シティブックス作品一覧

非表示の作品があります

  • 金瓶梅1
    続巻入荷
    -
    1~3巻770円 (税込)
    世界の四大奇書の一つと言われるのがこの本『金瓶梅』だ。その書名はほとんどの人が知っているはずだが、さてその全訳となると目にした人は少ないはず。なぜなら本書本以外、全訳がないからだ。この本では露骨な性交の描写も訳されている。 物語の舞台は十二世紀の山東・清河県。主人公の西門慶は正妻のほか五人の夫人がいる、そのうえに女中や乳母、使用人の女房たちとも関係をしているし、遊郭にも通う。色と欲とが絡み合った人間臭いドラマが流れている。 中国の性に関するおおらかさを楽しんでほしい。デジタル化にあたり、長大な物語を四つに分けて編集をし直した。
  • 新・恋愛小説館
    NEW
    -
    大好評を博した「恋愛小説館」の続編。というより、新たな極上「恋愛小説館」である。 10の短編は「冬の宴」「白い香り」「緋い石」「陽ざかり」「落葉樹」「枯菊」「即興曲」「ララバイ」「彩雲」「青空」からなり、それぞれが特異な状況に置かれた男女の心理の移ろいを見事に描ききった。 連城三紀彦という、類い希な作家の豊かさや才能が本書に残されている――。
  • 幻獣の森
    NEW
    -
    1巻693円 (税込)
    ふたりの男が延髄を刺され、トリカブトを注入されて死亡した。つづけて、女性も亡くなった。一見すると、何のつながりもないと思われたが、3人とも茸狩りでペンションに泊まった折、土石流に巻き込まれていた。生き延びた男は、そのことに気づき、思いもよらぬ手段を講じ、殺人鬼に抗していく――。〈表題作「幻獣の森」〉。ほかに「蟹と狼」「変化(へんげ)」「巨猪の山岳」。全4篇とも、脳の奥底を揺さぶる刺激に充ちた作品集。 西村寿行って、こんにもヤバい小説を書いていたのか――。
  • 軽井沢・京都殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    旧軽井沢で広大な敷地をもつ元華族の大邸宅で、本物のセレブが参集し、酒と料理と会話を愉しむパーティが催された。深夜になって、参加していた日本のホテル王の姿が見えなくなった。皆で探していると、二階の部屋で短剣を胸に一突きされて殺害されていた。数日後、軽井沢でのパーティに参加していた現職の国会議員が東京湾の倉庫街で殺害されているのが発見された。 これは連続殺人なのか、はたまた、偶然なのか。元華族の美女が、殺人に関わっているのか――。パーティに参加していた可愛くてしっかり者の女子大生・神谷慶子が事件の裏に潜む動機を探っていく!
  • 恋愛小説館
    -
    著者はあとがきで、この十の物語を書くことになった動機について書いている。 「愛という言葉を解説するのに、僕にはこの十の物語と本一冊分の字数が必要だったのです。四十近い年齢で漠然と考える恋愛には、恋の甘美さはなく、愛のほうも純粋にそれだけというわけにはいかず、生活の雑事の埃と煤にまみれています。(中略)その埃と煤のほうを書きたかったのだとも思います」(後略)」 愛という言葉に、誠実に向き合った著者が出した誠実な答えが、この短篇集にある――。
  • 人間の十字路
    -
    1巻715円 (税込)
    あり得ないほど見事なまでに、特異な短篇集だ――。北アルプス山麓の村で、若者の失踪が相次いだ。究明のために訪れた法師の伊良加は、そこに強烈な霊気を感じ取り、挑んだがはかなくも敗れてしまう。そこで頼ったのが、高僧の紹運だったが、はたして、どうなるのか……。(「情鬼の邑にどらわれし女の物語」より)。九つの短篇すべてが「~~の物語」と題され、全編に描かれる異界と現実の交錯には嘆息――。
  • 尾道殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    カタログ雑誌の編集長・椎名紗智は、カメラマンを伴って、掲載依頼のあった尾道の水産会社を訪ねた。応対に出たのは社長の高梨だったが、取材途中にもかかわらず、社長は姿を消してしまった。仕方なく椎名編集長とカメラマンは帰京して社長からの連絡を待ったが、数日後に報されたのは高梨社長の殺害されたということだった。 警察庁の宮之原警部に淡い恋心を抱いていた椎名紗智は、すぐさま助言を求めに向かった――。
  • もうひとつの恋文
    -
    絵本作家夫婦の間に、すっと入り込んだ若者。彼が夫婦に心の隙間をついていく「もうひとつの恋文」、知らず知らずのうちに、不美人ながら尽くす女に心を奪われていく男の心模様を描いた「手枕さげて」など5作品を収録。創作のきっかけになったのが、友人や編集者が何気なく洩らした言葉・フレーズというから、一流作家の創造力に唸ってしまう。このあたりのことは「あとがき」に詳しく書かれている。一読推奨――
  • 死紋山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    夏が終わりを告げる頃、北アルプス・赤岳ヒュッテの管理人が遺体となって発見された。山を熟知している管理人が遭難するはずがなかった。人が良い彼がなぜ、殺されなければならなかったのか。そこには、山小屋で起きていたあることが、源流だった――『遭難遺体の告発』。全7篇。アルプスの山々を舞台にした殺意と刑事の活躍を、熱量高く、切れ味鋭く描ききった短篇集。
  • 京都小町塚殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    女友だちと京都麩屋町通りを歩いていた服部温奈は、父親が上品な女性と高級料理店に入っていく姿を見かけた。翌日、母から寝起きの電話で父が殺されたことを報された。京都田辺署に駆けつけた温奈は茫然自失のなか、被害者の家族にもかかわらず、刑事から酷い言葉を投げつけられる。 不快と哀しみに負けることなく、温奈は父の名誉のためにも動きだそうと心に決めると、宮之原警部が寄り添ってくれるが……。
  • 背中合わせ
    -
    ふと垣間見せる、日常の中での男の思惑や女の想いが、ふたりの関係を終わらせたり、はじめさせたりする――。 男は浅はかで女の真の考えをすくい取れないのか? 女はどこまでいっても思慮に富んでいるというのか? 男と女、夫と妻の関係の剛さや脆さを描く21の短篇集。 ここまで見事に鋭く日常を切り取れるものか?
  • 悪霊刑事
    -
    1巻715円 (税込)
    警視庁の刑事・妙玄真之は別名「悪霊刑事」と呼ばれるが、そんな刑事は在籍していない。 ところが、彼にしか解決できない事件が勃発すると、どこからともなく「悪霊刑事」は現れ、実在の者となる。 今回は、ヒトや家畜の体内に入り込んで卵を産み付け、狂気へと導く殺人蠅なるものが大量発生したことで、「悪霊刑事」は現れた。生物学者はもとより、自衛隊の火器を使っても食い止められない殺人蠅を、妙玄はいかに立ち向かうのか――。寿行ワールド全開の異界ハードロマン!
