作品一覧

  • こちら社会部
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    新聞社の社会部は、複雑で捉えがたい現代社会を写す鏡である。東京駅の実在しないホームをさがす若い女、変質者の親を持つ悲しみから殺人を犯す少年、秘密を持つ家出娘、などが、ふしぎな成り行きで、社会部記者を、事件の渦中に巻き込んでしまう。警察官と立場の違う彼らは、仕事として事件の核心に迫りながら、いつのまにか、人間ドラマの登場人物にさせられる。……これは、一流新聞の社会部記者として、豊富な体験を持つ著者が、フレッシュな手法で、現代という怪物を描破した、異色ドキュメント・シリーズである。「恐怖デパート」「野獣の記憶」等など、44篇を収録。
  • タイトル・マッチ殺人事件
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    1巻660円 (税込)
    霧の深い夜、世界バンタム級チャンピオンのホセ・ネルボと、日本バンタム級チャンピオン・竹中義夫の、タイトル・マッチが行われた。第5ラウンド、リングの中央に進んだ竹中は、突然、異様な苦しみに襲われた。そして、ネルボの勝利が告げられた時、竹中は謎の死をとげた。それに続く、湖上の水死事件と自殺事件。全篇スリルとサスペンスに富んだ、私立探偵・矢笠俊平ものの傑作ミステリー。
  • 夜は新しく
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    1巻660円 (税込)
    香料技術家の夫・毛利直保が、銀座街頭に連れだっていた若く背の高い女は誰だろう……。平穏な日常生活に退屈した28歳の人妻・由美子の心にしのびよる愛の渇き。そして、濃い眉と逞しい胸をした建築家の小泉青年とともに、バア・トレントで乾したジン・フィズの味が、ひとつの危機の重みとなって冷たくのしかかる。傷ついた美しい獣のような由美子が、死を賭してまで捉えようとしたものは何であったのか……。人妻の不倫に内側から照明をあて、大胆な筆致と濃密なムードに浮彫した野心的長編。永遠にかなしく美しい〈女のかたち〉がここにある。
  • P+D BOOKS 硫黄島・あゝ江田島
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    1巻605円 (税込)
    戦争が人々の心に刻んだ傷跡を描く名短編集。  2万人以上の日本兵が亡くなった硫黄島で辛くも生き残り、終戦後も3年以上穴居生活を続けた片桐正俊。「投降時に岩穴に隠した日記を取りに行けることになったので、そのことを記事にしてほしい」と新聞記者である〈私〉に依頼する。  だが、片桐はせっかく再上陸できた硫黄島で、自死してしまう。その原因を探るべく奔走する〈私〉は、やがて戦争が片桐の心に刻みつけた傷の深さを知ることになる――。  第37回芥川賞を受賞した「硫黄島」のほか、海軍兵学校に通う若者の葛藤を描き、映画化もされた青春群像「あゝ江田島」など、戦争文学の名作短編6篇を収録。
  • 傷ついて愛
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    1巻715円 (税込)
    美佐子は、夫の牧田がけがで入院したと聞いて、疑惑をつよめる。夫がけがをしたバーのある町は、日常生活とおよそ関係がない。なぜ夫は、そんな場所に行っていたのか? 結婚して10年余、美佐子は夫との愛情にすきま風が吹いているのを実感していた。そして病院にかけつけてみると、若い娘が……。現代の錯綜した愛の姿と多様性を、女性側からサスペンス豊かに描く長編。夫婦って何?
  • 運河が死を運ぶ
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    1巻550円 (税込)
    頭と脚と手首のない胴体だけの死体を詰めたトランクが、アムステルダムの運河で発見される。この猟奇的事件の被害者は、日本人の商社マン。強盗説、怨恨説などが飛び交うが、いずれも推理の域を出ない。敏腕記者の追跡の前に、事件はぶきみな深淵と輪郭を見せ始めるのだが……。表題作「運河が死を運ぶ」など7編収録の傑作ミステリー集。
  • 硫黄島
    3.6
    1巻638円 (税込)
    終戦から六年後のある日の夕方、ひとりの男が新聞社に勤める私のところに訪ねてきた。投降前に硫黄島の岩穴にうずめてきた日記を米軍当局の許可を得て掘り出せることになった。そのことを記事にしてほしいという。私はいくつか疑念を抱きながらも記事にした。ところが、後日、彼は硫黄島に渡り、現地で自殺してしまう。男を死に向かわせたものは何だったのか。私は男の足跡を辿りはじめる。昭和文学史に名を残す不朽の戦争文学。
  • 魔性の唇
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    1巻660円 (税込)
    三年前、新劇俳優の有賀進は、同じマンションに住む女性を殺害して逃げる男と階段上で激突。頭を強打した彼は、記憶の一部を喪失し、性的不能に陥った。 カウンセラーで特別秘密捜査官でもある赤垣美晴は、有賀の記憶に残っていた犯人像を追う。だが、捜索を開始した美晴を妖しい罠が待ちうけていた! 男女の性の葛藤を活写した、好評「赤い闇の未亡人」シリーズ。
  • その夜の人妻
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    1巻660円 (税込)
