作品一覧

  • リスボン大地震:世界を変えた巨大災害
    4.0
    1巻3,762円 (税込)
    1755年、首都壊滅す──その地震は歴史を変えた 1755年11月1日、万聖節の朝、ポルトガルの首都リスボンで発生した大地震は、大航海時代以来交易都市として栄えたこの街を一瞬にして壊滅させた。市内各所で発生した火災は瓦礫と化した街を焼き尽くし、さらに大津波が人々を襲った。死者2万5千人以上、ヨーロッパ史上最大の地震災害である。しかし、首都壊滅の危機に国家の対応は素早く、国王ジョゼ一世から全権を委ねられた大臣カルヴァーリョは、直ちに被災者の救援と食糧配布、遺体の処理、治安維持などの対策に着手し、その後新たな都市計画のもと首都再建に乗り出した。同時にこの国を支配していた教会・貴族勢力を排除して、ポルトガルの近代化が進められていく。地震の甚大な被害は忽ち各国に伝えられ、聖職者や思想家、科学者たちにも大きな衝撃を与え、様々な議論が沸騰した。 一国の首都を直撃した大地震として関東大震災とも比較され、地震・火災・津波の複合災害として東日本大震災以降再び注目を集めるリスボン大地震の実態と復興の足取りを史料を駆使して鮮やかに描き、社会・経済・科学・思想・宗教など広範囲に及んだ影響をたどる歴史ノンフィクション。
  • 幻影の都市
    4.5
    1巻990円 (税込)
    長老ソブの館を取り巻く森のはずれに見知らぬ青年が現われた。自分についての記憶をすっかり失くしている。館の住人たちは猫のような不思議な目から黄色を意味するフォークと名づけ5年のあいだ庇護するが、記憶は戻らぬままだった。ゾブは彼の正体に頭を悩ませた。かつて《全世界連盟》を倒した人類の敵シングの手先か、それともシングに記憶を消された館への使者なのか? 『ロカノンの世界』『辺境の惑星』につづきSF界の女王が流麗な筆致で描く未来史シリーズ第3弾。
  • こうしてあなたたちは時間戦争に負ける
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    〔ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞/英国SF協会賞受賞〕時空の覇権を争う二大勢力〈エージェンシー〉と〈ガーデン〉の工作員レッドとブルーは、幾多の時間線での戦いを経てお互いを意識し、秘密裏に文通する関係になるが……超絶技巧の時空横断SF!
  • 旱魃世界
    4.5
    1巻1,188円 (税込)
    十年ほど前から徴候を見せていた世界的な旱魃は、ここ五カ月のあいだ、各地で急速に文明社会を崩壊させつつあった。マウント・ロイヤル市の住人たちが競うように水を求めて海岸へと殺到する中、医師ランサムはハウスボートの船上で、破滅まで引き延ばされた時間を緩慢と生き続けていた。やがて、妄執に囚われた建築家ローマックスの不穏な企みをきっかけに、彼も海を目指して南下を試みるが……生物を拒絶するように変質する世界をシュルレアリスム絵画のように描き出した、バラード〈破滅三部作〉の一端をなす『燃える世界』の完全版、本邦初訳。/解説=牧眞司
  • 太陽の帝国
    4.0
    1巻1,527円 (税込)
    第二次世界大戦の波が押し寄せつつある国際都市上海。共同租界に暮らす西洋人の日常は、本格的な日本軍の侵攻によって一変した。混乱する街中で両親と離ればなれになったイギリス人少年ジムは、西洋人が連れ去られた街で遺棄された屋敷やアパルトマンを転々として生き延びようとするが、やがて日本兵に捕らえられ、龍華収容所へと送られる──〈破滅三部作〉などで知られるニュー・ウェーヴSFの旗手が、その創作活動の源となった少年期の実体験に基づき書き上げた本書は、ブッカー賞の候補となって一躍文芸界でバラードの名を高らしめた。瞠目の傑作長編を新訳決定版にて贈る。/解説=柳下毅一郎
  • シミュラクラ〔新訳版〕
    3.8
    1巻1,078円 (税込)
    21世紀なかば、ヨーロッパ・アメリカ合衆国の実権を握る大統領夫人ニコラは、時間移送機を使いゲーリング元帥を呼び寄せるが……
  • 遠隔機動歩兵 -ティン・メン-
    4.5
    1巻1,320円 (税込)
    21世紀末、世界に秩序をもたらすべく、アメリカは遠隔起動歩兵部隊を紛争地へと送り込み、「力による平和」を実現させていた――近未来の地球を舞台に、世界最強のロボット兵士ティン・メンの活躍を描く傑作戦争SF
  • 時は乱れて
    4.3
    1巻946円 (税込)
    ディックの初期長篇、待望の復刊! この町でその男の名を知らぬものはいなかった。レイグル・ガム。新聞の懸賞クイズ〈火星人はどこへ?〉に、2年間ずっと勝ち続けてきた全国チャンピオンだ。だが彼には時折、自分が他人に思えることがあった。ほんとうに自分はいったい誰なのか? ある日、同居する弟夫婦の子供が、近所の廃墟からひろってきた一冊の古雑誌が引き金となって、彼を驚くべき真実へと誘っていく……奇才ディックの名作、待望の復刊!
  • 無伴奏ソナタ〔新訳版〕
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    超大型SF映画《エンダーのゲーム》の原作短篇版など、全11篇を収録した傑作短篇集!キャラメルボックス代表・演出家 成井豊氏激賞!
  • 時は乱れて