  • たそがれ色の微笑
    -
    竹内は担任教師の小林から、同じクラスの野川靖子との交際は控えるべきとの指導を受けた。そんな事実はないたので戸惑っているところへ、今度は当の野川靖子からは、教師にちょっかいをだされて辟易しているから、交際しているフリをしてくれないか、と頼まれた。仲睦まじいところを小林に見せつけるうちに、なにかがおかしくなっていく……(「落ち葉遊び」)。ほかに「たそがれ色の微笑」「白蘭」「水色の鳥」「風の矢」。全5篇、連城三紀彦の企みに感嘆――。
  • 京都いにしえ殺人歌
    -
    1巻682円 (税込)
    女友だちと隅田川言問橋あたりを散歩していた野坂夏代は、偶然にも、男たちのいざこざを見てしまった。恐る恐る近づくと、若い男はダイイングメッセージのように「ミヤコドリ」という言葉を遺して亡くなった。その後、殺害された男が、兵庫県屈指の高級住宅街に住む資産家・精道酒造の御曹司であり、著名な歌人であると判明した。野坂夏代は、ダイイングメッセージを聞いた者として、捜査に乗り出した警察庁の宮之原警部に帯同するが、捜査は困難を極めた――。
  • 前夜祭
    -
    どの夫婦にもありそうな秘密、浮気、不倫を描きつつ、そこに横たわるミステリアスな側面を見事にあぶり出した短篇集。 夫と妻って、きちんと向き合ってもややこしくなるのに、そこに姑や小姑が加わったらどうなることか。男と女、夫と妻の心の襞にひそむ愛と憎しみが、予想外のとんでもない結末を運んでしまう……。せつなさとため息と感動の八つの作品。
  • 夜のない窓
    -
    愛することが出来なくなってしまうと、真実だった愛は憎悪へと変わる。それが妻だった時、夫は離婚という方法ではなく、憎悪を妻に打ち込むことを選んだらどうなるのか。妻を最悪の状況に向かわせるために実行した夫の驚愕の方法とその結果とは……。表題作となっている「夜のない窓」。ほかに、親友と結婚することになったかつての恋人が、一晩だけつきあってといってきた「今夜だけ」、「午後だけの島」「山雀」など。男と女、それぞれが秘めた憎しみは、こんなにも見事にケリをつけられるのか。嘆息――。
  • 離婚しない女
    -
    表題作の「離婚しない女」では、読み始めてすぐ、 「夜明け頃に吹雪き始める。それまでに死体を岬の先端まて運ばなければならない」 という一文。いったい何が起こったのか、「私」という人物は誰なのか。 幾重にも謎を重ねた上質のこの事件、ミステリーの根幹に何があったのか。ほかに、「写し絵の女」「植民地の女」の2篇を収録。 いずれも、驚きの展開が待っている――。
  • 赤い霧の殺人行
    -
    1巻682円 (税込)
    つい今しがたまで一緒にいた恋人の珠樹が「好きです、死にたいほど」という書き置きを残して消えてしまった。手塚は珠樹がいなくなったことで、彼女への愛の深さを知ることとなった。 珠樹はどこへ行ったのか。東京にいても手掛かりは得られず、彼女の故郷を訪ねようと決めた。手塚はそこで、壮絶な彼女の生い立ちととに、失踪の理由にも触れた。愛を知った男は、恋人を捜すことができるのか――。 後に大活躍する宮之原警部が、脇役で登場するのも興味深い。
  • 殺人者は二度唄う
    -
    1巻682円 (税込)
    美しい依頼者の弟は失踪した。銀行預金を解約し、全額、依頼者の口座に振り込んだ。そして電話をかけてきて、アリスの「帰らざる日々」を唄ったという。失踪したからこそ浮かび上がった意味深な行動だった。 失踪には理由があったのか? 本当に自らの意志によるものか? 誰かの意図がそこに働いていないか? 私立探偵・秋津慎平は、彼が原発作業員として働いていた敦賀に向かった――。
  • 螢草
    -
    渡世の世界で、自分を信じて生きる真っ正直な男「昭次」と、「姐さん」と呼ばれる親分の女房「絹」とのせつない交情を描いた「螢草」、バーの女に夢中になって家庭を捨てた夫を本当の心に想いを馳せる「微笑みの秋」、「カイン」「選ばれた女」「翼だけの鳥たち」など五編を収めた、著者独特の味わいに満ちた短篇集。読了時には、読書の満足と喜びが得られるはず――。
  • どこまでも殺されて
    -
    待望の連城三紀彦作品! 「どこまでも殺されていく僕がいる。いつまでも殺されていく僕がいる」。 7度殺され、8度めの殺人が間近にある、という手記。そして、高校教師の元に、「僕は殺されようとしています」というメッセージが届く。これは現実の犯罪なのか、悪戯なのか。僕とは犯人なのか、被害者なのか? 周到に埋め込まれたいくつもの伏線と展開が待ち受ける驚愕の本格推理エンターテインメント!
  • 潮の葬列
    -
    1巻671円 (税込)
    私立探偵の秋津慎平は、人生を甘く見ていたのかもしれない。そう非難されても返す言葉はなかっただろう。もっとも大切にすべき女を、もっとも軽んじることをしたのだから――。 秋津のパートナーの敬子が、友人の結婚式に参列するため、式場となっている徳島県の高松市へ発った。秋津は敬子との関係を深めるため、敬子に合流した後、四国旅行を計画した。だが、秋津の女へのだらしなさのせいで、敬子と会えなくなった。敬子はどうなったのか? 秋津は悔恨を胸に、敬子を捜すことになる――。
  • 飛騨高山祭り殺人事件
    -
    1巻693円 (税込)
    飛騨高山の老舗料亭の息子は、東京でプロカメラマンとして成功を掴もうとしていた。そんな折り、実家の依頼という弁護士が訪ねてきて、今後一切、実家の料亭に関する権利を放棄してほしいと言って、五千万円の小切手を提示した。その後で、父親が事故に遭って亡くなったと告げた。 伝える順序が違うのではないか? 高山に住む妹夫婦は何をてしいるのか? 父の死をなぜ伝えてこなかった? 実家で何が起きているのかを確かめるため、息子は急遽、高山に向かった――。そこでは、思いもかけない重大事が連続して起きていた!