    ある日、帰宅したばかりの田島敏子に、へんな電話がかかってきた。聞きおぼえのない女の声で、夫の和之が浮気をしているという。敏子は、そのことを夫に話した。一笑に付すものと思っていたところ、夫は簡単に浮気を認めた。彼女は、彼を許す条件として、自分も浮気すると宣言し家を出た。(表題作) 男女の愛憎と、性の深遠を描いた官能&サスペンス傑作集!
  • 洞窟の生存者
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    1巻660円 (税込)
    太平洋戦争――この二度と繰り返してはならない歴史は、戦いの真の姿を眼をそらさずに見ることによって、再びその愚を冒さない抑止力につながっていくだろう。極限状況に置かれた東南アジアの戦場で、兵士たちはどのように生き、人を愛し、憎み、そして死んでいったか。――戦争の実相に迫る傑作小説集!
  • 牙狼の女
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    1巻660円 (税込)
    事件が起きたのは、小さな山間の町でだった。黒イヌをつれた黒マントの老人に、女子大生がレイプされたうえ、殺された。のどには鋭い牙による噛み跡が残っていた!(「狼男レイプ殺人」) 遠笠なつめは、占いをしながら放浪の旅をつづける霊能者。身に危険が迫ると狼に変身し、さまざまな悪霊の化身と戦う。 エロスの世界に伝奇ホラーを加味した連作官能サスペンス!
  • 耳の中に誰かいる
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    1巻660円 (税込)
    《妊娠した妻の過去に疑惑を抱く男の心理を描いた「拾った女」。 ミステリーファンの患者同士が病室の窓から見た光景によって殺人事件の謎を解く「病める窓」。 どの短編も、人間の小さなドラマシーンが、用意されている》 医師、看護婦、患者たちが織りなす病院ミステリー傑作集!
  • 野獣の舌
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    1巻660円 (税込)
    夫とのセックスレス状態に悩む山岸郁代は、不倫の果てに妊娠した――。カウンセラー赤垣美晴は、仕事の依頼で訪ねてきた郁代から相談を受ける。だが、数日後、郁代の絞殺死体が!? 曖昧な供述をする夫。その夫が突然、首吊り自殺を遂げた! 事件は一件落着かに見えたが、特別秘密捜査官の顔を持つ美晴は、独自の捜査を開始する。性の極致を活写。シリーズ13弾。
  • 震える肌
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    1巻660円 (税込)
    小森由紀江は、一夜の不倫を顔見知りの男に目撃されたことから強請られ、悩んだあげく赤垣美晴を訪ねた。男の目的は金か? それとも彼女の肉体か……。だが、男は約束の場所に現われず、やがて死体で発見された! 特別秘密捜査官でもある美晴は、複雑に絡みあう事件の渦中に身を投じ、真相に迫る。大胆な発想で、官能(エロス)&サスペンスの極致を描く好評シリーズ。
  • 悪霊たちの秘戯
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    1巻660円 (税込)
    奥日光の隠れ沼で、女性の水死体が発見され、さらに、バリ島旅行(ツアー)に出かけた夫婦をめぐる、怪死事件が発生した! 二つの事件の背後に、奇怪な結社の影が蠢く。カウンセラーでもある特別秘密捜査官の赤垣美晴は、〃掌気法〃で心身の健康を説く謎の団体「やすらぎランド」に潜入し、事件の真相糾明に乗り出す。 官能サスペンスの極地を描く好評「赤い闇の未亡人」シリーズ。
  • 獣たちの凶宴
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    1巻660円 (税込)
    浜名湖に近い別荘で、所有者の江沢清彦が何者かに全裸で殺害された! 一緒にいた女性は忽然と行方を絶ち、さらに近くのモーテルからも男の死体が……。ひと晩に、目と鼻の先で起きた二つの殺人事件。果たして、同一犯人による仕業か!? カウンセラー、特別秘密捜査官と、二つの顔をもつ赤垣美晴が、男女の性の葛藤を捌く、大好評〃赤い闇の未亡人〃シリーズ!
  • 魔手が這う肌
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    1巻660円 (税込)
    性(セックス)に歓びを感じない岩見絵津子は、レッド・ウイドウ相談室の赤垣美晴にカウンセリングを依頼した。美晴は警視庁特別秘密捜査官。二十余年前の轢き逃げ事件に秘められた謎が、若い絵津子に暗い影を落としていると知って、愛用の拳銃片手に事件糾明に乗り出す。 ますます快調の〃赤い闇の未亡人〃シリーズ、書下ろし第六弾!
  • 吸 淫 鬼
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    1巻660円 (税込)
    美容師の笹田真知子は、友人宅でレイプされた!〃赤い闇の未亡人〃こと赤垣美晴と相談した真知子は、女性だけでつくる「レイプと闘う女の会」に駆け込む。ところが、真知子をレイプした男が殺され、他の強姦魔たちも次々と、何者かに殺されていく……。 事件を追って美晴は能登へ。好評官能ミステリーシリーズ第5弾!
  • 闇を吸う肌
