時野つばき作品一覧

  • あの子の骨は井戸の中
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    「英雄なんざ必要ねぇ! 希望の灯火だとか光の刻印とか世迷い事抜かしてる暇があんのか?」「だったら俺が行く。他の誰かの助けなんか、待ってられない」 ゴブリンに攫われた少女を取り戻すため、薬草屋の中年男と見習い鍛冶屋の少年は荒野を行く。僅かな痕跡をたどる追跡は、やがて死臭と怨嗟溢れる『屍の井戸』へとたどり着く。ファンタジーでは飽きるほど繰り返される最初の冒険を、刑事ドラマさながらの丹念な筆致で克明に描き出す。些細な低レベルの事件、されど災厄に見舞われた当の親子にとっては命に関わる唯一の悲劇。別離と喪失の冒頭からやすらぎと昇華の終幕へ。これは引き裂かれた親と子が、再び巡りあう物語。
  • 犬と呼んでよ俺の姫!
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    1巻330円 (税込)
    西門雷蔵は誰もが認める犬系男子。そして、幼なじみの名家の若様、姫野紫信に毎日手作り弁当を届ける弁当男子。 一緒にご飯を食べて、姫野さんが喜ぶ顔を見られればそれで幸せ、それで満足……のつもりだったけど。 気付かないふりをしていても、時間は確実に進んでる。今は一緒、だけど姫野さんが高校を卒業しちゃったら? 大人になったら? 「俺はいつまであの人を、追いかけて行けるんだろう」 わからないから不安になる。不安になるから、証が欲しくなる。見える形で欲しくなる。 寄り添っているはずなのに、微妙にすれ違う気持ちが焦れったい。もどかしい。 それを吹っ切るべく雷蔵は、バレンタインの直前に一念発起。「姫野さんにチョコレートをあげよう!」 ところが。チョコレート代を稼ぐべく出かけたバイト先の神社の蔵で、見つけてしまった怪しげな勾玉。 意味深なお札をうっかり剥がしてしまったもんだからさあ大変、本物の犬に姿を変えられてしまった。呪われた瞬間、心に浮かんだ最も強い願いを叶えない限り元には戻れない。タイムリミットは翌日の日没、それを過ぎたら一生犬のまま! 「姫野さん助けて、俺だよ雷蔵だよ!」叫んでもすがってもただの犬、全然わかってもらえない。それどころか怖がられる、泣かれる、逃げられる。 追いすがれば何故だか不幸な偶然が重なって、引き離される、遠ざかる。焦る間もどんどん時間は過ぎて行く。誘惑の手も伸びてくる。 「男同士がくっついてたら変に思われる。だけど犬と飼い主なら平気だよ? ずっと彼と一緒にいたいんでしょ?」 追いつめられる中、果たして雷蔵の選ぶ未来は犬か、人間か? 「俺は、姫野さんの犬だ!」
  • おとぎの森の幼女姫【電子書籍版】
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    「姫のために」 それは天敵同士の二人を結ぶ誓いの言葉 幼い姫を守るため、おっさん騎士と知性派ドラゴンがバディを結成。悪の野望卿と戦う! 「私は姫、国はもう無い」 突如反旗を翻した野望卿ジークフリート。 城は落ち、国王夫妻は無残にも命を奪われた。 ただ一人残された幼い姫を守り、一人、また一人と散ってゆく騎士たち。 「ここは俺に任せて……って何でお前が行くんだよ!」 期せずして最後に生き残った中年騎士「茨のギデオン」は、姫と共に魔物の棲む黒い森へと身を隠す。 そこで不倶戴天の天敵と出会うとは夢にも思わずに。 「何てこったい、ドラゴンだ」 「何が望みだ、騎士よ」 「きれいな牛さん」 王位を簒奪せんと執拗に姫を狙う野望卿。その暴虐はとどまる所を知らず、ついには「幼女狩り」が始まる。 幼き者、弱き者は踏みにじられ、親たちの嘆きは空しく風に散る。 「姫のために」「ああ、姫のために」 おっさん騎士とドラゴンは不本意ながら手を組み立ち向かう。 全ては最後の希望、ララ・リリア姫を守るために。 姫と、騎士と、ドラゴンと。 妖精、魔女、悪い貴族。 雨の森からはじまる「大人のためのおとぎ話」、電子書籍で華麗に復活! ※本書は2017年に白好出版から発行された「おとぎの森の幼女姫」を一部改稿し、同社のweb上で公開された短編「ケンカのお稽古」とキャラクター作成秘話「キャラメる語り」(現在は公開終了)を含めた電子書籍です。
  • 怪奇!足引き沼で妖婆が呪う
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    探偵と助手が温泉旅行、何も起きないはずがなく…… その探偵、千夜野なな。顔がいい。頭がいい。そして何より足がいい。 しかしその実、アイス大好きめんどくさがり引きこもりのダメ人間! この助手、常盤平成。渋みあふれる46歳元刑事、しかしその実、足フェチどMのど変態! 「何で踏んでくれないんですか」 「お前はピザでもうどんでもない、ただの変態だ!」 「おのれピザ……おのれうどん!」 親子ほど年の離れた二人の元に転がりこむのは訳あり事件ばかり。 『その沼で、パンを踏むと呪われる』 忌まわしい過去の事件が今を生きる少女を呪う。 傲慢美少女探偵と、隙あらば踏まれたがる目つきの悪いイケオジ。 二人の叡知は呪いに打ち勝つことができるのか! 「まずは温泉だな」 「この前振りで、そっち?」 年の差バディとアイドルによるドキドキ温泉湯煙旅情。呪いもあるよ!