  • 京都嵐山殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    京都四条河原町の裏手で、すぐ近くの乗雲寺の住職・神野全乗が刺殺されていた。そこには棄てらていた1万円札が数百枚、風に舞うという異様な殺人現場となっていた。そこで犯人として目をつけられたのが、アクション俳優の鈴鹿進一郎だった。 鈴鹿は、京都を舞台にした映画撮影のためにやってきたが、正義感と目立ちたがりの精神から、事件の真相解明に突き進んでいく。日本中に知られている有名人とはいえ、捜査権などない芸能人が、どうやって犯人を見つけるのか――。
  • 復讐の狂炎
    -
    1巻682円 (税込)
    親友と思っていた出世が早い同期入社の男に蔑まれ、侮辱の言葉を投げつけられたら、サラリーマンはどうしたらいいのか? 上司の策略で左遷させられても、黙って従うのがサラリーマンなのか? 地方に飛ばされている間に、妻に浮気されたサラリーマンは、子どもや家庭のために見て見ぬフリをすべきなのか? 本書の中編4本に、それらの答が描かれている。 悔しさと悲しみを堪えるばかりが正しいことではない。不誠実な者たちに、冷徹に鉄槌を下す。怯まずやり抜くその胆力と正義感が、正しいサラリーマン人生に導く――。
  • 室戸岬殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    デザイナーズブランド、化粧品会社、デパート、宝飾品会社、そして大手広告代理店が共同出資して、東京をファッションの発信基地とする大々的なキャンペーンがはじまった。百億を超える予算のこのキャンペーンを、途中で止めるわけはいかない。 ところが、イメージモデルに抜擢した城野純への中傷、脅迫が、代理店に届いた。モデルの純への個人的な恨みなのか、世界が注目するこのキャンペーンの失敗をもくろむライバル会社の画策なのか。宮之原警部が敢然と巨悪と邪欲に立ち向かう――。
  • 雪の埋葬
    -
    1巻682円 (税込)
    私立探偵・秋津慎平の新たな依頼は、妻が失踪したと悲嘆にくれる夫・依田努からだった。 さっそく捜索をはじめるとすぐ、妻本人から、離婚したいから身を隠したという電話が入り、慰謝料5000万円を渡してくれと言ってきた。それはまるで、誘拐犯からの身代金要求のようだった。 普通ではない失踪に、秋津慎平は食らいつくが、はたしてその先に待っている事実を掴めるのか――。
  • 安芸いにしえ殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    日本最大のスーパー・ケイユーの関西総本部長の村瀬の元秘書だった吉羽早紀子は、ホテルでの逢瀬の翌朝、手荷物を届けるように頼まれた。ところで、届け先の相手は殺害されていた。あまりのショックに震え上がる早紀子に追い打ちをかけるように、届け物が警察に押収されてしまった。その件を村瀬に伝えようとしたが、連絡がとれなくなってしまった……。不吉な予感に包まれる早紀子は、宮之原警部と出会った。
  • 迷路に花束
    -
    1巻682円 (税込)
    別れた女房に未練はないが、ひとり息子には少しばかり気を遣っている私立探偵・設楽公次の仕事場を訪ねてきたのは、心中で亡くなった女の母親だった。 事故とは思えないので調べてほしいという依頼だったが、設楽は気乗りしなかった。警察では心中に不審な点はないと公式に発表したというのだ。渋々ながら引き受け調べはじめると、次第に心中とは到底思えない事実がでてきた。探偵は細い糸をたぐるよう慎重に、頭脳と男の肉体を使い、心中の核心に迫っていく――。
  • 穂高屏風岩殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    読み応え十分の中編3本からなる山岳推理集である。 「穂高屏風岩」では、穂高屏風岩の屏風ノ頭で恋人と待ち合わせしていたが現れないと、女性が山小屋に助けを求めてきた。男はどこに行ったのか。 「鬼の生還」は、遭難した男が羽毛服を着ていなかったことに違和感を覚えた豊科署の刑事たちは、そこから重大な事件を嗅ぎ取った。 「夜の山脈」では、食堂に4歳の男の子がひとりでご飯を食べやってきた。この子に両親はいないのか。食堂の店主からの通報を受けた道原伝吉は、単なる迷子ではなく、事件が潜んでいると直感した。
  • 消された邪馬台国への道
    -
    1巻792円 (税込)
    邪馬台国はどこにあったのか――。 古代史ファンにならずとも大きな関心を寄せるこの重大事について、「魏志倭人伝」等の資料を丹念に読み込みんだ作家が自由な発想をもとに結論を導き出した。 当時の日本とは、こういう立ち位置、こういう立場だったのか。読めば読むほど納得の結論に、驚くばかりだ。
  • 働くことがイヤな人のための本
    -
    仕事に生き甲斐を見いだせないで悶々としている20代、30代、40代、50代の人たちを登場させながら、仕事とは何か、生きるとは何かといった本質に迫っていく。 仕事に疑問を感じた時、立ち止まって考えたい時、本書を手に取ってほしい。哲学者だからこそ語れる核心が散りばめられている。
  • 薩摩いにしえ殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    銀座ホステス「キリコ」のホステスがお店を休み、故郷の鹿児島に帰郷した。そこで待ち受けていたのは、誰ともわからぬ憎悪であった。大切な人気ホステスを殺された銀座クラブのママは、一度出会った警察庁でただひとり捜査につく宮之原警部に、捜査を依頼することにした。 宮之原警部は、艶やかな銀座のクラブママとともに鹿児島に飛んだ!
  • 邪悪なる小説集
    -
    1巻715円 (税込)
    モチーフは、人が密かに持つ、邪悪な心――。見ず知らずの少女に銃で撃たれるために存在していく男を「銃をもつ少女」,自らの目を抉り、身体を消滅させてまで喝采を得ようとする役者を描く「再臨」、川上から流れてくる無数の水死体に覚悟をもって望む村の揺らぎを描く「流れる」など8作。あまたの「邪悪」を鮮烈に描く問題短編集。
  • 八ヶ岳山麓殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県の八ヶ岳周辺の三つのゴルフ場に届けられたキャディバッグの中に、女性の上体の一部が氷詰めにされていた。山梨県側の三ヵ所のゴルフ場には、下半身が詰められたキャディバッグが届けられた。長野、山梨にまたがるバラバラ殺人事件の発生であった。 特別合同捜査本部が設置され、道原伝吉刑事も専従することになった。道原刑事は、若い貞松刑事をとともに、宅配便の荷受けした東京都内の運送会社に向かった。残虐な殺人事件は、思いもかけない展開を見せることになる――。 道原刑事、渾身の推理と地道な聞き込みが、捜査の停滞を打開する!
  • 癒す力の科学
    -
    1巻715円 (税込)
    皆さんが心とからだの関係について疑問に思っていることについて、できるだけやさしく説明しようとしたものです。 そして人はどうして病気になるのか、またどうしたら病気にならないようにすることができるのか、また病気になっても、どうしたら治ることができるのか。あるいは治らなくても、病の進行を遅らすことができるのかを説いたものです。(「はしがき」より)
  • 野麦峠殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    人気女優の仁科奈津子は、記者会見を開いて重大発表をした。世間を揺るがせたその発表後、映画のロケの予定だったが、彼女は現れなかった。 首を吊っていたのだ。テレビリポーターの連城蘭は、自殺とされた警察の結論に疑問を抱き、取材と称して独自に調べていく。 行き詰まりを見せるなか、警察庁広域捜査係の宮之原警部が乗り出す。だが、政権政党の政治家が絡み、宮之原警部も窮地に追い込まれる――。
  • 京都百物語殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    シリアスさを保ちつつ、軽妙かつ洒脱をふんだんに織り込んだ、梓林太郎の初期の意欲作だ。 大手総合商社の課長であり、東京調布の大地主でもある松代小弥太は、土日になると身分を隠し、新宿歌舞伎町あたりでヒッピーごとき姿形となる。「ヒッピ」と呼ばれる松代のそばにはいつも、真冬という名の年端もいかない女の子がいて、彼女がトラブルや事件、厄介事を持ち込んでくる。全6話の連作。クセになる面白さを秘めた珍作!
  • 佐渡・上高地殺人ライン
    -
    1巻682円 (税込)
    シリアスさを保ちつつ、軽妙かつ洒脱をふんだんに織り込んだ、梓林太郎の初期の意欲作だ。 大手総合商社の課長であり、東京調布の大地主でもある松代小弥太は、土日になると身分を隠し、新宿歌舞伎町あたりでヒッピーごとき姿形となる。「ヒッピ」と呼ばれる松代のそばにはいつも、真冬という名の年端もいかない女の子がいて、彼女がトラブルや事件、厄介事を持ち込んでくる。全6話の連作。クセになる面白さを秘めた珍作!
  • 三河高原鳳来峡殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    公共放送JHKのカルチャーセンターの理事長が、愛知県鳳来峡で転落遺体で発見された。他殺と断定された。 娘の由岐は知らせを受けて現地へ向かったが、意外な事実を知らされた。父親の銀行口座には7億円以上もの残高があるという。通夜の席上、JHK会長から「横領だ」と罵られてしまう。 「父に限ってそんなことはしない」と信じる由岐は、警察庁の宮之原警部に捜査を依頼した。鋭い推理をもとに、宮之原警部は巨額な裏金と黒い人脈、卑劣な罠を明かしていく。今だからこそ愉しめるトラベル推理長編!