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    1巻660円 (税込)
    レイプから助けてくれたはずの男の手が、いつしか女の白い肌にのびて……。美しい未亡人、赤垣美晴はレッド・ウイドウ相談室のカウンセラーだが、実は特別秘密捜査官。愛用の拳銃片手に官能的な肢体と明哲な頭脳で事件に挑む。 エロティシズムとサスペンス渦巻く13編を収めた、大好評官能ミステリーシリーズ第4弾!
  • 魔性を撃て
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    1巻660円 (税込)
    赤垣美晴は美しい未亡人。レッド・ウイドウ相談室のカウンセラーだが、実は警視庁の特別秘密捜査官でもある。ある日、夫の不能を相談に来た人妻が全裸で殺され、その後、次々と殺人が。股間に残された写真の謎! 危機一髪、美晴の拳銃は火を噴くのか!? ヒット作「赤い闇の未亡人」シリーズ第二弾書下ろし長編力作!
  • 蛍火祭殺人景色
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    1巻660円 (税込)
    平家落人の里といわれる湯西川温泉の宿で、昔懐かしい映画の上映会が開かれた。新進女流講釈師・初柴あやめは、映画に登場した出演女優の奇怪な心中事件に好奇心を燃やすが、その矢先、露天風呂に浮いた同宿の女性編集者の死体! 妖しく美しい螢火祭に誘われて、謎が謎を呼ぶ……。 好評書き下ろしシリーズ第三弾!!
  • あやめ祭殺人景色
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    1巻660円 (税込)
    〃あやめ祭〃で例年賑わう水郷・潮来。だが二十年前、あやめ咲き競う川面に男の死体が。そして今、巡り巡って、「劇団・黒い夢」の新進女優・美紀の出生の秘密が、水面下に眠っていた事件を呼び覚まそうとしている! ニュー・ウェーブ講釈師・初芝あやめが、張り扇の音も小気味よく、次々と謎に体当たり。好評シリーズ第二弾!!
  • 秩父夜祭殺人景色
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    1巻660円 (税込)
    日本三大曳山祭のひとつ、秩父夜祭が最大のヤマ場をむかえる12月3日。祭の喧噪の陰で、レイプ殺人が発生。女性の体内に残っていた男の痕跡はA型だった……。 講談界のニュー・ウェーブ、女流講釈師の初柴あやめは、持ち前の好奇心と気っぷのよさで、事件の核心へと、のめりこんでゆく。 新しい探偵役登場!
  • 夜の扉を撃て
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    1巻770円 (税込)
    笠村俊夫は、殺人犯を射殺して辞職させられた元刑事。十年後、フリーの執筆者(ライター)となった彼は、かつての上司・山田清一が、娼婦とホテルに入るのを目撃する。その女性は、連れの男が帰った後で、全裸死体で発見された! だが、山田は犯行を否認したまま、〃投身自殺〃……? 都会の熱き夜を断つハード・サスペンスの長編傑作!
  • 背後の殺人者
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    1巻770円 (税込)
    伊豆の峰温泉に旧友の坂内登喜子を訪ねた旅行ライター北浦よしみは、14年前自分を捨てた母親信江に再会した。だが、娘に「話しておきたいことがある」と言っていた信江は、首吊り死体で発見され、登喜子も新潟・栃尾又温泉で同じ姿に! 現場にちらつく男の影は? 過去と現在を貫く男女の業を、若い女性の目で描く書下ろし力作!
  • 誰が引金をひいた
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    1巻880円 (税込)
    住宅機器メーカー社員の岸本は、シンガポールに単身赴任中、妻が何者かに轢き殺され、急遽帰国する。事件を調べるうち、化粧品会社の派遣美容部員だった妻には、岸本の知らない〃もう一つの生活〃があったことがわかってきた。そして岸本にも黒い手が……。 平凡な夫婦にふりかかった都会の恐怖を描く、サスペンス推理!
  • 首桶伝説
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    1巻880円 (税込)
    シナリオ作家の矢柴研一は、画家・木原登の描いた一枚の絵に、遠く記憶の底に眠っていた何かを揺さぶられた。彼は閉ざされた過去を求めて、富山県の五箇山へ……。そこで三十数年前に首桶村で起きた惨劇の輪郭が浮かぶ。だが、真相に迫る矢柴の周りに不可解な死が連続して発生、彼の身にも……! ハード・サスペンス推理の傑作。
  • 油壺殺人マリーナ
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    1巻550円 (税込)
    日本有数のヨットハーバーで有名な油壺。海を臨む高級マンションで、フィリピン女性の全裸死体が発見された。マンションオーナーの建築家・牧原は、一人息子の浩一が事件と関わりがあるのではないかと恐れて、スポーツ店を経営する友人・矢雲に調査を依頼した。まもなく、東京湯島のラブホテルでまたもや全裸死体殺人が起きた。被害者は油壺からほど近い城ヶ島のレジャーランド「マリン・ワールド」で働く女性だった。矢雲はやがて二つの事件を結びつける接点を知ることに…。