    Posted by ブクログ

    「我々が見ているこの世界は、本当に現実なんだろうか?」というテーマを、映画のマトリックスが仮想現実を描いたような表現方法で描いているかと思ったら、1959年に発刊された本書で描いた方法は、正直ぶっ飛んでいて驚きました。また、ジャンルはSFですが、まるで良質なミステリー小説を読んでいるようで、とても楽しむことができました。以下あらすじ。

    主人公のレイグル・ガムは、新聞の懸賞クイズ〈火星人はどこへ?〉で2年間勝ち続けているチャンピオン。彼は、他の人が外に働きに出かけているときに、一日中懸賞の研究と回答に費やす日々を送っていました。そのような暮らしを続けているうちに、ときどき自分が見ている世界に違

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    2024年05月12日
  • こうしてあなたたちは時間戦争に負ける

    Posted by ブクログ

    1ページ目から戦慄した。対立し合う2大勢力の其々の工作員の描写が凄くリアルで、アニメを文章で表現したらこうなるのかと納得。しかも文通を始めた2人は紙の媒体でなく、蝉の翅や年輪と手段も奇想天外で楽しませてくれる。手紙に表現される様々な引用も格調を高めてくれて、さりげない言葉のひとつ一つに作者の知識の深さが偲ばれる。英語独特の韻が多用されているが、原書ではなくてもルビが振ってあるので大丈夫。凄い本に出会った。

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    2021年10月01日
  • 旱魃世界

    Posted by ブクログ

    あっという間に暑い夏はすぎて秋。酷暑をふりかえりつつ、タイトルからして暑そうなバラードの作品を読む。燃える世界の改訂版の位置付けとのことですが、読みやすさも違う
    し、意味合いも違う文脈が多くなったような気がします。特にラストシーンなどかなり違うのではないでしょうか。これ翻訳の違いなのでしょうか?原文が変わったのでしょうか?

    読んだからといってこれからの人生が何か変わるかといえば何も変わらないですが、なんといってもバラードの魅力はそのシュール・リアリズムの絵画のようなビジュアルにも訴える強烈なイメージでしょう。この印象は一生残ります。「沈んだ世界」も再読してみよう。

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    2021年09月28日
  • 時は乱れて

    Posted by ブクログ

    今目に見えている世界は本当に現実なのか?自分は誰なのか?わずかなきっかけから浮かんだ疑問が次々とピースを呼び寄せ、少しずつ真実が明らかになっていく。ミステリー小説のようなスピード感ある展開にページをめくる手が止まらなかった。これは問答無用に面白い!
    あの映画のタイトルを上げてしまうとそれだけでネタバレになってしまうので伏せるが、1959年出版の本作が元ネタなのだろうか?
    ラスト付近、特定の年代にノスタルジーを感じる姿には共感してしまった。自分はYouTubeで80年代の映像ばかり見てるので……。

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    2021年02月15日
  • 遠隔機動歩兵 -ティン・メン-

    Posted by ブクログ

    このSF小説は面白かった。
    ジャンルでいえばミリタリーSFになるのかな。
    とはいえ、SFと言っても近未来の話で、現時点でも戦場で使われている米軍のドローン無人攻撃機(プレデターとかリーパーみたいな無人の飛行機がミサイルぶっ放すやつね☆)がヒト型の歩兵ドローン(遠隔機動歩兵ティン・マン)になって世界中の紛争地区で戦うという話。

    この本を手に取った時は、米軍の遠隔歩兵部隊のパイロット(←パイロットという表現が正しいのかわからないけど、要は歩兵ドローン『ティンマン』を操縦する人)の若者が
       俺強いだろ!!!!!ううぇいいいいいい!!!
    的なお話を想像したんだけど全く違った。

    ある意味、絶対に

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    2020年08月09日

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