  • 信州・佐渡殺人鉱脈
    -
    1巻682円 (税込)
    生活費と大学の授業料のために住み込みで新聞配達のアルバイトしていた信州大学の学生・青島蕗子が行方不明になった。それはバレンタインデーの夜のこと。彼女は19歳だった。 諏訪署の刑事・道原伝吉は捜査に乗り出すが、彼女は絞殺されていた。付近を徹底的に捜査するうちに、近くの畑から若い男性の刺殺死体が発見された。これは連続殺人なのか、偶然なのか。 道原伝吉は、事件の裏にひそむ複雑に入り組んだ過去と今の憎悪に立ち向かう。
  • 舘山寺心中殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    浜名湖畔の舘山寺温泉で凄惨な事件発生! ペットショップのオーナーが、腹部を動物に食いちぎられて死亡しているのが発見された。 時を同じくして、オーナー所有のアメリカのドッグショーでチャンピオンになった犬種バーニーズマウンテンのエミールの行方がわからなくなった。チャンピオン犬が突如、牙を剥いたのか? エミールを愛する老舗旅館の娘が、宮之原警部に依頼するが……。
  • 名器は殺しの味
    -
    1巻682円 (税込)
    12話からなる短篇集。短編二話ごとに間奏としてさらに短い短編を挟みという凝ったり構成である。本書は著者が苦労してデビューして6年ほど経ったころに書かれたもので、いわば、自信を得て脂がのってきた頃の著作といっていい。意欲的な短編ばかりで、読み応え十分だ。
  • 広島水の都殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    最先端のバイオ技術の研究に取り組むバイオセラピー社の社長・久枝治臣が、広島のホテルの浴室で死亡しているのを発見された。 広島県警は自殺と断定したが、娘の晴香は信じなかった。父に自殺する動機がないと訴えても、広島県警の刑事たちに信じてはもらえなかった。 助けを求めたのは、警察庁の広域捜査官の宮之原警部だった。 調べを進めると、欲深い政治家や企業が、バイオセラピー社の技術に群がっていることがわかった。はたして、本当に自殺だったのか、自殺と偽装した他殺だったのか。宮之原警部は、核心に迫っていく。
  • 仙丈岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    南アルプスの仙丈岳に登っていた2つのパーティの計5人が、激しい吹雪のなか、仙丈小屋にたどり着いた。 両パーティの食料は底をつきかけていたが、天候の回復は見込めず、足止めをくっていた。そんな状況のなか、新たに雪男と見紛うような大男が、小屋に避難してきた。 大男は、リュックを失い、なにも持っていなかった。5人はその大男のために、食料を供出するばかりか、寝袋まで貸すことになったが、大男は当然の顔で、感謝の言葉すら口にしなかった。 大男さえいなくなれば、生きながらえるのではないか。追い詰められていた両パーティの5人は、思いもかけない決断をする――。
  • 炎の埋葬
    -
    1巻660円 (税込)
    私立探偵・秋津慎平の事務所に、八王子の病院長・若生文彦が訪ねてきた。 「行方がわからなくなった母を捜してください」という依頼だった。若生家の後妻に入った義理の母は50歳とまだ若く、息子である文彦とは8歳しか年の差がなかった。 預貯金をすべて解約、投資していた株もすべて売っていた。 覚悟の家出にみえたが、調べを進めていくと、誰かに脅されていたらしいことがわかってきた。丹念に美貌の母の足跡を追ううち、秋津は何者かに襲われる。 失踪した義母は生きているのか。依頼した病院長と義母との関係は――。精巧にくみ上げられたハードバイオレンスは、意外な結末に向かう!
  • 仮面を脱ぐ女
    -
    1巻671円 (税込)
    私立探偵・伊賀光二は、普通の探偵なら断るだろうという、難しく、倫理的にも問題がありそうな依頼を受けた。 依頼は女からのもので、暴力団や政治家ともつながりのある金融会社社長が、複数いる愛人と絡んでいる写真を撮って欲しいというものだった。 いくら仕事ととはいえ、プライバシーを侵していいのか? その依頼に隠された真の企てとは何か?  私立探偵は、生命を賭して真実に立ち向かことになる!
  • 若狭恋唄殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    日本でもっとも有名な寺・奈良の東大寺。そのすぐ近くで、道路上にもかかわらず、女性の溺死体が発見された。 被害者は、大蔵官僚のエリートと婚約披露のパーティーを、福井県小浜市で前夜に開いたばかりだった。 そのパーティーに参列していた、被害者の元上司だった椎名紗智は、異様な状況を察し、警察庁の宮之原警部に事件解明の依頼をするのだった。 幸せ絶頂の女性が、なぜ殺されたのか。はたして、殺されなければならなかったのか。犯人の目的は何か。宮之原警部が、巧妙に仕組まれた罠と犯意を解き明かしていく――――。
  • パラサイト式血液型診断
    -
    1巻792円 (税込)
    A型、B型、O型、AB型――。一世を風靡したABO式血液型による占いは、いつの間にか下火になった。人間を4つの型に分けて分析するなんて乱暴すぎる、といった当然の批判が噴き出すようになったあたりからだろう。 本書は、血液型について真正面から科学的にとらえたものである。 血液型は、生活習慣病をはじめとして、さまざまな病気と関連があることがわかってきた。これを免疫学の視点から解き明かしていく。もっとも硬派な血液型本!
  • 負け犬はなぜ早死になのか
    -
    1巻693円 (税込)
    アメリカ、イギリス、台湾、そして日本の国民動態統計を見ると、日本の女性の未婚者の死亡率が際立って高いとわかり、その理由について考察する。 また、社会的な格差が大問題になっているが、精神的な健全性についても分析する。高い地位につき、裕福な暮らしをしていれば満足するではなく、他人と比べて自分の優位さや豊かさが感るかどうかで満足の深さが決まる、という。 豊かさと貧しさについて核心を突き、恐ろしいまでに赤裸々にしていくことで、心を強くする生き方がどういうものかと説く。著者渾身の啓蒙書――。
  • 信濃いにしえ殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    画家を志し創作に励んでいた椿千代のアトリエのすぐ近くで殺人事件が起きた。被害者は、掛け軸など販売している通販会社の社員で、彼は自社が扱った無名の画家の掛け軸を抱えていた。 この異様な殺人事件をきっかけに、5年前に亡くなっていたこの無名の画家が脚光を浴びることになり、それまで数万円の価値しかなかった作品が数千万で取引されるようになった。この画家に関連する人たちが、ひとりまたひとりと殺害されていく。 犯人は誰なのか。 宮之原警部は現場に出向き、鋭い推理で犯人と対決する!
  • 京都石塀小路殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    茶道の最匠流の若き宗家・最匠数真は、茶道の世界にはびこる悪しき風習の改革を掲げ、注目されていた。 数真には老舗和菓子店の一人娘早紀という恋人がいたが、周囲からは宗家の嫁に最適かどうかと陰口を叩かれていた。 6月のある日、最匠流の改革案をつくるために籠もっていた旅館で、数真はまき散らされた抹茶をかぶって殺されていた。捜査本部は異様な殺害方法に注目しながらも、恋人の早紀を最重要容疑者と見たのだった。 京都府警の魚津刑事は、捜査本部の方針に疑問を抱いたが、どうすることもできない。そこで警察庁の宮之原警部に捜査応援を依頼し、打開を図ることにした。はたして、宮之原警部は数々の因習の残る京都での殺人事件をすべて解明できるのか――。
  • 逃げる女
    -
    1巻671円 (税込)
    「奇妙な小説ですね」と、初掲載した小説誌の担当編集者が思わず唸ったという稀な作品。 主人公は湯佐稔、そして三年前に離婚して湯佐の元を去った佳奈子。彼女は娘とともに別の男と暮らしはじめていたが、どういう理由か、娘を置いて家を出てしまった。それを知った元夫の湯佐は、心の呻きに従い、元妻の行方を追い始める。 元妻は何から逃げ、何を怖れ、何を求めたのか。女の思考の神秘を追う大胆なエロス&サスペンス!