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  • ベルリンブルーの夜
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    1巻605円 (税込)
    二年前、出奔し都会の夜に蠢いていた青年利根洋二は、ある日、父がバーのホステスと投宿した熱海の旅館で客死したことを知った。死因は中高年を襲うというポックリ病であった。「あの父が……」死因に疑惑を抱いた洋二は真相を探るべく、さっそく調査を開始した。やがて浮かび上がる、死ぬ直前の父の不審な行動。そして仕掛けられた恐るべき罠に気づく洋二だったが……。大都会の孤独と若者の虚無を描いた傑作長編ハードボイルド!

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  • 残酷な月(電子復刻版)
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    1巻550円 (税込)
    金沢に向かう夜行寝台。新聞記者の杉は、女のうなされる声に目を覚まされた。少し抱いてほしいと哀願されて、杉は娘の肩を抱いてやった。だが、早苗というその娘は、朝の金沢駅で何も言わずに消えてしまった。帰郷後、杉は銀座のバーに早苗を訪ねた。そこで、杉は早苗が投身自殺したと知らされた。ところが、出張先の札幌で杉は早苗と会ったのだ――心惹かれる娘との謎の出会いと別れを描く長篇本格ミステリー!

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  • 夜だ花束を捨てろ(電子復刻版)
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    1巻550円 (税込)
    暴力団の罠にはめられて刑事をやめ、以来スナックで奏き語りをしている青桐啓の許へ、この店の常連だった竹末波子の死因が納得できないと、弟から相談が持ち込まれた。確か池井信弘という男が、波子を轢殺したと自ら警察に通報して自殺したことで一件落着していたはずだ。だが、青桐が調査に乗り出してみると、事件の裏にあくどい謀略が見え隠れしはじめて……。どす黒い性と野望を撃つ長篇ハードボイルド。

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  • 殺人者は夜霧に棲む(電子復刻版)
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    1巻550円 (税込)
    元シナリオライターの比留間悟は現在翻訳を生業としている。妻とは別れたが、十七歳になる娘の由利とは月一回会っている。その由利にかつての仕事仲間だった映画監督の岡山から、由利の映画出演を申し込まれたが、娘と相談の上断った。そんなある日、突然由利が失踪する。同じ頃、岡山も音信不通となった。二人の失踪は無関係ではないと思い、捜索を始めた比留間の前に次々と意外な事実が……。傑作長篇推理。

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  • けものの眠り(電子復刻版)
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    1巻550円 (税込)
    定年で香港から帰国した父を迎えた啓子は、なぜかその姿に暗い予感を覚える。果たしてある日、父は退職金を持ったまま突然姿を消した……。新聞記者の笠井は、啓子の父の消息をたどるうちに奇妙な事件に遭遇する。ラブホテルの情死事件、麻薬担当官の事故死……その背景に浮ぶ密輸業者。愛する女の破滅を遠望するしかない男は独白する――「誰でもけものを胸の中に飼っている」

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  • 八人目の敵(電子復刻版)
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    1巻605円 (税込)
    新進作家の鯉沼淳は、雪まつりで訪れた十日町の温泉宿で中年男の死体を発見した。翌日、上山田温泉に向う鯉沼は、突然、若い女に同行を求められる。女は中年男の連れだったが、なぜかその翌朝、鯉沼の前から忽然と姿を消してしまったのだ。帰京して女の行方を捜すうち、鯉沼は思いがけない事件に巻き込まれてゆく。彼の前に女が姿をあらわすたびに、彼は窮地に立たされるのだ。果して女の正体は何か?

