作品一覧
-
3.9
-
3.3
-
4.12013年7月に百一歳を迎える、私立灘校の学力日本一の基礎を作った伝説の国語教師が、学ぶ楽しさ、生きる喜びを伝える本である。著者が50年間教鞭をとっていた灘校は、橋本式の独特な国語の授業を受けた生徒たちが、昭和43年に初めて東大合格者数1位となり、全国的に注目された。その折には、マスコミ等から様々な誤解を受け、詰め込み教育をしているなどの根拠のない噂が流れ、哀しい思いもしたが、生徒たちには楽しい勉強法を工夫し続けた。大学入試という難関を潜り抜けるには、学問の基礎力が必要である。その基礎は国語力を身につけることで初めて可能となる。国語は簡単に成果が出る教科ではないが、受身ではなく能動的に取り組み体験を伴うことで好きになっていくと、いつのまにか基礎力が身に付き、人生を切り拓く大きな力となる。百歳を超えたからこそ見つけた「学問のすすめ」は生きる喜びを享受する「橋本流生き方のすすめ」の指南書である。
-
4.6
ユーザーレビュー
-
Posted by ブクログ
101歳で亡くなった灘高の国語の先生のエッセイ。
授業は中勘助の銀の匙の一冊を一年間で深く学ぶそのスタイルで注目された方だそう。
結果、生徒の国語力は上がり、学力も上がったとのこと。
学ぶことの楽しみやその学びをより一層深めていく探究心、続けることでの集中力もついたのもあるのではないかな。
著者のいう1つの本を深く読む、心から理解するというやり方は授業でなくても参考なる。
子どもに絵本を読み聞かせをするときも、これなんだろうね?という疑問はきちんと解決し、解決するまでのその手順を教えてあげたいし、本の中の経験を実際に体験することで経験値を積んであげたい。
読書により世界が広がるという -
Posted by ブクログ
『銀の匙』という作品を3年間かけて学んでいくという灘高の橋本先生による授業。生徒たちの分からないことはすべて拾い上げ、みんなで考える。例えば青竹水羊羹が出てくれば、実際に食べてみる。それを食べる際の音の表現がどうしてそうなったのかがそこで初めて分かる。能の話が出てくれば、生徒みんなで観劇に行く。凧揚げの描写が出てくれば、凧を創るところから始め、みんなで飛ばす。そうしてしらみ潰しに分からないを分かるに変えていくと、読んでいるだけでは分からない沢山のことが見えてくる。
ただ試験のために暗記する授業は忘れられていくが、この『銀の匙』の授業は、生徒たちの心に生涯残り、その後の人生の糧となる。
こん