  • 赤岳殺人暗流
    -
    1巻682円 (税込)
    八ヶ岳連峰・赤岳で、雪山山行のリーダーが行方不明になった。その頃、長野県諏訪市のマンションで、心中に偽装された男女ふたりの札時事件が発生していた。殺害時間の頃、マンションの住人たちは非常階段から響いてくる、コツコツという重い響きのある音を聞いていた。その音はいったい何なのか。そこに、雪山で遭難したグループが関わっているというのか。諏訪署の刑事・道原伝吉は複雑に絡まった男たち女たちの想いをほぐしながら事件の真相に迫る!
  • 死体を科学する
    -
    世の中には、未解決の事件がいくつもある。古くは、自殺か他殺か、いまだにわかっていない下山事件、最近では、犯人にたどり着いていない八王子スーパー強盗殺人事件などがある。そうした事件を、検視官であった著者が取り上げ、丹念に考察を加えていく。死と死因と死体について、興味が尽きない。
  • 処刑の家
    -
    1巻682円 (税込)
    千葉県内のゴルフ場のコックとして勤務している堀井勉とキャディーの志穂は、仲良く暮らしていたが、失踪した父の家を相続するにあたり、妹の直美とトラブルになる。 相続問題はどこにでもあるが、姉妹は仇同士のような軋轢を生んでしまう。 そんな折、志穂は何者かによって凌辱されてしまう。まさか妹が仕組んだことなのか? それだけでも深刻な問題だったが、ことは複雑だった。堀井が犯した過失致死事件が絡んでいそうだった。男のロマンとバイオレンスが絶妙な、勝目ワールド全開の長編。
  • 血と闇
    -
    1巻671円 (税込)
    表向きは配管の仕事をしている甲田孝之だが、実は強盗の常習犯であった。しかし、クラブホスステスと美緒と出会ってからは、裏の仕事を止めていた。愛する美緒のためにも、真っ当に生きようと心に決めたからだった。 ところが、真面目な生き方を許してくれないヤクザが現れた。美緒の元彼だった。そして、手を切らせたければ、強盗の仕事をしろ、甲田に持ちかけたのだ。 愛する女のために、甲田は決意するが……。驚愕の展開が、待っている!
  • 背徳の山嶺
    -
    1巻682円 (税込)
    大規模な建設工事着工前に行われる環境調査を主業務とする会社社長の松宮達行は、寝汗をかくほどの不吉な予感に襲われていた。 予感が的中したかのように、家族が食中毒で入院することになる。その数日後には、松宮自身が交通事故に遭ってしまう。運転者はわからずじまい。轢き逃げだった。 いくら考えても、生命を狙われる覚えはなかった。それだけに、不幸な偶然が重なっただけとも思えたが……。 悪意をぶつけられた者は、どうやって切り抜けるのか。スリルに満ちた長編推理!
  • 釧路ぬさまい橋殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    釧路の水産会社で成功をおさめた社長が殺された。莫大な遺産はひとり娘の穂奈美に渡ることから、結婚前提の交際をしていた恋人が最重要容疑者となる。恋人にアリバイはなく、黙秘をつづけるため、ますます容疑は深まっていく。 穂奈美だけは恋人の無実を信じていた。しかし手立てがわからない。困り果てていた穂奈美は、知人からの薦めにしたがい、警察庁広域捜査官の宮之原警部に捜査を託した。 北の大地で宮之原警部が走り、推理を巡らす。読み応え十分の冴えたトラベルミステリー!
  • 裏街山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    夫婦仲が険悪になって別居生活をはじめた刑事は、家出少女を保護するうちに一緒に暮らし始めてしまった。 少女はしだいに、刑事にとって辛い現実を忘れさせる大切な存在になっていく。だが、刑事の生活を告発する手紙が署に送りつけられ、立場を悪くする。そんな折、幼児誘拐事件が起きる。悪いことは重なり、保護した少女の行方も分からなくなる。 残された少女の荷物から行き先の手掛かりを見つけ追っていくが、そこで事件が起きていた――。 刑事の職を棄ててまでも、少女への愛を貫こうとする男の純粋な執念の追跡が始まる。異色山岳ミステリー!
  • 愚か者たちの烙印
    -
    1巻671円 (税込)
    宝石商として成功している吉川和巳は、愛人と生活するために、妻を殺そうと画策する。夢のような生活を手に入れるには、完全犯罪でなければならない。そのために考えたのが、妻が誘拐されるという事件をでっち上げたうえでの殺害だった。 実行の当日、誘拐するところまでは成功した。しかし、そこから想像もしなかったことが起きてしまう。 誘拐を計画した当の吉川が誘拐されてしまった――。 エゴにまみれた欲の行方は進路を変え、殺害計画は悲惨な破滅計画へと変わっていく!
  • 霧の常念岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    大手商社に勤める今泉は、ガンで妻を亡くして間もなく、常務の紹介で渋々見合いをした。断れば、出世はなくなる。常務はそんな難しい性格の人とわかっていながら、色よい返事ができずにいた。このとき、今泉には不倫関係の女性がいたのだ。 見合いを進めるには、愛人が邪魔だった。常務から返事を聞きたいといわれればいわれるほど、愛人が疎ましくなった。そこで今泉は、この愛人を北アルプス常念岳の登山に誘った……。 出世と新しい幸福を掴むために暴挙にでたごく普通のサラリーマンは、いったい何を掴めたのか。作者渾身の作!
  • 萩・西長門殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    椎名紗智は恋人ともに、日本一美しい海と称せられている萩から西長門を旅していた。笠山半島の虎が崎で、偶然にも中年カップルを目撃したことで、殺人事件に巻き込まれていった。 ひなびた田舎の土地での大規模な観光開発がからんでいるのか、それとも、怨恨なのか。 警察庁遊撃捜査係の宮之原警部が、欲と憎悪の深層を追う!
