作品一覧

  • セイジ
    3.9
    1巻539円 (税込)
    いまはもう寂れてしまった国道沿いの一軒のドライブイン。そこで、僕は、ただ純粋に不器用に生きる青年セイジに出会う。「人間って何だ」「人生っていったい何だ」――そんなことを考えながらも気のおけない仲間たちと楽しく過ごしていたある日、目の前で奇蹟は起こった。文壇を騒然とさせた話題作。太宰治賞作家の原点とも言うべき名作。「竜二」を併せて収録した。
  • 青空のルーレット
    4.2
    1巻440円 (税込)
    青い空に浮かんで、俺達はビルの窓を拭く――メシを喰うために、家賃を払うために。けれど俺達はそれぞれやりたいことを別に持っている。音楽、芝居、写真、マンガ……。だから、俺達が窓を拭いているのは、夢を見続けるためなのだ! 熱く純なハートを持った男達の夢と友情を感動的に描いた表題作。ほかに、第16回太宰治賞受賞作「多輝子ちゃん」を併録。
  • ラスト シネマ
    3.9
    1巻440円 (税込)
    映画がまだ輝いていた頃。雄さんは故郷を捨て東京へ飛び出した。しかし――歳月は流れる。銀幕への夢に破れ、病んだ彼は、生地に戻り死を待つのみだった。一言だけセリフを貰った一本の映画。人生の最後に、もう一度、雄さんに夢(シネマ)を見せようと、小学校三年の私は幻の映画を探しはじめる(「ラストシネマ」)。傑作と名高い掌編「中村正太郎さんのこと」を併録。
  • いつでも夢を
    4.0
    1巻440円 (税込)
    手にカッターナイフを握りしめ、街角で雨に打たれつづける女。その姿を放ってはおけない二人の男。女と同様、胸の奥に深い哀しみを抱えるヤクザ者。生きるのに無器用な、売れない小説家。それぞれの孤独が出会ったとき、ほのかに希望は生まれ、やがてそれは、大きな愛情へと育ってゆく。太宰治賞作家が描く、ひとを愛するよろこびに満ち溢れた「純愛小説」の傑作!
  • 信さん(小学館文庫)
    4.0
    1巻440円 (税込)
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 福岡・飯塚の炭坑町。私の小学生時代、町で知らないものはいないひとりの悪童がいた。その少年、信さんは、内向的で漫画を読むことが唯一の楽しみだった私を、ある日、いじめから助けてくれた。直後、その場を偶然通りかかった私の母は、誰もが恐れる信さんに微笑みかけた。その日から、信さんと私はいつも一緒だった。昆虫の群れる樹木の在りかから、鉄人28号の似顔絵まで、信さんは様々なことを教えてくれる遊びの天才でもあった。しかし、そんな日々も長くは続かなかった-。人生という名の野っ原を全力で駈けた少年が、いた。心に青く沁みる、名もなき魂の物語。
  • 青空のルーレット
    4.0
    1巻440円 (税込)
    俺達はビルの窓拭きだ。俺達は今日もビルの外に浮かんで、窓を拭いている。気楽な稼業、呑気な商売。ときどき危険、死んだ奴アリ。俺達が窓を拭いているのは、メシを喰うためだ、家賃を払うためだ。しかし、俺達が窓を拭いているのは(誓ってもいい)、夢を見るためだ。……燃えるような夢を抱いて、都会の片隅で働く男たちの篤い友情を描く、感動の物語「青空のルーレット」。のびやかな文体と小説家的資質を高く評価された、第十六回太宰治賞受賞作「多輝子ちゃん」を併収。
  • セイジ
    3.9
    1巻880円 (税込)
    これはただ、一人の男が見上げた、小さな青空の物語だ。――純粋であるがゆえに、不器用な生き方しかできない男たち。彼らの思いがけない言葉と行動によって、人びとは人生の真実を知ることができる。太宰治賞作家による、奇跡と感動の物語二篇。
  • 青空のルーレット

    Posted by ブクログ

    綺麗な言葉をたくさん紡いでいる小説。

    青空にぶら下がり、太陽に灼かれながら、それでも窓を拭き続け、夢を見続ける夢追い人たちの物語。(高所窓硝子特殊清掃作業員)

    0
    2022年02月18日
  • セイジ

    Posted by ブクログ

    2017/12月
    辻内さんは自分と似た生に対する探求心をもっているというかその境遇におかれているような気がして
    セイジも竜二も
    生の本質に迫る気がします

    0
    2017年12月06日
  • 青空のルーレット

    Posted by ブクログ

    温厚な萩原さんが言う
    「夢を見るから、人間なんだっ」
    「夢を叶える事よりも、夢を見ることで、
    人間は人間になれるんだっ、
    お前なんかに分かってたまるかっ」

    この言葉を言うために、物語が つくられた。
    高層ビルの窓ふきの人たちの物語。
    その人たちは 窓を拭くだけではなく、
    大きな夢を持っていた。
    音楽、小説、俳優などなど。

    何かが、うれしいなぁ。
    そういう想いをもって、シゴトをしていることが。

    『多輝子ちゃん』
    ちいさな街で、住んでいると すぐさま、噂に事欠かない。
    多輝子ちゃんは、バスで1時間かかる 
    都会の優秀な学校に通った。
    オトコとキスしてた。
    オートバイに乗っていた。
    髪の毛を赤

    0
    2018年03月05日
  • 青空のルーレット

    Posted by ブクログ

    タツオをはじめ宝栄の仲間たちが好きだ。男同士で好きって言葉を聞くことはあまりないけど、あいつらはそんな気持ちでつながってるんだと思う。社長もそんなタツオたちを理解してくれてるし、青空が似合うあいつらは何とも清々しい。多輝子の少年を思う「好き」もいい。誰かを好きになることで、日常が日常じゃなくてワクワクしたものになる。何を好きになるかって自分自身を決めちゃうくらいに決定的な選択かもしれない。この物語を好きって思えて良かった。

    0
    2015年05月11日
  • 青空のルーレット

    Posted by ブクログ

    「俺たちが窓を拭いていたのは食べていくためだった
     俺たちが窓を拭いていたのは家賃を払うためだった
     だが誓ってもいい、
     俺たちが窓を拭いていたのは夢を見続けるためだった」

    大人の青春物語。
    健全に生きてくのって難しくて、だから格好いいのかなって最近思う。


    「夢を叶えることよりも、夢を見ることで、
    人間が人間になれるんだ」


    ことばを言い放つ萩原さんが保雄のことを
    尊敬と羨望をもって見守るのがまた、いい。

    一斉に降ろされたロープに爽快感100%です。

    0
    2015年01月13日

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