でもある。

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  • スピノザ エチカ 下 倫理学

    Posted by ブクログ

    (上巻より)
     「神と人間」についての観念的な議論が中心だった上巻に比べ、下巻では「倫理」や「永遠の愛」といった実践的なテーマが中心。しかし当然これらは上巻の議論を下敷きにしているので、下巻を読みながらも何度も上巻に立ち戻り確認しながら読み進めることとなる。

     第四部の冒頭でスピノザは、人間がなぜ善より悪に従うのか、そもそも何が善で何が悪なのかを明らかにする、という。上巻で触れた本書の構造の独特さの次に印象深かった点として、この「善/悪」の定義に見られる「構成的」な視点を挙げたい。第三部定理9備考にあるように、「善/悪」はそれ自体善/悪だからでなく我々が欲するものが善/悪なのだという転倒なの

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    2020年09月05日
  • スピノザ エチカ 上 倫理学

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    なんとなく気になってたスピノザさんが読めた。いろんな謎が解けて、元気が出たっ!でも、ドゥルーズさんのスピノザ読んでなかったら難しすぎただろうな。本には読む順番ってあるな。

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    2019年07月17日
  • スピノザ エチカ 下 倫理学

    Posted by ブクログ

    せっかく読み返してたのに、バイクの二人乗りからひったくられた!(^^ゞ古い版だけど買いなおした。まっいいか!

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    2019年07月17日
  • スピノザ エチカ 下 倫理学

    Posted by ブクログ

    蠱惑的に在りて在る情動的な世界と、そこに生ける我々の理性を、幾何学的秩序によって論証-その宗教性を生々しく受肉させた-する破壊的に美しい書物。

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    2013年08月18日
  • スピノザ エチカ 上 倫理学

    Posted by ブクログ

    842夜

    非常に面白い。

    ドゥルーズが『千のプラトー』で器官なき身体に関する書物だと言っていた。

    本来的に不自由な人間が自由を獲得するためには外的な刺激による身体の変化に伴って生じる受動的な感情を克服する必要がある。そのことによって人間は感情に支配される度合いを少なくし、理性により神を認識する直観知を獲得することができる。スピノザは直観知を獲得して自由人となることに道徳的な意義を認め「すべて高貴なものは稀であるとともに困難である」と述べて締めくくっている。-Wikipedia

    スピノザについて書かなかった理由ではなく、なんとなく書きにくかった理由に、もうひとつ、スピノザをめぐる周囲の騒

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    2010年09月13日

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