  • 中国の閨房術
    -
    1巻980円 (税込)
    中国四千年の知恵が欲望がぎっしり詰まった中国性愛術を丹念にひもといていく。 皇帝の性愛術、宦官の成り立ちと跋扈、纏足がどのように寵愛をうけてきたのか、そして媚薬の数々についても大量の図版とともに解説する。その中で著者は、「房中術は気の生理学だ。体の中には目に見えない生命エネルギーである気が流れている」と、気と性との関係にも言及している。
  • 短篇小説
    -
    1巻770円 (税込)
    「おもちゃ箱をひっくりかえしたような短篇小説集」を編んでみたかったと、著者が述べているとおり、本書は多様な短篇によって構成されている。うれしいことに、あとがきでは、各短篇のロードマップになればよいという思いで、解説を著者自ら記していること。創作の核心に近づくことができ、作品の理解も深まる。 「光秀謀叛」にはじまり、「瓶の中の父」までの10篇。極上の読書体験だけがもたらしてくれる陶酔を、本書で味わえるだろう。
  • 花舞台殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    大衆演劇出身の人気俳優・鈴鹿進一郎はかつての兄貴分、姫川初太郎の座長旗揚げ公演に参加のために大分県日田に向かっていた。途中、福岡県飯塚で公演中の香椎研二郎一座を尋ねたことから、連続殺人事件に巻き込まれる。 予告された香椎座長殺害がその日のうちに実行され、翌朝尋ねた姫川の瀕死の状態にまで遭遇する。二つの殺人事件現場にいたことから鈴鹿は福岡県警の警部・久住院から疑われる。 香椎の娘で一座の女優・希代美、謎の女・城ケ崎淳子がからみ事件は複雑化していく。著者の初期旅情ミステリーの力作。
  • 死化粧山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    蝶ヶ岳と常念岳の間の沢で死体が発見された。当初、道迷いによる疲労凍死と見られていたが、登山道から外れた現場付近の木の枝に正しい道標を示す赤い布きれを見つけたことで、遭難という見立てに疑問符がつけられた。長野県警豊科署の道原伝吉は、雪山の現場に向かい、捜査を開始する。赤い布きれに隠された驚愕の罠を、伝吉は見抜く!「霧の道標」より。 全6篇からなる力作揃いの山岳ミステリー集――。
  • 貞操試験
    -
    1巻660円 (税込)
    ある金融業者のオフィスに男女五人の若者が呼び集められた。この会社の事業と財産2億円を譲るというのだ。 しかし条件があった。それは今付き合っている恋愛関係を清算し、この先1年間特定の男女の関係を持たないことなど、条件は奇妙なものだった。 巨額に目が眩んだ5人は互いに相手を引きずり降ろそうと動き、激しい駆け引きをはじめた。 奇抜な発想に深い味わいが横たわる、不思議なサバイバル・ミステリー。
  • 心中への招待状
    -
    日本の文化に深く根付く「心中」。日本人はいつ、この恋愛死を受け入れる素地をつくったのか。 本書は近松門左衛門「曽根崎心中」に材をとって考察していくが、「お初と徳兵衛にはどうしても死なねばならない窮状がみあたらないのです。それどころか人生のある種の絶頂で心中をしている」として、窮状ゆえに心中とは別の心中が曾根崎心中であると記している。 近松の描いた「心中」とはいかなるものか。日本人が受け入れた恋愛死の本質を鋭く豊かな筆致であぶりだしていく。
  • 津軽りんご園殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    東京の下町、亀戸天神の近くで青森県津軽から出稼ぎに来ていた男が殺害された。遺骨は妻に抱かれ同じ村の芹沢の付き添いで地元に戻った。 その通夜の晩、吹雪の中、今度は芹沢が行方不明になり、翌日800キロも離れた静岡県の富士山の見える場所で遺体として発見された。 同じ村から東京に出稼ぎに出ていた男が連続して殺害され、東京・青森・静岡にまたがることから、広域捜査官・宮之原警部が乗り出した。 事件の裏にはりんご園をつぶしてのリゾート計画が絡んでると思われたが、果たして……。
  • 言い出しかねて
    -
    1巻660円 (税込)
    ひとりぼっちの自宅で三十歳の順子が電話する相手は、年下の同僚水谷恵美だ。週に二度か三度、無言のまま切る夜の電話。エリートの恋人がいるらしい恵美のことが気になって仕方がなかった。ところが恵美が無断欠勤した日、順子は恵美のマンションを訪ね、死体となって横たわっている恵美を発見する。警察は自殺と判断しているが……。 表題作「言い出しかねて」の他、「誰かが私を愛してる」「ラブ・フォー・セール」「夢見る頃を過ぎても」「あなたと夜と音楽と」「ラウンド・ミッドナイト」「身も心も」「アローン・トゥゲザー」の7編を収録したアーバン・ミステリー。
  • 絶叫山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県警豊科署に、北アルプスの常念岳で死体が発見さたとの一報が入った。死体には不審な刺し傷があり、転落事故死とは思えかった。 身元を調べるうちに元警察官と判明し、怨恨の線で捜査がはじまったが難航を極めた。迷宮入りも視野に入れなければと内心考えたころ、元警察官と同じ殺され方をした他殺体が発見された。 二人を結ぶ点と線はいったい何か――。山岳ミステリーの旗手が、人間の心理を丹念に描いた渾身のサスペンス。
  • 遺伝子からのメッセージ
    -
    1巻770円 (税込)
    体重60キロの人には、約60兆もの数の細胞がそれぞれの場で整然と動いている。その細胞の中の遺伝子は、すべて同じ遺伝子情報をもちながら、そのほとんどがオフの状態にあって、必要なときにしかオンにならないと、遺伝子工学の最先端を走る著者はやさしく説明する。 こうした事実を踏まえ、「人生をイキイキ生きるには、そのために必要な遺伝子をオンにすれば良い」と提唱する。 そんなことができるのか? 本書にはその方法が得られるヒントがある!
  • 恥部
    -
    1巻682円 (税込)
    犬塚誠は弟分の荒木欣也と恋人の松川奈保子と組んで、盗んだ車を使って強請りを繰り返していた。 強請りを成功させた夜、ふたりは路地から飛び出してきた中年男を撥ねてしまい、それを偶然目撃した柳井純子を車ごと拉致することに。 ところが純子から、自分を裏切った恋人の人気作家・仙波明彦から大金を巻き上げるという狂言誘拐を提案される。 順子は仙波の2つの秘密を握っていた。 緊迫の狂言誘拐は成功するのか? 多視点からの構成が緊迫感を織りなす傑作ハードバイオレンス。
  • 神戸異人坂殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    神戸の異人館[シムの邸]の持ち主、西条澄晴が六甲の別荘で殺害された。彼の愛人と別荘の敷地内に住む管理人・速水が発見し警察に通報。「十八番」というダイニングメッセージを残したという。 たまたま姪・冴子の結婚式の仲人を頼まれ神戸に滞在していた警察庁の宮之原警部は、姪のとんでもない行動によって事件に関わってしまう。 実在したラムネの創始者のアレクサンダー・キャメロン・シムと「十八番」というブランドが事件を複雑にさせる。そして風変わりなレストラン[花鳥風月楼]のオーナーで冴子の友人・美佐緒も関係がありそうだ。警察庁広域捜査官・宮之原警部の推理が冴える!
  • 美幌峠殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    北海道の石北本線にD51二重連結機関車が走るという企画に、撮り鉄が撮影ポイントに集まっていた。偶然にもそこで撲殺された遺体が発見された。 被害者は、前夜に北見市のバーに出かけたという美幌町の酪農家だった。 容疑者として、被害者が訪れていたバーのママが浮かびあがった。そのママには、11年前にも殺人事件の容疑者になっていた。 その美貌のママは、警察庁の宮之原警部に助けを求めたのだ。 はたして、ママと宮之原警部との関係は? 被疑者と関係のある宮之原警部に事件の究明はできるのか?