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  • 誰かが見つめている(電子復刻版)
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    1巻605円 (税込)
    会社の同僚・亮子とのデイトの約束をホゴにされたばかりに江尻芳夫は倒錯の世界に迷い込み、男娼アンナの死体発見者となった。容疑をかけられ、窮地に陥った江尻は謎の男を追うが、行く先々で奇怪な殺人事件が起こった。一方亮子は、江尻の上役との間に不可解な謎を残したまま姿を消した。江尻は事件の鍵を握るアンナの仲間たちに接近すべく夜の酒場を彷徨、そこで3年前に起きたある暗い事件の真相を知る。

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  • 硫黄島

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    「硫黄島」
    戦争の大義を固く信じていたのに、彼は負け戦を生き延びてしまった
    そのことに耐えられなかった
    戦地での体験はそれほど強烈なフラッシュバックとして甦るのだろうか
    …といったアプレゲールものである
    虚言を強引にセンチメンタリズムへ落とし込んだ印象も強いのだが
    昭和32年の芥川賞を受賞している

    「しかばね衛兵」
    戦友なんて言ってみても結局
    誰だって一番かわいいのは我が身に決まっている
    それを思いつつ戦友の死体を前にしたとき、心が傷つく兵たちの話

    「奴隷たち」
    戦争が終わって、ソ連の捕虜になった日本兵たちの話
    その連帯意識は、鉄壁の収容体制が仕掛ける罠に打ち砕かれ
    やがて真っ赤に塗り替え

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    2017年07月30日
  • 硫黄島

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    全体を通して戦争を扱った短編集。
    表題作「硫黄島」は芥川賞受賞作だそうです。
    どの話も、誰が誰を殺したかと云う事に終始拘り
    葛藤し、破滅する主人公を描くパターンです。
    …と描くとゲンナリ気味ですが、
    語弊を恐れず云えばそれが面白いです。
    鳥瞰すれば、誰が誰を、では無く、
    みんな戦争と云う現象により殺し殺されて行ったのだ、
    と云う様にも読めます。
    思想的に苦手な人は苦手な書き方かもしれませんが、
    物凄く嵌りました。
    個人的には「奴隷たち」「ある戦いの手記」が好きです。
    (井田中尉は桐島が好きだったんじゃないかとか思うと…笑)

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    2014年11月24日
  • 硫黄島

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    解説で三好徹さん(読売新聞社での後輩)がディスってる、「生きるか死ぬともつかぬ海戦にでたこともない某作家は、海軍を讃美する文章を書きつらねる」センセイって誰? 文中引き合いに出している個人的に知遇を得ていた大岡昇平、古山高麗雄、城山三郎は除外。まさか、佐和子さんの父君じゃないだろうな…と思ってウィキを見たら違うっぽくて安心した。(断言は出来ないが、海軍に在籍して従軍経験はあるが阿川弘之さんの故郷広島市は原爆を落とされているので海軍讃美はせんだろう)。

    菊村到さんというと二時間ドラマ向けな色っぽいサスペンスの印象が強かったのだが、最初期には戦争体験を扱った重い作品が多いのですね。この文庫は芥川

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    2013年09月27日
  • 硫黄島

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    37回(1957年上半期)芥川賞受賞作。この時点では、すでに第2次世界大戦の終了後12年を経ているのだが、未だに戦争の後遺症が色濃く残っていたことにまず驚く。戦争を清算してしまうことができない人たちがいたのだ。本編の主人公、片桐はそうした1人で、今で言えば典型的なPTSDを抱えた人物だ。彼の一生は、戦争、なかんずく硫黄島での強烈な体験によって決せられてしまったのだから。一方、小説の作法は、新聞記者として物書きとしてのキャリアをスタートさせた菊村らしく、取材記を語るスタイル。それがかえって斬新さとなった。
     なお、解説によれば、1998年時点での「文芸春秋」のアンケートでは、過去60数年間の芥川

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    2014年04月19日

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