  • まどろむダンデライオン~カリフォルニア警察物語~【イラスト入り】
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    サンフランシスコ市警の新米刑事ハルカが先輩刑事ライオネルに惚れた。強面で、肩幅広くて胸板の厚い、がっちりした男前の男に。「俺、ホモだったんだ……」悩みながらも告白を決意したその朝、告げられたのは別れの言葉。「今月一杯で転属する」引き止める事も打ち明ける事もできぬまま一年が過ぎ、同僚の結婚式で二人は再会する。呑み過ぎて潰れたハルが意識を取り戻したのはライオネルのアパートだった。至近距離で見つめる青い瞳、今にも手が届きそうなふわふわの赤い髪。ギリギリまで追いつめられ、思いの丈をぶちまける。「先輩、ちゅーしていいですか!」「お前、絶対それだけで終わらないだろ!」その場で初めてのキスを交わして結ばれる。満たされ、幸せの余韻に浸るハル。一方でライオネルは苦悩を噛みしめていた。そしてもう一人、仲むつまじい二人を監視する男が居た。「お前にふさわしいのは俺なんだ。じっくり思い知らせてやる……その、体に」※本作品はイラスト入りです。
  • 飯付き風呂付きオヤジ付き【イラスト入り】
    4.7
    おっちゃんはセックスの時、声を出さない。近所に聞こえたらまずいだろ、って言うのがその理由だ。俺は今まで一度もこの人が本気で喘ぐのを聞いた事がない。聞きたいと、思う。(「雷を待ちわびる」より)目つきの悪さで人生の三割は損してる大学生の『俺』と、のほほんとしてるようで仄かに腹黒い中年の『おっちゃん』。縁あって築六十年の日本家屋で一緒に暮らしてる。時に年上の手練手管に転がされ、時に若者の情熱に翻弄され、求め合い、引っ付き合い、他愛のない日々を重ねる。まばゆく白く照りつける夏の太陽の下、二人で一緒に歩いて、買い物をして、飯を食う。舞台は南九州の架空の町、基本はまったりゆったり進行のコージーなBL。低身長年下攻め×おやじ受け、年の離れた恋人たちのゆるーい日常をつづった連作短編集。どこからでも読める。好きな所だけ読み返せる。お休み前のひと時に。寛ぎたい時にいかがでしょう?
  • 我は誓う剣に友に~バルナ・クロニカより
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    失われた四つの心魂、分かたれた五つの種族。真王は死せる闇に堕ち、灯火は巡り語り部は謡う。『剣を掲げよ空高く。泥の中より得し剣を』大荒野で生きる少年グレンは幼い頃、古い剣を見つけた。何の力も無いありふれた鉄の塊。それでも彼にとって唯一の特別な剣。長じてグレンは鍛冶屋に弟子入りし、錆びた剣を自らの手で鍛え直す。そして今、相棒ハーツの協力を得て剣に名を与え、魂を分かつ『絆の誓い』の儀式を行おうとしていた。時同じくして闇の中、腐臭をまとい蠢く影が平和な村に忍び寄る。これは『英雄』の魂を宿した『普通の人々』の物語。本作はTRPG「バルナ・クロニカ」の世界観と設定を元にしたノベライズです。

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