  • 鴉五千羽夕陽に向う
    -
    1巻682円 (税込)
    カラスが主人公の、前代未聞の小説である。 ゴルフ場建設中の作業員詰め所で出る残飯目当てに、カラスがぞくぞくと集まってきた。その数、数千。 ゴルフ場オープンまでなんとか退治したいと決意した従業員たちは、猟銃、毒薬、果てはダイナマイトまで使った。 だが、危険を察知する能力の高いボスガラスは、人間たちの仕掛ける罠をことごとく見破り、かいくぐっていく。そしてついには、反撃にでる! 著者にしか描けない、人間とカラスが繰り広げる戦いは壮絶だ。見事な動物ロマン、必読である。
  • 殺人氷河
    -
    1巻671円 (税込)
    日本人に馴染みのあるニュージーランドのクック山の麓で、観光バスが転落した。同じ頃、登山家の大前透が、ニュージーランドのタスマン氷河で惨殺されていた。 大前の死に疑問を抱いた警視庁の白鳥完市は、白バイ隊員の月村修をともなって、ニュージーランドに飛んだ。捜査を重ねるうちに、大前が日本アルプスで山岳事故に関わっていることがわかった。大前の死と日本の山岳事故との関連は? なぜ、海外の名山で殺されたのか? バス転落事故にもつながるのか? 数々の謎を、白鳥たちの大胆な捜査が真実を暴き出す! 海外の名山と日本の連峰を舞台にした山岳推理長編。
  • 富良野ラベンダーの丘殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    天才調香師との呼び声の高い矢代幸生が、新たな香水を創り上げると同時にイタリアで失踪した。 恋人の柳井悠が心配のあまりイタリアに飛ぶと、同じタイミングで、失踪したはずの矢代が帰国した。 だが彼は、北海道の富良野で惨殺されていた。そしてそこには、まったく新しい香水の匂いが残されていた。 調香師を殺害したのは誰か? 世界のファッションメーカー、化粧品メーカーが欲しがる香水と調香表は、どこに行ったのか? 警察庁でただひとり捜査の任を受ける宮之原警部が、北の大地で核心に迫る!
  • 獣の聖域
    -
    1巻682円 (税込)
    女と別れた傷心を抱えて深酒していた探偵・秋津慎平のもとに舞い込んだのは、失踪した夫を捜してほしいという妻からの依頼だった。 捜索を始めた秋津は、夫の半田保が痴漢騒動に巻き込まれて金を強請られていたこと、さらに小心で実直な婿養子だと思われていた半田が、若い女と不倫関係を結んでいたことを知る。半田の裏の顔は、失踪と関わりがあるのだろうか。 時々刻々と変わる状況、心理、新たな事実。依頼人の半田昌子と愛人に翻弄されつつ、秋津は半田保の行方を追う。勝目梓独特のサスペンス&ソフトバイオレンス!
  • 熊鷹
    -
    1巻682円 (税込)
    熊鷹とは、日本特有の種で、東北、日本アルプスなどで見られ、鷹の中で最大の大きさを誇る。本書は、この熊鷹を主人公に据えた、動物文学の傑作である! 物語は、北海道厚床で民宿を営む寿太郎が、尾白鷲の子を拾って帰る場面からはじまる。一郎と名付けられた尾白鷲は大切に育てられていたが、一般家庭での飼育が禁止されている天然記念物だったため、泣く泣く、動物園に引き渡すことになる。なぜかそれを機に、寿太郎にはいくつもの災厄が襲いかかり、ついには、故郷の秋田に帰ることを決意する。そこで、熊鷹の巣から取ってきた卵をかえし、熊鷹の狩人「乾坤」を育てていく!
  • 蜜の刃
    -
    1巻682円 (税込)
    女子大生の今日子が二人の男に誘拐され、監禁された。全裸され、手錠で繋がれた上に、女二人も加わっての乱交状態で凌辱された。解放された彼女は恋人の慎治に事実を打ち明けるが、精神に破綻をきたしていた。 その後、脅迫の電話が今日子の実家にかかってきた。乱交状態を映したビデオテープと引き換えに、資産家である父親から1億円を脅し取ろうという魂胆だった。 自分が悪くもないのに罪悪感を感じていた今日子は、思いもかけない行動に出てしまう。そこから慎治は激しい復讐の炎を燃やし始めた。小さな手掛かりから男女4人を追い詰める。これぞ本物の復讐ハードバイオレンス!
  • 淡路いにしえ殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    東京・銀座コリドー通りで、医療メーカー研究所勤務の森中道夫が首を特殊な凶器で斬られて殺害された。 目撃者の証言では、犯人は木遣りのような歌をうたいながら悠々と立ち去ったという。森中は製薬関係者が集まる銀座のクラブ「志筑」から帰宅するところだった。 森中と同じ淡路出身で店のホステス笹野夕子は、真相を知るために名警部・宮之原とともに動き出す。長編旅情ミステリー。
  • 義母 柔肌の誘惑
    -
    普段よりも早く学校から帰った高校生の葉介は、二十八歳の若い義母が寝室で自慰に耽っているのを見てしまった。 初めて見てしまった妖しい光景に、思春期まっただ中の葉介の心は乱れ、それを高校の音楽教師の律子にぶつけてしまう。 はたして教師の律子は、生徒の葉介を受け止めるのか。そして、息子の葉介は義母との関係を、どうするのか? いけない関係の深みにはまっていく高校生と義母、そして音楽教師の行き着く先は、どこなのか――。
  • 巨根伝説
    -
    アダルトビデオの創成期、巨根で名をはせた男優・マグナム北斗。神戸で生まれ育ち、中学一年での初体験から始まった彼の女性遍歴は、五年間で六百本を超えるビデオに出演しながら、私生活でも常にセックスの相手を模索し続け、男の夢ともいえる「女体千人斬り」を三十代前半にして達成する。 そんな伝説の男優の女性遍歴を、女性官能作家がインタビューをもとに赤裸々に描いた半ノンフィクション・ノベル。
  • 燕岳 殺人の暦
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプスの燕岳で刺殺死体が発見された。 健康保険証から身元はすぐに判明したが、不明なことがあった。どういうわけか、11年前の冬に亡くなった女性についての新聞記事の切り抜きを持っていたのだ。 なぜ、男がその切り抜き記事を持っていたのか。長野県警豊科署の道原伝吉刑事は、過去の事件を徹底的に捜査するうち、北アルプスでの遭難事故が絡んでいることをつかんだ。 犯罪とは無縁のごく普通の人が、憎悪と欲に取り憑かれていく様が見事に描かれた見事なミステリー小説!
  • 蜜の迷路
    -
    1巻682円 (税込)
    おれは平凡な輸入キッチン用品のセールスマンだった。 ある昼下がり、住宅街の一軒を飛び込み営業した時、欲求不満の主婦に誘惑される。情事の後、ふと目についた現金を盗んだところから、人生は大きく変わってしまった。仕事をやめ空き巣専業となったのだ。 空き巣には思いがけない余禄がついてきた。部屋に隠されていた男と女の秘密の写真やビデオだった。そんなものに興味を抱いたことが地獄の入り口だったとは――。 ここには、信じられないまでのセックスと暴力が描かれている。ハードバイオレンスの極北、極致!
  • 出雲松江殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    警察庁の宮之原警部は、島根、鳥取の二つの県をまたぐ捜査相互乗り入れ実験のアドバイザーとして松江に滞在していた。そこで海岸の洞窟に打ち上げられた刺殺死体が見つかった事件に巻き込まれてしまう。行方不明になった義兄の安否を気遣う女性と知り合ったこともあった。 身元はほどなく判明したが、立て続けにその関係者が横浜、東京と殺害され、広域事件の様相を見せ始める。その人間関係を捜査するうちに22年前の高校生刺殺事件と容疑をかけれた同級生の存在が浮かび上がる。長編旅情ミステリー。
  • 出羽三山殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    大手食品メーカーにかかってきた突然の脅迫電話がかかる。「明日の二時までに十億円を用意しなければ、菓子を食べた人が死ぬ」 現金を輸送するため者として、犯人に指名されたのは、営業部員の三崎だった。 三崎と社長室員の小舟春美は、東京から山形の月山へ現金を車で運ぶことになった。 途中、同行していた小舟春美が姿を消してしまう。彼女の捜索のさなか、地元警察は出羽三山神社裏で男の死体を発見する。 事態は脅迫事件に殺人が加わったことで混沌とし、三崎までもが疑われてしまう。 三崎は自らの潔白を証明しようとするが、彼には後ろめたい過去があった。 東北の霊山で、過去と現在が交錯し、欲と裏切りが入り組む。息詰まる展開がつづく長編山岳ミステリー。
  • 黒い岩壁
    -
    1巻682円 (税込)
    霞沢岳、大滝山、天狗ノコル、涸沢、帝国ホテルにほど近い上高地などを舞台にした、山岳の臨場感、醍醐味に溢れる6篇からなる短篇集。 「凍る沢」では、霞沢岳で拾ったカメラがきっかけとなって、隠されていた事件があぶり出される。 「暗い谷への接近」は、大滝山の麓に集まっていたカラスの群れから死体が発見されたことから事件が発覚する。 ほかに、「潜伏」「刺殺」「春の弾痕」と、いずれも山岳を舞台にした、切れ味するどいミステリー。
  • 小説伝・純愛伝
    -
    1巻682円 (税込)
    創造性に満ち溢れた2編の中編からなる傑作「小説伝・純愛伝」。 「小説伝」は、孤独な老人が書き残した全500巻からなる超長編作が発見されたことによって、本を読まなくなった人々の狂騒を描く。 「純愛伝」は、塾教師のわたしに向かって妻が高らかに電話男宣言を発したことで起こるさまざまなあり得ない問題を描く。電話男とは、著者の衝撃的なデビュー作であり、第三回海燕新人賞を受賞した「電話男」の主人公がなった、電話での聞き役に徹することを課して生きる者のこと。
  • 加賀いにしえ殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    大手銀行の支店長の父親が失踪した。そして二百三十億円の横領の容疑がかけられた。しかし父親は石川県の白山の麓のダム湖で死体で発見された。 娘の千尋は遺体確認に金沢に行き、父親が1週間も滞在していたという秘湯の宿を尋ねるが、旅館の主人の話からすると父親の行動があまりにも「らしくない」ことに不信をいだく。 父親のデスクダイアリーに“尼御前”というメモが残されていた。それだけの手掛かりを元に、警察庁の宮之原警部が娘の千尋とともに事件解決に挑む。 バブルに踊らされた日本の経済、政治の影に巨大な勢力がうごめいていた。
  • 事件の年輪
    -
    1巻682円 (税込)
    定年を過ぎ、人生の終盤にさしかかった男たちに降りかかるさまざまな出来事。記憶の中から蘇る若かった頃のこと、歳を取ったからこそ遭遇すること。物語の中に人生の年輪を重ねた男たちの人生がある。 まだ日本が「戦後」と呼ばれアメリカ軍の占領下にあった時代の事件の真相を死ぬまで語らず抱えたまま最期を迎えようとする男。家族に迷惑をかけたくないと自ら死を選ぶ老人。意外なところで発見された旧制中学の門札にまつわる謎など。軽いタッチで綴られるミステリーながら、滋味深い10の物語。
  • 暗殺連峰
    -
    1巻671円 (税込)
    夫は急に決まった札幌出張に出かけた。しかし、夫は忽然と消失してしまった。 手掛かりは札幌にあるはずと思い、藁にもすがる思いで、札幌で暮らすかつての恋人に夫を探すように頼んだ。 快く引き受けてくれたはずの元恋人だったが、彼はなぜか、長野県の蝶ヶ岳山頂で死んでいた。 長野県警豊科署の道長伝吉刑事は、北海道に飛び、執念の捜査を開始する!
  • 果てなき死線
    -
    1巻682円 (税込)
    平凡な男が、暴力団組長の娘の誘拐を企てた。 ごく少額だった闇金融での借金が法外な利息によって膨れ上がり、家をとられ、妻は自殺し、娘二人も苦界に沈んだのだ。 サラリーマンだった男の目的は、復讐あるのみ。それこそが、ひとり残された夫・父としての存在証明となるのだ。組長の娘の誘拐に成功したものの、その現場には、かつて三木の組に籍をおいていた馬場豊が犯行を目撃していた。その馬場もまた、組長への憎悪に燃えていた。 交わるはずのない二人に、復讐という同じ目的から奇妙な友情が芽生えていく。心にしみるバイオレンス!
  • 陸奥仏ヶ浦殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    青森県下北半島の奇岩で知られる名勝、仏ヶ浦で刺殺遺体が見つかった。民俗学の大学教授、佐伯だった。発見したのは、地元の漁師の案内で仏ヶ浦を訪れた弟子の美樹だ。死亡推定時刻は、二人がこの地に住む霊感少女、幽香子をたずね、彼女の神憑きを見たその深夜だった。幽香子は未来を予想するかのように、「聖なる地は血で汚され……」と託宣していた。 死んだ者の霊を呼び寄せるイタコの聖地、恐山の麓で起きた連続殺人事件は巨大宗教団体の影がちらついていた。広域捜査官、宮之原警部が若い女性民俗学研究者とともに謎を解き明かす。下北半島を巡る旅情ミステリー。
  • あいつの堕ちる場所
    -
    1巻671円 (税込)
    私立探偵の伊賀光二は、以前手がけた事件で殺し屋に両手の小指を落とされ、お尻までも犯されるという目に遭った。そのころ依頼人としてやってきた順子とともに、今は四谷にある事務所兼住居で暮らしながら仕事をこなしている。順子は助手であり愛人だ。 ある日、森元茂という男の依頼で女を捜すことになる。だが、それは伊賀にとって最悪の依頼だった。 捜査初日に何者かのグループの襲撃を受け、途方に暮れていると依頼人の森元が殺害されてしまう。 刻々と迫る危機に、私立探偵は自らに課したルールと行動力、推理力で困難と闘う。死と恐怖に立ち向かう、傑作長編ハードボイルド。
  • 西穂高殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    西穂高独標付近で倒れている男が発見された。当初は遭難と思われたが、遺体にはアイスピック状の刺し傷があったため、殺人事件と思われた。 長野県警豊科署の人情刑事・道原伝吉も、不自然な現場を目の当たりにして、殺人事件と考えた。 殺害された被害者の身元を調べていくと、かつて働いていた一流企業を同時期に辞めた男も、南アルプスで殺害されるという事件が起きた。 その被害者も、アイスピック状の凶器に倒れたと判明し、ふたつの事件は同一犯によるものであろうと推測された。 伝吉はふたりの被害者の足跡を追い、隠されていた共通項を見いだし、犯人に近づいていく!
  • フリーズ
    -
    1巻671円 (税込)
    テロ未遂事件を起こしたのは17歳の時だった。それから20年が経ち、男は殺人事件を引き起こした。 20年もの長い間、男は果たせなかったテロの失敗を悔やみつづけたのだろうか。それとも新たに殺意を育てたのか。 拘置所の中での自問を、読者は追体験することになる。息をするのが苦しくなってくる自問がつづき、殺意が身近になっていく。 心の闇が迫る心理サスペンス!
  • 鮮血の珊瑚礁
    -
    1巻671円 (税込)
    法律事務所で調査員をしている辻五郎は、妹から、スリランカで行方がわからなくなった恋人の宮内敦を捜してほしいと頼まれた。 二億円のサファイアを持って逃げたのではないかという疑いがあった。そんなことをするはずがないと、恋人の潔白を信じる妹の頼みを断るわけにはいかない。 辻五郎は、スリランカへ飛び、宮内を捜す。足跡が少しずつたどれるようになったところで、スリランカに悲報が届く。妹が事故で亡くなった、と――。 宝石業界の内実、そして社内の派閥争いが浮き彫りになる中、妹の死は、果たして事故だったのか。 エキゾチックな女性が乱舞するスリランカを舞台にした超官能サスペンス!

最近チェックした本